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【本編】子豚と魔王
十一話 魔王と子豚の生活に勇者は絡んでこないでくれ *授乳手コキ
しおりを挟む朝起きてエッチして、ご飯を食べて家事をして、まったり過ごして、夜にまたエッチする。
そんな日々を繰り返していた。
今日も平和にリビングで魔王の膝の上に座って読書をしていると、頭上から声を掛けられる。
「子豚ちゃん♡ おっぱい揉む?」
「も、揉む!」
その言葉にボクはテーブルに本を置き、体勢を変え、横座りさせてもらう。
そしてボクは迷いなく魔王の服の下から手を入れ、胸筋を優しく揉みしだいた。
「ん……ふぅ♡」
「魔王のおっぱい……きもちいい……」
魔王とエッチな事をするまでは自分でも知らなかったけど、どうやらボクはおっぱいが大好きみたいだ。
それをわかっている魔王はすぐにこうやって触らせてくれる。
ボクは力の入っていない筋肉の柔らかさの虜になってしまった。
「はぁ♡ あ、ん……余も、きもちいい♡」
魔王は期待のこもった甘い息を吐く。
お誘いである事は重々わかっているので、全体を円を描くように揉みつつ、乳首を指と指の間に挟んだ。
「ひあッ♡♡」
「魔王のココ、どんどん大きくなってるね」
「こぶたちゃん、いつも、そこ♡ 吸うから……あッ♡♡♡」
毎日のように責め続けた結果、魔王の乳首は少しずつ発達していった。
大きさだけでなく、色も熟れた果実みたいになっていやらしさが際立っている。
その熟した部分に直接触れたくなり、ボクは魔王の服をたくし上げて、乳首へ勢いよくしゃぶりついた。
「ひゃ、あ♡ はげし……ぃ♡」
「んっ……ん……だって、魔王のココ……おいしいから……」
「あふっ♡ こんな、トコ……エッチになったの……こぶたちゃんの、せいだから♡」
「わかってる、ちゃんと責任取るからね」
「ひぃんッ♡♡♡」
ボクはしばらく乳首を指で弄んだり、歯を立てたりしていたけど、途中から赤ちゃん返りしたみたいに、チュウチュウと吸い続けることに夢中になっていた。
今まで誰かに甘えられる環境じゃなかったからか、魔王の乳首を口に含むと悲しいほどに落ち着くのだ。
こうなると魔王は愛おしそうにボクの髪を優しく撫でてくれる。
「あっ……ご、ごめんね……」
「ううん、こぶたちゃんが……こうして、余に甘えてくれるのが……とっても嬉しい」
そう言いながら、魔王はボクのズボンに躊躇なく手を突っ込んだ。
「うはわっ!?」
「ふふ♡ お口は赤ちゃんみたいなのに、こっちはもう立派な大人に成長だね♡♡」
今までの行為で、熱と硬さを持ったボクの性器を取り出し、魔王は優しい手付きで撫でまわす。
「子豚ちゃんのミルクがいっぱい絞れるから、余はこっちが好き♡」
「……絞るって……魔王の中に出さなくていいの?」
「子豚ちゃんなら手なんかに出さず、耐えてくれるよね?」
「そうだね……ボクが出そうになる前に、魔王が中に欲しくなるように頑張る」
ボクはそう言って反撃とばかりに魔王の乳首を口内の全てを駆使して刺激する。
根本を歯で挟みながら、舌先で先端を小刻みに舐った。
魔王は身体をしならせ、快感に上擦った声を上げる。
「アッ!? やぁッ♡♡ 舌、はげし……っ♡♡♡」
「んっ……んぐ……むぅ……ッ」
魔王もボクに負けじと手を上下に動かし、対抗してくる。
最終的にはそんなに時間を置かず、ボク達は互いに繋がることを求めだすのだ。
こんな事すらも、ボク達のありふれた日常になっていた。
□□□
「先輩! 魔王!!」
以前と同じように、勇次はなんの前触れもなく入り口の扉を開け放って入って来た。
ちょうど家事をしている時間だから良かったものの、乱入がセックス中だったら困るので、鍵の設置を考えたい。
魔王がティーセットを持ちながら勇次に声をかけた。
「なんだ勇者、騒々しい」
「俺もここに引っ越してきたから、挨拶に来たんだよ」
「引っ越し!?」
ボクは驚いて叫んでしまったが、魔王は全く動じた様子がない。
突然の勇次の発言に動揺しているボクを見て、魔王は困ったように笑い、話してくれた。
「すまない子豚ちゃん、説明不足だった。元より余はここで勇者と暮らすつもりだっただろう。だから土地の所有権の半分は勇者にあるのだ」
「え!?」
「そうなんですよ、半分ずつお金出して買いました。家もホラ」
勇次に窓を目線で示されたので外を覗けば、魔王の家のほんの5メートルほど先に似たような家と庭ができていた。
「ええええ!? いつの間に!?」
「家全体に誰も感知できない封印をかけてあったんです。誰かに勝手に住まわれないように、所有者の魔力を通せば出現するようにしてありました」
魔王と暮らしてだいぶ魔法というものに慣れてきたつもりだったが、勇次という日本での知り合いが話しているとまだ違和感がある。
今度いつか勇者らしい技とか見せてもらいたいな。
ボクは現状、当たり障りのない労いの言葉をかけるのが精一杯だった。
「そ、そうか。お疲れ様」
「はい! ありがとうございます!」
ま、まあ同居じゃなくて良かった。
恋人じゃなくて親友だから、そこはちゃんとした距離感を保っていたようで安心だ。
気心の知れたお隣さんができたと思えば別に悪いことでもないし。
引っ越しソバといった空気になる前に、勇次と遺恨を残さないように聞いておきたい事があった。
「……勇次はいいのか?」
「何がでしょうか?」
「一応、失恋? で、泣いてたわけだし。その事はずっと心配してた」
勇次はキョトンとした顔をしたあと、口元を緩め、ボクを見た。
「言ったじゃないですか。俺は先輩の事も大好きなんです」
女子が腰砕けになりそうな輝く笑顔に目が眩みそうだ。
勇次がそう言ってくれるなら、ボクもこれ以上は何も言わない。
「そっか」
「でも俺、良い事を思いついたんですよね」
「いいこと?」
「ふふん。先輩の事も魔王の事も大好きだから、今死んで、二人の子供に転生できないかなって思ったんですよ!」
胸の前で腕を組んだドヤ顔の勇次が言った言葉が、ボクの耳を素通りした。
でも恐ろしく不穏な内容だった事だけはわかる。
死ぬ? 二人の子供?
ボクは働かない頭で必死に言葉を探した。
「待てまて……そもそもボクも魔王も男だし……そんなバカげたこと」
「ふふん。子豚ちゃん、余を誰だと思っている」
今度は魔王が腕を組みながらドヤ顔で話に入ってくる。やっぱり似てるなこの二人。
「余は魔王という唯一無二の種族。繁殖はどの種族とも可能なのだ。孕ませることも孕むこともできるぞ」
「そうなの!?」
衝撃の事実発覚。まだまだ魔王について知らない事が多すぎる。
でも、そういう所が毎日楽しいのだ。
「ねっ! だから俺、二人の子供になれるんですよ!」
「それとこれとは話は別だが」
「えー!?」
魔王と勇次の会話の様子自体は微笑ましいが、内容がどうしても落ち着かない。
勇次のことも新しい一面を知れて良かった、と言いたい所だけど、愛が重過ぎる。
正直な所ボクは少し、いや、かなり引いていた。
「転生したばかりのお前がすぐにまた魂を修復できるとは思えないしな」
「ぐっ……確かに」
魔王の言い方からすると、転生にも条件があるらしい。
勇次も転生するのは現実的ではないと納得したらしく、死ぬことはなさそうでボクはホッと胸を撫でおろす。
だが、勇次は再びはつらつとした声で提案する。
「なら、魔王と先輩の子供と俺が結婚すれば息子になれる!」
「そんな理由で我が子をやれるか」
「じゃあ俺を養子に~~~!」
魔王が冷静に却下しているが、全然ホッとできなかった。
あの手この手で勇次はこの家に入り込もうとしている。
良き隣人どころの話ではない。
「先輩も何か言ってくださいよ~!」
勇次はきっと俺が助け舟を出してくれると思っているだろう。
職場ではそうしていたし、ボクも勇次のことは好きだから助けてやりたい。
だが、こればっかりは譲れない。ボクはハッキリと、こう言った。
「勇次。魔王とボクのラブラブ新婚生活に絡んでこないでくれ!」
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