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勝手に魔王様にされました
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目が覚めて最初に感じたのはお腹の満腹感だった。それが昨日の事が夢では無いことをアルリムに突きつけた。心が痛い。昨日のはアルリムにとって愛のない行為だった。
初めてを寝ている間に奪われ、おく深くまで存在を刻み込まれた。そんな朝がアルリムの気分を下げたが、逆に体は満ち足りているのか軽く感じた。こんな時、自分の体は元は別だったと強く思う。そんな鬱屈とした気分のままで布団から出られるはずもなく、アルリムは頭を隠すように布団にくるまる。
「アルリム様」
ルシフェルはそろそろアルリムが起きるだろうと部屋をノックしたが中から返事がなかった。扉を開けると芋虫の様になっているアルリムを見つける。
「アルリム様。お目覚めの時間ですよ」
声をかけるが、返事はなかった。ルシフェルがベッド脇に近づくともぞもぞアルリムはルシフェルから遠ざかる。もちろん顔は出さずに。
「昨日の事を怒ってらしゃるのですか?」
さすがのルシフェルもさすがに昨日はやりすぎたと思ったので優しくしてあげたかったが、今だに返事のないアルリムを見ていらっときたのか布団を引き剥がした。
「あっ…かえして…」
布団の先には、裸の姿で涙ぐむアルリムの姿があった。ルシフェルはゴクリと唾を飲む。昨日のさんざん乱れた姿もよかったが、涙ぐむアルリムはルシフェルの欲情を煽った。
今すぐ押し倒して昨日のように乱れさせてやろうかとルシフェルは思ったが、嫌われたくないので、やめた。今日は優しくしようと布団を返してあげつつ、涙を拭く。
「昨日はそんなに嫌だったのですか? 涙ぐむほど?」
アルリムは答える代わりに首を縦に1回ふった。自分と喋りたくないほど嫌だったのだろうかと思い、ルシフェルは少しショックをうける。
「少しもきもちよくはなかっ…いえ、なんでもありません。ですが、あれが魔王様のお食事でございます。いくら嫌でもこれからは毎日、私としていただきます」
アルリムには、それが魔王様のために仕方なくやるのだと聞こえた。ルシフェルが前の魔王様の忘れ形見みたいなこの肉体を守るためにするのだと聞こえた。
「普通の…人間が食べるようなご飯が食べたい」
それは今にも消え入りそうな小さな声だった。ルシフェルはその小さな声を聞き逃さなかった。人間のご飯なんて悪魔、それもインキュバスや吸血鬼などの魔族からすれば血や精液より味は劣るし、どれだけ食べても血液の一滴分も満たされない。
しかし、悪魔の中には好んで食べるやつもいる。嗜好品程度のものだ。だから提案した。
「…わかりました。では今日は人間の街に行きましょう」
街へ出ることを。絶食していた数日前なら絶対に屋敷から出さないが、あれだけ注いだ後なので、お腹も満たされている。人のいるところでバーストする事はないだろう。
「ほ、ほんとに?? 普通のご飯を食べれるの?」
「えぇ、嗜好品として召し上がる方もいらっしゃいますし…アルリム様がどうしても人間の様な食事が食べたいとおっしゃるのなら付き合いましょう」
「やったぁ…」
この世界に来て約一週間、まともなご飯が食べれる事に感動したアルリムは昨日の事も胸の苦しみも忘れ、嬉しさに浸った。自然と口角があがる。
「えへへ…どんなご飯があるんだろう…」
ルシフェルはこんなに可愛く喜ぶ顔が見れるのならもっと早く提案すれば良かったと思った。しかし、アルリムはまだ、角すら隠せなく、自分の力がうまく扱えない弱々魔王様。それを考えるとやっぱり今回が特別で、頻繁には無理だった。
角も隠せないのに人間の街だなんて勇者エンカウントで町ごと破壊コースである。でも、凄く喜んでいるアルリムをみると…。
「お食事や魔力訓練のご褒美にしても良さそうです」
今回は間に合わないだろうから深いフードをかぶせて行くが、街へ行くために角を隠す練習なら喜びそうだし、ご褒美があればお食事だって自分からすすんで取るかもしれない。
ルシフェルは自分のを口で咥えながら上目で見てくるアルリムを想像した。その想像のためにも今回の街デートは楽しい思い出にしなければと気合が入った。
初めてを寝ている間に奪われ、おく深くまで存在を刻み込まれた。そんな朝がアルリムの気分を下げたが、逆に体は満ち足りているのか軽く感じた。こんな時、自分の体は元は別だったと強く思う。そんな鬱屈とした気分のままで布団から出られるはずもなく、アルリムは頭を隠すように布団にくるまる。
「アルリム様」
ルシフェルはそろそろアルリムが起きるだろうと部屋をノックしたが中から返事がなかった。扉を開けると芋虫の様になっているアルリムを見つける。
「アルリム様。お目覚めの時間ですよ」
声をかけるが、返事はなかった。ルシフェルがベッド脇に近づくともぞもぞアルリムはルシフェルから遠ざかる。もちろん顔は出さずに。
「昨日の事を怒ってらしゃるのですか?」
さすがのルシフェルもさすがに昨日はやりすぎたと思ったので優しくしてあげたかったが、今だに返事のないアルリムを見ていらっときたのか布団を引き剥がした。
「あっ…かえして…」
布団の先には、裸の姿で涙ぐむアルリムの姿があった。ルシフェルはゴクリと唾を飲む。昨日のさんざん乱れた姿もよかったが、涙ぐむアルリムはルシフェルの欲情を煽った。
今すぐ押し倒して昨日のように乱れさせてやろうかとルシフェルは思ったが、嫌われたくないので、やめた。今日は優しくしようと布団を返してあげつつ、涙を拭く。
「昨日はそんなに嫌だったのですか? 涙ぐむほど?」
アルリムは答える代わりに首を縦に1回ふった。自分と喋りたくないほど嫌だったのだろうかと思い、ルシフェルは少しショックをうける。
「少しもきもちよくはなかっ…いえ、なんでもありません。ですが、あれが魔王様のお食事でございます。いくら嫌でもこれからは毎日、私としていただきます」
アルリムには、それが魔王様のために仕方なくやるのだと聞こえた。ルシフェルが前の魔王様の忘れ形見みたいなこの肉体を守るためにするのだと聞こえた。
「普通の…人間が食べるようなご飯が食べたい」
それは今にも消え入りそうな小さな声だった。ルシフェルはその小さな声を聞き逃さなかった。人間のご飯なんて悪魔、それもインキュバスや吸血鬼などの魔族からすれば血や精液より味は劣るし、どれだけ食べても血液の一滴分も満たされない。
しかし、悪魔の中には好んで食べるやつもいる。嗜好品程度のものだ。だから提案した。
「…わかりました。では今日は人間の街に行きましょう」
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「ほ、ほんとに?? 普通のご飯を食べれるの?」
「えぇ、嗜好品として召し上がる方もいらっしゃいますし…アルリム様がどうしても人間の様な食事が食べたいとおっしゃるのなら付き合いましょう」
「やったぁ…」
この世界に来て約一週間、まともなご飯が食べれる事に感動したアルリムは昨日の事も胸の苦しみも忘れ、嬉しさに浸った。自然と口角があがる。
「えへへ…どんなご飯があるんだろう…」
ルシフェルはこんなに可愛く喜ぶ顔が見れるのならもっと早く提案すれば良かったと思った。しかし、アルリムはまだ、角すら隠せなく、自分の力がうまく扱えない弱々魔王様。それを考えるとやっぱり今回が特別で、頻繁には無理だった。
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今回は間に合わないだろうから深いフードをかぶせて行くが、街へ行くために角を隠す練習なら喜びそうだし、ご褒美があればお食事だって自分からすすんで取るかもしれない。
ルシフェルは自分のを口で咥えながら上目で見てくるアルリムを想像した。その想像のためにも今回の街デートは楽しい思い出にしなければと気合が入った。
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