竜使いになりたいけど、契約した竜が最弱で困ってます。え、実は伝説の竜だって本当ですか？！

第一章

11話

教室に戻ると教壇に男が立っていた。

｢Bクラスの11人の生徒たち。はじめまして、これから担任をする、マルコだ。よろしく頼む。」

そう言って担任のマルコは軽く頭を下げた。
マルコは眼鏡をかけた真面目そうな先生だ。

｢ではまず自己紹介をしてもらう。席順にしようか。11人しかいないんだ。みんな仲良くしよう。｣

(自己紹介！定番だよね。名前は言うとして、他は何言ったらいいのかな？)

マルコ先生の発言を受けて教室がざわめく。

｢まずは右の列の一番前の人からだ。よろしく頼むぞ。｣

1番初めに指名されたのは大人しそうな眼鏡をかけた女の子だった。

｢はい。私の名はアリエル･ガルドです。趣味は読書。よろしくお願いします。｣

手短に終わらせるとすっと席に座った。
次の生徒が立ち上がる。

｢えーっと、僕はラファエル･オルコ。好きな食べ物はケバブです。みんなよろしく。｣

(まずい、次私の番だ。)

エリザは勢いよく立ち上がった。

｢あの、名前は、エリザ･シーザーです。特技はどこでも眠れることです。よろしくお願いします。｣

エリザは言い終えると着席した。

(まずいよ～。変なこと言っちゃった。変人だと思われてないよね？)

エリザは心の中で悶々としていた。

そうしているうちに順番が最後の2人まで来ていたようだ。

｢私の名前はマリン･ハーパーよ。趣味はオシャレをすること。以上。｣

(あ、マリンだ。相変わらずハキハキ喋るなあ。かっこいいよ。)

最後に立ち上がったのはがっしりとした短髪の男子生徒だ。

｢俺の名前は、ライナー･ダカオだ。趣味は筋トレだ。よろしく。｣

最後まで終わったところでマルコが再び教壇へ上って教室を見回した。

｢ここにいる11人が今年の1年生のメンバーだ。あと学校では身分差などを意識しない平等な校風を重んじるために家名ではなく名前で呼びあうことを原則とする。もちろん我々教員も君たちを名前で呼ぶからな。｣

学校内ではあくまでも平等だ。
ただし、学校を卒業してしまえば身分によって忖度が発生し、当然出世にも影響する。

(名前で呼ぶのかあ。男子の名前とかは特に家名で呼んでたから慣れるまで時間がかかりそう。話しかける時緊張しそう。)


とりあえず初日は自己紹介をして先生の話を聞いて終わりらしく、エリザたちはその日は直ぐに解散になった。