魔王チェンジ 〜魔王様に勝手に体を交換されたらイケメン執事から溺愛されました〜

水無月 あざみ

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勝手に魔王様にされました

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「そのお肉を2つください!」

 アルリムは焼いた肉を串にさしただけの串焼きを指差して2つほど求めた。

 がたいの良い店員はフードを深めにかぶるアルリムを怪しそうにジロジロみたが、怪しくてもお客なので、お金を払えば歯をみせてニカッと笑ってくれた。

「あんちゃんわかってるじゃないか! ここいらじゃうちのが1番さ! 味も大きさもな! ほらよ!」

 大きさ自慢をしただけあって、肉の塊がドドンと3つもついていた。見た目より重くて、食べれるか心配になるほどである。

「あ、ありがとうございます」

 アルリムは串を両手に持ってルシフェルのもとへと戻る。初めてのお使いならぬ外食なので自分で買いたくて少し遠くで待っていてもらっていた。

「お兄さん~あまり見かけない顔ね」

「私達とそこのお店で話さない?」

「街を案内してあげるわよ?」

 数分しか離れていないのにルシフェルの周りには女の人が集まっている。角が隠せなくてフードをかぶっていたアルリムも目立つが、顔が良いルシフェルも目立っていた。

 肉食獣のごとく女の人達はギラギラと目を輝かせ、我先にとルシフェルにさりげないボディタッチをしようとしている。

 当の本人は興味がないのかボディタッチはかわして、話は無視を決め込んでいる。

「…どうしよう」

 両手におっきな串をもったアルリムはルシフェルの近くまで来たがかき分けて進めるきがしなくて止まってしまった。

 あれだけ顔がいいんだし、そりゃぁ女の子もよってくるよね。と思いつつも何故かモヤモヤする。

「ルシフェルは俺の…」

 女の人を前にして独占欲でいっぱいになる。触らないでほしい、見ないでほしい、俺の隣にいてほしい。アルリムはルシフェルを1人にしたのを後悔した。

「ねぇ~いいでしょ~」

 女性達の中の1人がしびれをきらしたのか、ルシフェルの手を掴んで引っ張ろうとする。一目の視線だけでも動かしたい故の行動だったが、ルシフェルはそれをふりはらい歩き出す。

「アルリム様、無事買えたようで何よりです」

 今まで棒立ちでピクリとも動いてくれなかったルシフェルの突然の笑顔に女性達はキャーと黄色い声をあげる。同時に「誰よあれ」や「どんな関係?」などアルリムに対する声も上がった。女性達からはアルリムが男だとわからなかったので嫉妬や羨望の目が一斉にアルリムにいった。

 しかし、アルリムはそんな事がきにならないくらいにルシフェルが自分の隣に来てくれて、自分にだけ笑顔を見せてくれるのが嬉しかった。

「えへへ…見て! すっごいおっきいし、美味しそう!」

 アルリムは串の片方をルシフェルにさしだしたが、受け取はしないだろうと思っていた。しかし、予想に反してルシフェルはそれを受け取った。

 ルシフェルは空いた方の手でアルリムの手をにぎる。肉に興味がないけど受け取ったのはアルリムの手をあけたいのが理由だった。もう一言いえば、どうせ人間の食事なんかでお腹いっぱいになる事はないし、アルリムにあ~んをしようと言う下心もあるった。

「えぇ、美味しそうでございますね。ここは騒がしい様子ですので別の場所に移動しましょう」

 アルリムは肉汁が流れ落ちそうなほどキラキラと輝いている肉にかぶりつきたかったので、空いた方の手をルシフェルに引っ張られながらかじった。

 一口では口に入り切らないお肉は見た目よりジューシーで肉汁が口いっぱいに広がる。見た目の通り硬さは結構あり、噛めば噛むほど味が染み出して来るようだった。

「んぅ! おいしい! こういうのはやっぱり歩きながらが1番!」

 久しぶりに食べた肉はアルリムにとって泣きそうなほど美味しかった。もちろん1番のご馳走ってほどではないし、キスする時の唾液のが美味しい。それでも久しぶりに食べる人間の食事はアルリムの心を満たしてくれた。

 噛みごたえがあるおかげで咀嚼という行為をあじわえるのも肉にして良かったと思える点だった。

 ルシフェルも手に持っているのは知っているが、はやく味わって欲しくて自分の食べかけを口元へ差し出す。

「それでは私も……ガブッ」

 ルシフェルはアルリムの早く食べてといった目を見るといらないと言えず、一口ほおばった。味は特別に美味しいと言うほどでもないく、普通に感じる。

 しかし、アルリムの美味しいだろう? といった目をみると何故だがとても美味しくなっていくような幸せな味がした。

「たまには食べるのも悪くありませんね。美味しゅうございます」

 アルリムは自分が作ったわけでもないのだが、ルシフェルから美味しいという言葉をもらって得意げに頷いた。

「まだまだ色々食べよう!」
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みんなの感想(1件)

2021.10.04 ユーザー名の登録がありません

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2021.10.04 水無月 あざみ

Hitachiさん感想ありがとうございます(ˊ˘ˋ*)

ご飯を文字で表すのは初だったので、美味しそうとの感想とても嬉しいです*。٩(ˊᗜˋ*)و*。
さらに料理上手とまで…ありがとうございます✧ \( °∀° )/ ✧
(鮭焼いたことないのは秘密ですよ笑)

解除

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