異世界転生だと思ったら乙女ゲームの悪役令嬢でした。

水無月 あざみ

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第一章 乙女ゲームの世界に生まれて

4 銀髪=悪魔らしい

 うわぁー異世界!ファンタジー!と興奮も虚しく外は…

「おもったよか普通? あ、でもビルがないってのは新鮮かも」

 しばらく歩いていると、「あれハンカチかしら?」などといった声が聞こえてきた。

 地味な帽子などあるわけもなく、ハンカチで頭を隠していたので、多分俺のことだと思われる。とても恥ずかしい。

 シュルっとハンカチを取った瞬間周りがざわざわしだし、俺を見る目が凄く蔑んだものになった。

「なに?なにごと?」

俺が戸惑っていると、少し大柄な男が来た。

「白髪が堂々と街を歩いているんじゃねーよ。この悪魔がっ」

男の手が降ってくる。しかもグーで

「━ッ」

あまりのことに目をつぶる。

バシッ

いたっ…くない?バシッと音がしたのに衝撃が来ないので目を開けてみると…フードを被ったお兄さんがグーを手で受け止めていた。助けてくれたってこと?ありがとう! お兄さん!!

「なんだてめぇ、この悪魔をかばうのか」

 ってかさっきから悪魔、悪魔ひどくないか? 俺のどこが…たしかに今の俺は悪魔的に可愛いがな。

ん? 白? まさか髪? 銀髪だから??

 お兄さんは掴んだ手を離さないが、ぐっと力を込めたのか、男の顔が歪んだ。

「っち、離せ。悪魔を助けるとか物好きなやつだな、次あったらおぼえてやがれ。」

男はツバを吐きながら負け犬のようなセリフをはいて走るように何処かへ行った。

「さて、大丈夫かい?」

 男の後ろ姿が見えなくなったところで、フードのお兄さんがこっちをむいた。

「ありがとうございます」

「君のその髪、そこまで白いのは初めて見た。綺麗だけど、街で、堂々と晒すのは危険だよ」

黒いフードの上から、頭を指差しながら髪の毛の色ねと言ってくる。

「危険…?」

「知らないのかい?」

 驚いたような声で前のめり気味にバッとこちらに顔を近づけたので、フードが脱げ、金髪がでてきた。見たところ15、6歳って感じだ。

うん! キラキラ王子と名付けよう。くそっイケメンとかムカつくぜ。

「知らないとはなんのことでしょうか?」

キラキラ王子(勝手に命名)は顎に手を当てて

「うーん、服装も良いし、孤児ではないのか?珍しい。でも、子供とはいえ…教えられてないのか…うーん」

と小言で何かを言いながら考えているようだ。

「あのー?」

「ん?あぁ、なぜ危険か知らないんだっけ?教えた方がいいだろうけど、まず場所を移そうか。…人目がね」

といってウインクしてきた。無駄にキラキラしているなほんとに。

 でも確かに、先ほどから、チラチラと刺さる視線。さっきの騒動で、立ち止まり見ている人もいる。しかし、移すと言われても、金もないし…

「俺、金持ってないですけど…」

「え、大丈夫! 僕の家だから! 君の髪色はどこでも目立つし」

 よいっしょっと言いながら、俺は担がれた。しかも、荷物のように肩に…

「ちょっ」

「行くよ~」

「余計目立ってませんか!」

 顔が背中の方にあるため叫ぶように言った。実際目立っている。

「確かに君目立つもんね~そこまで白い髪初めて見たよ~」

と、言われたが、俺が目立つんじゃなくて、お前だろ!

 イケメンとはいえ、子供を俵なように担いで歩くとか誘拐じゃん。たくさんの人が、二度見するように見てくる。とても恥ずかしい。

「降ろせよ!」

「君の歩幅に合わせるよりこの方が楽だからだーめ」

だーめって…さっきまでそんな口調じゃなかっただろ…。

 俺の講義も虚しく、俺は担がれたまま、街から出た、森まで連れて行かれた。



 魔物でも出そうな場所に、ポツンと1軒だけ、ボロボロの家が建っている。

「家ついたよ~ただいま~」

「「「おにーちゃんおかえりー」」」

 キラキラ王子(勝手に命名)の家に行くと、10歳前後の少年少女が出迎えてくれた。「お客様?」っとはしゃいでいる。少年少女は皆髪の色素が薄く、色はバラバラだった。

「きょうだい?」

「うーん拾ってきたからどちらかというと、保護者にあたるのかも?」

「え、誘拐じゃ」

「「「違うよ!!」」」

 俺の言葉を遮るように、少年少女が叫んだ。

「あのね、お兄ちゃんはね助けてくれたの。」

「俺も!お母さんに森に捨てられて、お腹空いてた所を助けられた」

「ぼ、僕は赤ちゃんの時に拾ってもらったけど…お兄ちゃんは優しいよ」

 どうやら3人とも捨て子だったらしい。

「まぁ、見てのとおりだけど、色素薄い系って捨てられやすいんだよね~僕もその1人だからつい拾っちゃうのさ。生活は厳しいけどね。なんなら君も家の子になるかい?」

 どうやらこの国では色素が薄いと捨てられるらしい。キラキラ王子が俺を担いでいた方とは別の手で持っていた荷物を子供たちに預けると、お腹すいたーと言いながら台所へ走っていった。

「髪の色ぐらいで?」

 この世界では髪の毛はカラフルなものだ。捨てられる程の事なのだろうか?魔力が少ないから?そう思ったら口に出てしまっていた。

「あははは、君は本当にどこから来たんだい?そこまでの白い髪をしているのに…今までどこに居たらそんなに無知でいられるんだい?」

 無知と言われてムッとしたが、たしかに俺は家から出たことがなかった。家では家族が普通に接してくれていたから、ひどい扱いを受けたことがない。

 思い返せば、確かにメイドや、執事は、俺と家族とで態度がちがかったが、リディアは、自分の出来が悪いせいなのかな?と少し悩むぐらいでさして気にはしていなかった。それは家族の愛があったからだろう。

「無知だと言うのなら教えてくれ、たかだか髪色だろう? 魔力が少ないからか?」

「真剣な目だね。いいよ、でも長くなるからそこに座ってよ」

椅子を差し出してくるので、俺はおとなしく座った。
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