悠遠の誓い

angel

文字の大きさ
133 / 203
13章

やってあげるから

しおりを挟む
イッた後のけだるさでぼんやりするオレを、湯船の中で服を着たままの海瑠が後ろから抱きしめてくる。
恥ずかしくて何を言っていいのかわからず、左手で抱きしめてくれる腕をギュッと掴む。

「ごめんね…気づいてあげれなくて。左手じゃやりにくいよね」

言うなし!恥ずかしいから。黙ってくれ。
鼻の下まで湯に浸かりながら頬を膨らませる。言い返したいけど恥ずかしすぎて口がきけなくなっちゃってた。
床に張り付いたままのチンアナゴに気づいてるはずなのに何も言わない海瑠。
恥ずかしい。ひたすら恥ずかしい。

チュッチュッとこめかみにキスが落とされる合間にポチャンと天井から落ちる雫が湯に波紋を起こす。
右肩の醜く盛り上がった傷跡にも優しいキスの雨が降る。

ごめんねと聞こえるテノールが心地よくて、イッた脱力感とともに睡魔が襲ってくる。

チュッチュ ポチャンポチャン

もういいや…。


恥ずかしいとこなんていっぱい見られてるし。
いつかエッチなことするならその相手はコイツなんだからと、オレはそのまま気持ちよく湯船の中で微睡まどろんだ。








目が覚めるといつもの寝室で海瑠に後ろから抱きしめられながら眠ってた。
カーテンから薄明るい光が透けて見えるからおそらく明け方なんだろう。
鳥の声が聞こえる。昨日かけてもらったバードフィーダー、喜んでくれてるかな…?って考えてたら
ふと昨日の浴室での出来事を思い出して、体がビクンと動いてしまった。

そうだオレ昨日…
湯船で寝てしまったはずなのにちゃんと作務衣を着てベッドで寝かされてる。

目が慣れてくると部屋の中がよく見える。
サイドテーブルの上に置かれたタオルの上に、ちょこんと置かれたチンアナゴを見た瞬間カッと体が熱くなった。

ドッドッ…煩い心臓の音に静まれと念じていると耳元に優しいテノールが聞こえてきた。

「おはよ しょーちゃん」

やめろ、そんな普通に挨拶なんかできるか。あんな…あんな恥ずかしい………
チュッと頭頂部にキスが降りてくる。

「ごめんね。今度からは俺が手伝うから」

なにをだ。

「昨日はわたるに嫉妬しちゃって変な態度になっちゃってたゴメン。」

なんで嫉妬…?

不思議に思い振り返ると熱い唇が重なってきて、逃がさないとでも言うように大きな手がオレの後頭部を押さえる。

「う…っん。」

久々の感触に心が跳ねる。

「ぁはぁ…かぃ、るぅ…好きぃ」

「俺もだよ。好き。しょーちゃん愛してる」

事件の後 触れるような優しいキスしかしてくれなかった海瑠が、体の芯からとろけてしまいそうな激しいキスをしてくれるのが嬉しくて。

「あれだったんだね。昨日 渉が渡してたのって」

朝日よりも眩しいイケメンスマイルで嬉しそうに笑う海瑠。
触れてほしくなかったチンアナゴの話題を出されたのが恥ずかしくて、オレは覆いかぶさるように海瑠の唇にくらいついて胡麻化すように深い深いキスをした。
しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 まったり書いていきます。 2024.05.14 閲覧ありがとうございます。 午後4時に更新します。 よろしくお願いします。 栞、お気に入り嬉しいです。 いつもありがとうございます。 2024.05.29 閲覧ありがとうございます。 m(_ _)m 明日のおまけで完結します。 反応ありがとうございます。 とても嬉しいです。 明後日より新作が始まります。 良かったら覗いてみてください。 (^O^)

【完結】男の後輩に告白されたオレと、様子のおかしくなった幼なじみの話

須宮りんこ
BL
【あらすじ】 高校三年生の椿叶太には女子からモテまくりの幼なじみ・五十嵐青がいる。 二人は顔を合わせば絡む仲ではあるものの、叶太にとって青は生意気な幼なじみでしかない。 そんなある日、叶太は北村という一つ下の後輩・北村から告白される。 青いわく友達目線で見ても北村はいい奴らしい。しかも青とは違い、素直で礼儀正しい北村に叶太は好感を持つ。北村の希望もあって、まずは普通の先輩後輩として付き合いをはじめることに。 けれど叶太が北村に告白されたことを知った青の様子が、その日からおかしくなって――? ※本編完結済み。後日談連載中。

溺愛系とまではいかないけど…過保護系カレシと言った方が 良いじゃねぇ? って親友に言われる僕のカレシさん

315 サイコ
BL
潔癖症で対人恐怖症の汐織は、一目惚れした1つ上の三波 道也に告白する。  が、案の定…  対人恐怖症と潔癖症が、災いして号泣した汐織を心配して手を貸そうとした三波の手を叩いてしまう。  そんな事が、あったのにも関わらず仮の恋人から本当の恋人までなるのだが…  三波もまた、汐織の対応をどうしたらいいのか、戸惑っていた。  そこに汐織の幼馴染みで、隣に住んでいる汐織の姉と付き合っていると言う戸室 久貴が、汐織の頭をポンポンしている場面に遭遇してしまう…   表紙のイラストは、Days AIさんで作らせていただきました。

逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。抱かれたら身代わりがばれてしまうので初夜は断固拒否します!

雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
隣国の国王キリアン(アルファ)に嫁がされたオメガの王子リュカ。 しかし実は、結婚から逃げ出した双子の弟セラの身代わりなのです… 本当の花嫁じゃないとばれたら大変! だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、 だんだんキリアンに惹かれてしまい、苦しくなる…という お話です。よろしくお願いします<(_ _)>

No rush

七賀ごふん
BL
幼馴染から恋人同士になったのに、いつもすれ違ってる。 ─────── マイペースなイケメン×不憫ヤンキー

【完結】もしかして俺の人生って詰んでるかもしれない

バナナ男さん
BL
唯一の仇名が《根暗の根本君》である地味男である<根本 源(ねもと げん)>には、まるで王子様の様なキラキラ幼馴染<空野 翔(そらの かける)>がいる。 ある日、そんな幼馴染と仲良くなりたいカースト上位女子に呼び出され、金魚のフンと言われてしまい、改めて自分の立ち位置というモノを冷静に考えたが……あれ?なんか俺達っておかしくない?? イケメンヤンデレ男子✕地味な平凡男子のちょっとした日常の一コマ話です。

初戀

槙野 シオ
BL
どうすることが正解で、どうすることが普通なのかわからなかった。 中三の時の進路相談で、おまえならどの高校でも大丈夫だと言われた。模試の結果はいつもA判定だった。進学校に行けば勉強で忙しく、他人に構ってる暇なんてないひとたちで溢れ返ってるだろうと思って選んだ学校には、桁違いのイケメンがいて大賑わいだった。 僕の高校生活は、嫌な予感とともに幕を開けた。

【完結】ネクラ実況者、人気配信者に狙われる

ちょんす
BL
自分の居場所がほしくて始めたゲーム実況。けれど、現実は甘くない。再生数は伸びず、コメントもほとんどつかない。いつしか実況は、夢を叶える手段ではなく、自分の無価値さを突きつける“鏡”のようになっていた。 そんなある日、届いた一通のDM。送信者の名前は、俺が心から尊敬している大人気実況者「桐山キリト」。まさかと思いながらも、なりすましだと決めつけて無視しようとした。……でも、その相手は、本物だった。 「一緒にコラボ配信、しない?」 顔も知らない。会ったこともない。でも、画面の向こうから届いた言葉が、少しずつ、俺の心を変えていく。 これは、ネクラ実況者と人気配信者の、すれ違いとまっすぐな好意が交差する、ネット発ラブストーリー。 ※プロットや構成をAIに相談しながら制作しています。執筆・仕上げはすべて自分で行っています。

処理中です...