TRAVELER'Z NOTE

Page.16 「衝撃、真実、そして無抵抗。」

冒険15日目、トレス滞在2日目

「それでは、これから・・・。祝砲だ。」

バン！（鉄砲が鳴る音）

「え・・・？」
「パパ！？」
「どうしたの？」

アタシたちの前でパパは市長が撃った祝砲で撃たれた。

「ふははは、よくのうのうとここへ立って居ったな？お前ら・・・。」
『どうしてこんなことするの？』
「どうして？そんなの・・・。お前らが一番知っているだろ！？」

そういうと市長はアタシたちのフードをとった。
その姿を見て見学をしていた市民たちはざわつき始めた。

「こういうことだ。お前らは獣人でありながらここに住みだまされながらここで過ごしてるなんてな？」
「騙されてる？」
「それも気が付いていないとは・・・。滑稽だな。獣人というのはつくづくまぬけなやつめ。なぁ、ククラブ。」
「・・・。」
「どうした？もう死んだのか？」
「パパ・・・。大丈夫・・・・？」
「ふはは。そこにいる男はなぁ。お前らの実の父母を殺した本人だぞ？」
「え・・・。」
「いい表情をするじゃないか・・・。だが事実だ。お前らがのんきに山で遊んでる間にこの男はお前らの家を襲撃して父母を殺したんだぞ？放心状態のお前らを連れて帰ってきて洗脳をしたのもこいつだ？！」
「・・・。」
「まぁいい。お前らはこれから今までこの人々を騙してきたことを含めて罪を償うしかないな？」
「・・・。」
「さぁ、はじめようか？今からここにいる獣人３匹のオークションを始める。使い方は自由だ。どうだ？！欲しい奴はいるか？まぁ、、、３万ペンズくらいから始めるか・・・？」
「うぅ・・・。」
「なんだその眼は！」

市長があたしたちへ引き金を引こうとした。
あたしたちは三人で固まって逃げようとした。

「逃げるよ！ニールグ！デール！」
「でもパパも！」
「そうだね！三人で持てば！」
「どこ行くんだ？！逃げんじゃないよ！」
「動くんじゃねえよ！」

エウルブが警備隊の誰かに耳を持たれた。

「ひ・・・。痛い・・・。離して・・・！」
「エウルブ！やめて放して！」
「もう抵抗しないから・・・！！」
「おい。大事な商品を乱雑に扱うな・・・。」

あたしたちは逃げることをやめた・・・。

「さぁ、なにかありましたがこの三匹をだれか買いたいものはいるかな？」
「やめて・・・。」
「誰か・・・・。」
「助けて・・・。」
「奴隷がしゃべるんじゃない！」

またあたしたちの方へ銃口が向いた。
アタシたちはもう逃げられないと思った。

「【白豪炎】！」「【神鳴巨鳥】！」「【咲来ハリケーン】！」「【氷通電】！」