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第166話 別の休日
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「あらあ、デュランじゃない!」
街中で呼びかけられたデュランが声のした方を見る。
着飾ったニックリーが立っていた。
その傍らにはワーレンバーグ公爵家の騎士が腕を組んでいた。
特に親しくはないものの、公爵家において何度か見かけたことがある。
「久しぶりね!」
「あ、ああ」
気さくに話しかけてくるニックリーとは異なり、男同士は礼儀正しく挨拶した。
「デュラン様、今日はお休みですか?」
「ええ、ビヨルグ様も?」
「はい、せっかくなので夫婦で食事でもと思って」
「なるほど」
クリスパ領に派遣されたワーレンバーグ公爵家の騎士のひとりであるビヨルグ。
縁があってニックリーと結婚した後、任務の交代により王都に戻っていた。
ビヨルグが顔を寄せて小声になる。
「それに、そろそろ出陣もありそうなので」
「ああ、そうですね」
クランダルク王国とコードコンタール王国との摩擦は、もはや広く国民に知られていた。
「戦争は嫌だなあ」
国民の中では、そうした意見が大半を占めていた。
「いっそのこと叩き潰せ!」
一方で、過激な発言をするものも少なくない。
ただし、王室を始めワーレンバーグ公爵家ら高位貴族は、事態の鎮静化を目指して日々外交に精を出している。
それでも一戦は避けられないとの見方が強かった。
立ち話を交わす中で、デュランはニックリーの変化に気づく。
顔立ちから何から全体的にふっくらとしており、お腹の辺りが膨らんでいるようにも感じた。
デュランの視線を感じたニックリーは、お腹を押さえて微笑む。
「うふふ、分かった?」
「もしかして…」
ニックリーがうれしそうな顔をビヨルグに向ける。
ビヨルグが「5カ月なんです」とニックリーの肩を抱き寄せた。
「おめでとうございます」
「ありがと」
「ありがとうございます」
3人がそろって笑顔になった。
「この子のためにも手柄を立ててね」
「ああ、もちろん」
笑顔のままのニックリーとビヨルグながら、デュランの顔はいくらかこわばる。
その後にもいくらか会話を交わして、デュランは2人を見送った。
「5カ月かあ」
デュランは少しホッとする。
赤ん坊でも抱いていれば、まさかまさか…の可能性もあるが、5カ月ではさすがに自分と関係ない。
それでもクリスパ領におけるニックリーとの交わりを思い出すと、デュランの股間が熱くなる。
「ええい!行くか!」
のんびりと休日を過ごす予定だったデュランの足が娼館へと向かった。
街中で呼びかけられたデュランが声のした方を見る。
着飾ったニックリーが立っていた。
その傍らにはワーレンバーグ公爵家の騎士が腕を組んでいた。
特に親しくはないものの、公爵家において何度か見かけたことがある。
「久しぶりね!」
「あ、ああ」
気さくに話しかけてくるニックリーとは異なり、男同士は礼儀正しく挨拶した。
「デュラン様、今日はお休みですか?」
「ええ、ビヨルグ様も?」
「はい、せっかくなので夫婦で食事でもと思って」
「なるほど」
クリスパ領に派遣されたワーレンバーグ公爵家の騎士のひとりであるビヨルグ。
縁があってニックリーと結婚した後、任務の交代により王都に戻っていた。
ビヨルグが顔を寄せて小声になる。
「それに、そろそろ出陣もありそうなので」
「ああ、そうですね」
クランダルク王国とコードコンタール王国との摩擦は、もはや広く国民に知られていた。
「戦争は嫌だなあ」
国民の中では、そうした意見が大半を占めていた。
「いっそのこと叩き潰せ!」
一方で、過激な発言をするものも少なくない。
ただし、王室を始めワーレンバーグ公爵家ら高位貴族は、事態の鎮静化を目指して日々外交に精を出している。
それでも一戦は避けられないとの見方が強かった。
立ち話を交わす中で、デュランはニックリーの変化に気づく。
顔立ちから何から全体的にふっくらとしており、お腹の辺りが膨らんでいるようにも感じた。
デュランの視線を感じたニックリーは、お腹を押さえて微笑む。
「うふふ、分かった?」
「もしかして…」
ニックリーがうれしそうな顔をビヨルグに向ける。
ビヨルグが「5カ月なんです」とニックリーの肩を抱き寄せた。
「おめでとうございます」
「ありがと」
「ありがとうございます」
3人がそろって笑顔になった。
「この子のためにも手柄を立ててね」
「ああ、もちろん」
笑顔のままのニックリーとビヨルグながら、デュランの顔はいくらかこわばる。
その後にもいくらか会話を交わして、デュランは2人を見送った。
「5カ月かあ」
デュランは少しホッとする。
赤ん坊でも抱いていれば、まさかまさか…の可能性もあるが、5カ月ではさすがに自分と関係ない。
それでもクリスパ領におけるニックリーとの交わりを思い出すと、デュランの股間が熱くなる。
「ええい!行くか!」
のんびりと休日を過ごす予定だったデュランの足が娼館へと向かった。
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