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Happy Halloween♪
魔法使いになっちゃう⑧
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「ちげーからな!」
社長室の3人掛けのソファに胡坐をかき座ったオレの前の絨毯に正座するシュンとした金色の大型犬。
ウェットティッシュで体中に飛び散った液体を拭ってくれる感触に下半身が反応しそうになるのを黒いマントで隠す。
オレが女の子と童貞を捨てたがっていると勘違いした海瑠に事の次第を説明する。
「オレは…このままだったら魔法使いになっちゃうから。もし…もしもお前が、その、イイって言ってくれたら…だな」
どこから出して来たのか大きめのTシャツを着せられる。
「お前相手に童貞…捨てれたらなって」
そこまで言った途端ピタリと手が止まり戸惑うような青い瞳と視線が合う。
ボッと耳まで赤くなったのがわかったオレはあせって言い訳する。
「でもっ!でもやっぱオレ…それ想像したらさ、やっぱ入れるよりも…あー、恥ず。何言ってんだオレ」
視線をそらしたオレの座ってたソファの背もたれが突然グーッと後ろに下がる。
「うわっ」
ナニコレ。リクライニングするなんて聞いてない。足元もせりあがったせいでオレはコロンとベッド(元ソファ)に寝ころぶ形になる。
驚き見上げるとそこには嬉しそうな超絶イケメンの笑み。
「俺と…?」
頬を挟み込まれ顔をのぞき込まれ視線を逸らせない。下着も履いていない剥き出しの足の間に片足をつき覆いかぶさる海瑠の瞳が怪しい。
弧を描く目が怖いんですけど。
筋肉の盛り上がる肩越しに青い空に飛行機が飛んでるのが見える。
「…いいよ 俺で童貞卒業しても」
とんでもないことを言い出す海瑠に、オレは結局入れられる方が好きだと説明するのに残り少ない体力を奪われた。
「これベッドみたいになるのな」
革製の高級ソファだろうに180度リクライニングするとちょっとしたベッドみたいだ。
「ああ ここでずっと寝起きしてたからね」
オレの前から姿を消した9か月間ここで仕事をしながら住んでいたらしい。
「1度だけしょーちゃんに見つかりそうになってあせったことあるよ」
背中からクスクスと笑う振動がする。
「マジかよ」
「ここからいつも見てたよ」
そういう海瑠の視線を辿り窓外へと視線を巡らせると遠くに緑の集団が見える。
あそこはオレの家の前に広がる緑地公園か。
「携帯電話から聞こえる生活音を聞きながらしょーちゃんを想ってた」
髪を撫でる手が額の傷に触れる。
「俺がいつまでも思いきれないせいでこんな…大けがをさせてしまった」
右肩を辿り右手を握った手を持ち上げ指先に口づける。
「【タカハシサン】に仕込んだ盗聴器から聞こえるエロイ声が『海瑠ぅ』って呼びながらする行為と一緒に俺もここで自慰してた」
とんでも告白の連続に言葉を失う。
「あの時の辛さ苦しさはシルヴィじゃないしょーちゃんを選ぶことが出来なかった俺自身のせいだからしょーちゃんは気にしなくていいよ」
ニッコリと笑うイケメンは相変わらずちょっと、いやすごくズレてるがそんなコイツも愛しいと思ってしまうんだからオレもどうしようもない。
「さっきのお前……ちょっとオーディンみたいだった」
強引で俺様でドSでなのに甘々で
「イヤだった?」
前世と同じ金色の髪、青い瞳。なのにオーディンにはない臆病な自信なさげなコイツに
「たまには…いいかな。ああいうのも」
ニッと笑ってやる。
*
童貞を誰と捨てる気なんだ と憤った末の社内SEXはいつも以上に興奮してしまった。
今朝もしたばかりだというのにまた盛ってしまった事に反省はするが後悔はない。
いつも見てた―――――
手に入らないもどかしさに悶えてた―――――
ようやく手にした宝を腕に抱きながら俺は伝えるべきか悩んでいた。
涼さんだった18年とシルヴァリオンだった15歳で出会ったあの時ですでに魔法使いの条件は満たしていたのだと
Happy Halloween♪ END
社長室の3人掛けのソファに胡坐をかき座ったオレの前の絨毯に正座するシュンとした金色の大型犬。
ウェットティッシュで体中に飛び散った液体を拭ってくれる感触に下半身が反応しそうになるのを黒いマントで隠す。
オレが女の子と童貞を捨てたがっていると勘違いした海瑠に事の次第を説明する。
「オレは…このままだったら魔法使いになっちゃうから。もし…もしもお前が、その、イイって言ってくれたら…だな」
どこから出して来たのか大きめのTシャツを着せられる。
「お前相手に童貞…捨てれたらなって」
そこまで言った途端ピタリと手が止まり戸惑うような青い瞳と視線が合う。
ボッと耳まで赤くなったのがわかったオレはあせって言い訳する。
「でもっ!でもやっぱオレ…それ想像したらさ、やっぱ入れるよりも…あー、恥ず。何言ってんだオレ」
視線をそらしたオレの座ってたソファの背もたれが突然グーッと後ろに下がる。
「うわっ」
ナニコレ。リクライニングするなんて聞いてない。足元もせりあがったせいでオレはコロンとベッド(元ソファ)に寝ころぶ形になる。
驚き見上げるとそこには嬉しそうな超絶イケメンの笑み。
「俺と…?」
頬を挟み込まれ顔をのぞき込まれ視線を逸らせない。下着も履いていない剥き出しの足の間に片足をつき覆いかぶさる海瑠の瞳が怪しい。
弧を描く目が怖いんですけど。
筋肉の盛り上がる肩越しに青い空に飛行機が飛んでるのが見える。
「…いいよ 俺で童貞卒業しても」
とんでもないことを言い出す海瑠に、オレは結局入れられる方が好きだと説明するのに残り少ない体力を奪われた。
「これベッドみたいになるのな」
革製の高級ソファだろうに180度リクライニングするとちょっとしたベッドみたいだ。
「ああ ここでずっと寝起きしてたからね」
オレの前から姿を消した9か月間ここで仕事をしながら住んでいたらしい。
「1度だけしょーちゃんに見つかりそうになってあせったことあるよ」
背中からクスクスと笑う振動がする。
「マジかよ」
「ここからいつも見てたよ」
そういう海瑠の視線を辿り窓外へと視線を巡らせると遠くに緑の集団が見える。
あそこはオレの家の前に広がる緑地公園か。
「携帯電話から聞こえる生活音を聞きながらしょーちゃんを想ってた」
髪を撫でる手が額の傷に触れる。
「俺がいつまでも思いきれないせいでこんな…大けがをさせてしまった」
右肩を辿り右手を握った手を持ち上げ指先に口づける。
「【タカハシサン】に仕込んだ盗聴器から聞こえるエロイ声が『海瑠ぅ』って呼びながらする行為と一緒に俺もここで自慰してた」
とんでも告白の連続に言葉を失う。
「あの時の辛さ苦しさはシルヴィじゃないしょーちゃんを選ぶことが出来なかった俺自身のせいだからしょーちゃんは気にしなくていいよ」
ニッコリと笑うイケメンは相変わらずちょっと、いやすごくズレてるがそんなコイツも愛しいと思ってしまうんだからオレもどうしようもない。
「さっきのお前……ちょっとオーディンみたいだった」
強引で俺様でドSでなのに甘々で
「イヤだった?」
前世と同じ金色の髪、青い瞳。なのにオーディンにはない臆病な自信なさげなコイツに
「たまには…いいかな。ああいうのも」
ニッと笑ってやる。
*
童貞を誰と捨てる気なんだ と憤った末の社内SEXはいつも以上に興奮してしまった。
今朝もしたばかりだというのにまた盛ってしまった事に反省はするが後悔はない。
いつも見てた―――――
手に入らないもどかしさに悶えてた―――――
ようやく手にした宝を腕に抱きながら俺は伝えるべきか悩んでいた。
涼さんだった18年とシルヴァリオンだった15歳で出会ったあの時ですでに魔法使いの条件は満たしていたのだと
Happy Halloween♪ END
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