12 / 84
第1章 シルヴァリオン
【12】 タカハシサンがいっぱい
週明け、学園総会が行われ壇上でオーディンが演説をしてる。
かっこよさに周りの生徒がウットリと見ている。
着替えも一人でできないとか、そのくせ世話焼きだとか、好き嫌いが多いとか、ボクしか知らないオーディンを思い出し一人ほくそ笑む。
まだたったの1週間だけど、お互い随分打ち解けわかりあえたと思う。
今週から放課後は、オーディンが国のお仕事がある時はボクはまっすぐ帰宮。
生徒会のお仕事がある時は、生徒会室のオーディンの机の隣に用意されたボク専用の机で過ごすように言われた。
「宿題したり、本を読んだりするといいよ」
生徒会室ではみなさんが忙しそうにお仕事してるのに邪魔じゃないんだろうか。
(ここにいるみんなにはボクが見えていないのかな?)と不安になるくらい無反応だけど、
『シルヴィはどうする?シルヴィも飲む?シルヴィは…シルヴィも…』オーディンが話しかけてくれるとボクは透明人間じゃなく、みんなの目に映るみたいだ。
終わったら一緒に帰り、一緒にご飯、一緒にお風呂、眠るのは別々の部屋だけどまるで夫婦みたいだ。
そんなことを考えてたら顔が真っ赤になってオーディンに不思議がられた。
次の日の放課後のリムジンの中で、ボクとオーディンは変装するために着替えていた。
オーディンはロングTシャツとジーンズに黒いカツラ、銀縁伊達メガネ。
ボクは空色の半袖シャツに白いパンツ、茶色のくせっ毛のカツラに黒縁伊達メガネ。
黒服さんたちもいつもの黒服じゃなく私服を着ていた。
着替えた後、リムジンから普通の乗用車に乗り換え車を走らせるとしばらくして街並が変化する。
建物が減り郊外の空気を感じる頃、車が停まった。
うながされ降りると、農家のおじさん?に案内されて行った先には、白・茶・黒のたくさんの【タカハシサン】がいた。
(あのデブアルパカのぬいぐるみは、デフォルメじゃなく本当にこんなにデブなんだ)
触っていいと言われ抱きついてみる。
もふん
ジト目もぬいぐるみそのままで、たくさんの【タカハシサン】に囲まれ埋もれそうになっていると、オーディンが腕を取り抱き上げて助けてくれた。
ヴェーヴェーと不満そうな【タカハシサン】たちが、ヤバイくらいに可愛い。
おじさんの説明によると【タカハシサン】たちからは上等な毛が取れて、暖かいコートやマフラーが作れるんだそうだ。
温暖なシアーズでは必要ないが、近隣諸国では人気で重宝されているという。
その後、オーディンの宮殿まで戻った車は門をくぐらず道端で停まった。
門兵さんの交代式の時間じゃないので観光客もまばらで閑散としている。
真っ赤な衣装の門兵さんを見ていると、突如ラッパが鳴り響きキビキビとした動きで交代式が始まった。
オーディンを見上げるとニッコリ笑って「私もちゃんと見るのは初めてなんだ」と言った。
(ボクが見たいと言ったから、時間でもないのにやってくれてるんだ)
銃剣を手にした門兵さんが行進しながらキビキビと交差する。
新しい門兵さんが配置に着くと、ラッパの音もやみ交代式は終わった。
その後、飲んでみたかったタピオカミルクティーもどきを買ってもらって車に戻る。
飲んでみたら中にあった黒い丸いのはタピオカじゃなくイクラみたいに薄い外皮に包まれたもので、舌で潰すと甘いシロップが口の中に広がり、とても美味しかった。
この後は宮殿に戻るのかと思ってたのに、車はまた走り出す。
1時間ほどかけて山の中腹のレストランに到着する、山小屋風のここは一段高くなった小上がりにクッションを敷き詰めもたれるように座り、床に直に置かれたお皿から料理を手づかみで食べるスタイルだ。
(どこの国の料理かわからないけど手づかみで食べたことなんてなかったからスゴイ楽しい!)
味もスパイシーでスリランカ料理ってこんな感じだっけ?と無い情報を絞り出す。
(なんかデートみたいだ)
「すっごい楽しい」と言うとオーディンが嬉しそうに「よかった」という。
車に戻るとリムジンで、もう変装を取っていいと言われた。
(デートはおしまいか)
変装のオーディンはいつもと違う人みたいで、それでもカッコよくて変装の終わりが少し残念だ。
すっかり暗くなった外を見ると、リムジンは山を下らず登っていく。
着いた先は古いお城のような建物で、山の上の砦のようだった。
尖塔の最上階のバルコニーに出ると眼下にシアーズ都心部の夜景が煌めいていた。
香港の100万ドルの夜景がこんなだかは知らないが、美しい光景にウットリとする。
肩にオーディンの手が置かれ、なにか?と見上げると
突然唇に柔らかいものが触れてきた
―――――――――――――――――――――――――――――――――
一瞬ですがBLランク2位になれました、夢のようです!
読んでくださってありがとうございます。感謝感涙 angel
かっこよさに周りの生徒がウットリと見ている。
着替えも一人でできないとか、そのくせ世話焼きだとか、好き嫌いが多いとか、ボクしか知らないオーディンを思い出し一人ほくそ笑む。
まだたったの1週間だけど、お互い随分打ち解けわかりあえたと思う。
今週から放課後は、オーディンが国のお仕事がある時はボクはまっすぐ帰宮。
生徒会のお仕事がある時は、生徒会室のオーディンの机の隣に用意されたボク専用の机で過ごすように言われた。
「宿題したり、本を読んだりするといいよ」
生徒会室ではみなさんが忙しそうにお仕事してるのに邪魔じゃないんだろうか。
(ここにいるみんなにはボクが見えていないのかな?)と不安になるくらい無反応だけど、
『シルヴィはどうする?シルヴィも飲む?シルヴィは…シルヴィも…』オーディンが話しかけてくれるとボクは透明人間じゃなく、みんなの目に映るみたいだ。
終わったら一緒に帰り、一緒にご飯、一緒にお風呂、眠るのは別々の部屋だけどまるで夫婦みたいだ。
そんなことを考えてたら顔が真っ赤になってオーディンに不思議がられた。
次の日の放課後のリムジンの中で、ボクとオーディンは変装するために着替えていた。
オーディンはロングTシャツとジーンズに黒いカツラ、銀縁伊達メガネ。
ボクは空色の半袖シャツに白いパンツ、茶色のくせっ毛のカツラに黒縁伊達メガネ。
黒服さんたちもいつもの黒服じゃなく私服を着ていた。
着替えた後、リムジンから普通の乗用車に乗り換え車を走らせるとしばらくして街並が変化する。
建物が減り郊外の空気を感じる頃、車が停まった。
うながされ降りると、農家のおじさん?に案内されて行った先には、白・茶・黒のたくさんの【タカハシサン】がいた。
(あのデブアルパカのぬいぐるみは、デフォルメじゃなく本当にこんなにデブなんだ)
触っていいと言われ抱きついてみる。
もふん
ジト目もぬいぐるみそのままで、たくさんの【タカハシサン】に囲まれ埋もれそうになっていると、オーディンが腕を取り抱き上げて助けてくれた。
ヴェーヴェーと不満そうな【タカハシサン】たちが、ヤバイくらいに可愛い。
おじさんの説明によると【タカハシサン】たちからは上等な毛が取れて、暖かいコートやマフラーが作れるんだそうだ。
温暖なシアーズでは必要ないが、近隣諸国では人気で重宝されているという。
その後、オーディンの宮殿まで戻った車は門をくぐらず道端で停まった。
門兵さんの交代式の時間じゃないので観光客もまばらで閑散としている。
真っ赤な衣装の門兵さんを見ていると、突如ラッパが鳴り響きキビキビとした動きで交代式が始まった。
オーディンを見上げるとニッコリ笑って「私もちゃんと見るのは初めてなんだ」と言った。
(ボクが見たいと言ったから、時間でもないのにやってくれてるんだ)
銃剣を手にした門兵さんが行進しながらキビキビと交差する。
新しい門兵さんが配置に着くと、ラッパの音もやみ交代式は終わった。
その後、飲んでみたかったタピオカミルクティーもどきを買ってもらって車に戻る。
飲んでみたら中にあった黒い丸いのはタピオカじゃなくイクラみたいに薄い外皮に包まれたもので、舌で潰すと甘いシロップが口の中に広がり、とても美味しかった。
この後は宮殿に戻るのかと思ってたのに、車はまた走り出す。
1時間ほどかけて山の中腹のレストランに到着する、山小屋風のここは一段高くなった小上がりにクッションを敷き詰めもたれるように座り、床に直に置かれたお皿から料理を手づかみで食べるスタイルだ。
(どこの国の料理かわからないけど手づかみで食べたことなんてなかったからスゴイ楽しい!)
味もスパイシーでスリランカ料理ってこんな感じだっけ?と無い情報を絞り出す。
(なんかデートみたいだ)
「すっごい楽しい」と言うとオーディンが嬉しそうに「よかった」という。
車に戻るとリムジンで、もう変装を取っていいと言われた。
(デートはおしまいか)
変装のオーディンはいつもと違う人みたいで、それでもカッコよくて変装の終わりが少し残念だ。
すっかり暗くなった外を見ると、リムジンは山を下らず登っていく。
着いた先は古いお城のような建物で、山の上の砦のようだった。
尖塔の最上階のバルコニーに出ると眼下にシアーズ都心部の夜景が煌めいていた。
香港の100万ドルの夜景がこんなだかは知らないが、美しい光景にウットリとする。
肩にオーディンの手が置かれ、なにか?と見上げると
突然唇に柔らかいものが触れてきた
―――――――――――――――――――――――――――――――――
一瞬ですがBLランク2位になれました、夢のようです!
読んでくださってありがとうございます。感謝感涙 angel
あなたにおすすめの小説
転生先は猫でした。
秋山龍央
BL
吾輩は猫である。
名前はまだないので、かっこよくてキュートで、痺れるような名前を絶賛募集中である。
……いや、本当になんでこんなことになったんだか!
転生した異世界で猫になった男が、冒険者に拾われて飼い猫になるほのぼのファンタジーコメディ。
人間化あり、主人公攻め。
辺境の酒場で育った少年が、美貌の伯爵にとろけるほど愛されるまで
月ノ江リオ
BL
◆ウィリアム邸でのひだまり家族な子育て編 始動。不器用な父と、懐いた子どもと愛される十五歳の青年と……な第二部追加◆断章は残酷描写があるので、ご注意ください◆
辺境の酒場で育った十三歳の少年ノアは、八歳年上の若き伯爵ユリウスに見初められ肌を重ねる。
けれど、それは一時の戯れに過ぎなかった。
孤独を抱えた伯爵は女性関係において奔放でありながら、幼い息子を育てる父でもあった。
年齢差、身分差、そして心の距離。
不安定だった二人の関係は年月を経て、やがて蜜月へと移り変わり、交差していく想いは複雑な運命の糸をも巻き込んでいく。
【完結】生まれ変わってもΩの俺は二度目の人生でキセキを起こす!
天白
BL
【あらすじ】バース性診断にてΩと判明した青年・田井中圭介は将来を悲観し、生きる意味を見出せずにいた。そんな圭介を憐れに思った曾祖父の陸郎が彼と家族を引き離すように命じ、圭介は父から紹介されたαの男・里中宗佑の下へ預けられることになる。
顔も見知らぬ男の下へ行くことをしぶしぶ承諾した圭介だったが、陸郎の危篤に何かが目覚めてしまったのか、前世の記憶が甦った。
「田井中圭介。十八歳。Ω。それから現当主である田井中陸郎の母であり、今日まで田井中家で語り継がれてきただろう、不幸で不憫でかわいそ~なΩこと田井中恵の生まれ変わりだ。改めてよろしくな!」
これは肝っ玉母ちゃん(♂)だった前世の記憶を持ちつつも獣人が苦手なΩの青年と、紳士で一途なスパダリ獣人αが小さなキセキを起こすまでのお話。
※オメガバースもの。拙作「生まれ変わりΩはキセキを起こす」のリメイク作品です。登場人物の設定、文体、内容等が大きく変わっております。アルファポリス版としてお楽しみください。
悪辣と花煙り――悪役令嬢の従者が大嫌いな騎士様に喰われる話――
ロ
BL
「ずっと前から、おまえが好きなんだ」
と、俺を容赦なく犯している男は、互いに互いを嫌い合っている(筈の)騎士様で――――。
「悪役令嬢」に仕えている性悪で悪辣な従者が、「没落エンド」とやらを回避しようと、裏で暗躍していたら、大嫌いな騎士様に見つかってしまった。双方の利益のために手を組んだものの、嫌いなことに変わりはないので、うっかり煽ってやったら、何故かがっつり喰われてしまった話。
※ムーンライトノベルズでも公開しています(https://novel18.syosetu.com/n4448gl/)
美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。
転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…
月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた…
転生したと気づいてそう思った。
今世は周りの人も優しく友達もできた。
それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。
前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。
前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。
しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。
俺はこの幸せをなくならせたくない。
そう思っていた…
ギルド職員は高ランク冒険者の執愛に気づかない
Ayari(橋本彩里)
BL
王都東支部の冒険者ギルド職員として働いているノアは、本部ギルドの嫌がらせに腹を立て飲みすぎ、酔った勢いで見知らぬ男性と夜をともにしてしまう。
かなり戸惑ったが、一夜限りだし相手もそう望んでいるだろうと挨拶もせずその場を後にした。
後日、一夜の相手が有名な高ランク冒険者パーティの一人、美貌の魔剣士ブラムウェルだと知る。
群れることを嫌い他者を寄せ付けないと噂されるブラムウェルだがノアには態度が違って……
冷淡冒険者(ノア限定で世話焼き甘えた)とマイペースギルド職員、周囲の思惑や過去が交差する。
表紙は友人絵師kouma.作です♪
【完結】お前らの目は節穴か?BLゲーム主人公の従者になりました!
MEIKO
BL
本編完結しています。第12回BL大賞奨励賞いただきました。
僕、エリオット・アノーは伯爵家嫡男の身分を隠して公爵家令息のジュリアス・エドモアの従者をしている。事の発端は十歳の時…家族から虐げられていた僕は、我慢の限界で田舎の領地から家を出て来た。もう二度と戻る事はないと己の身分を捨て、心機一転王都へやって来たものの、現実は厳しく死にかける僕。薄汚い格好でフラフラと彷徨っている所を救ってくれたのが完璧貴公子ジュリアスだ。だけど初めて会った時、不思議な感覚を覚える。えっ、このジュリアスって人…会ったことなかったっけ?その瞬間突然閃く!
「ここって…もしかして、BLゲームの世界じゃない?おまけに僕の最愛の推し〜ジュリアス様!」
知らぬ間にBLゲームの中の名も無き登場人物に転生してしまっていた僕は、命の恩人である坊ちゃまを幸せにしようと奔走する。そして大好きなゲームのイベントも近くで楽しんじゃうもんね〜ワックワク!
だけど何で…全然シナリオ通りじゃないんですけど。坊ちゃまってば、僕のこと大好き過ぎない?
※貴族的表現を使っていますが、別の世界です。ですのでそれにのっとっていない事がありますがご了承下さい。