【R18】兄と2人で公爵様に嫁いでみました【完結】

県田 星

文字の大きさ
114 / 250

第94話 谷間に咲くスミレ

しおりを挟む
「どうしてこんなひどいことを…」

長い時間をかけた3度の交わりが終わった。
ようやく束縛から逃れたヴァイオレットが股間に手を触れると、男の体液があふれ出る。
亡き夫の弟であるグレイをにらむ。

「ひどい?随分と気分を出していたようだが?」
「そんな…」

グレイの夫に似た声を耳にすると、ヴァイオレットの体の芯が熱くなる。

「あなたの兄である夫のことを忘れたのですか?」

グレイは「ふん」と皮肉交じりに笑う。

「弟がダメと言うのなら、息子なら良いのかい?」
「どうして、それを…」
「同じ獲物を狙う狩人同志は分かるものさ」
「獲物って…」
「先を越されたのは残念だが、あんな若造…」

グレイはヴァイオレットを腕を握って引き寄せると、胸元に吸い付く。

「いやっ!」

赤黒い跡を付けるとグレイは手を離す。
ヴァイオレットは指を当てるが、そう簡単に消えるものではない。

「そのうち身も心の俺のものにしてやる。忘れるな」

グレイは服を整えると、寝室を出ていった。

「あなた…、助けて…」

ヴァイオレットの静かな泣き声が止まなかった。

----- 谷間に咲くスミレ 第3章 完 -----

【この先はどうなるのですか?】

アラーナの輝く瞳に負けたパルマは引き出しから紙の束を差し出した。
一番最初に「谷間に咲くスミレ 第4章」と書いてある。

『谷間に咲くスミレ』はパルマの創作した5作目の物語。

若くして富豪の後妻となったヴァイオレット。
「金目当て」と陰口を叩かれながらも、夫からの真摯な愛情と優しくも激しい夫婦の営みに幸せを感じていた。
しかし夫が事故死したことで、ヴァイオレットは未亡人となってしまう。
そんな彼女に、それまで非難していた義弟のグレイと義理の息子のダークが言い寄ってくる。
どこか夫の面影を感じる2人に、抗えないヴァイオレットは身を任せてしまった。

【この先も楽しみです】
「何とか頑張ってみます」
【これらはパルマの経験を活かしてるのですか?】

パルマは「とんでもない」と手を振った。

「男と付き合ったことなんて一度もありません」
【気になる人もいないのですか?】

パルマは天井を見上げつつ、「いませんねえ」と返事する。

【少し前に知り合いの男性と歩いているところを見かけました】
「そこまでってことです。ですから、ぜーんぶ想像です」
【それで、ここまで書けるなんてすごいです】

パルマは意地悪っぽい顔を見せる。

「ですから、アラーナ様には教えていただきたいですね」
【私がですか?】
「はい、結婚の後で公爵様とアラーナ様がどんな夜を過ごされたのかを」

アラーナが思い切り首を振った。

「実録ものなんて面白そうですね。『A令嬢は語る!K公爵との熱い夜!』とか」

アラーナは手にした板でパルマを叩こうとする。
それを避けるべく、パルマが紙束を頭に乗せた。
その紙束がアラーナの目に留まった。

【そちらは新作ですか?】

パルマは紙束を隠す。

「こ、こちらは構想の段階ですので、まだ読ませられるものではなくて」
【できあがったら読ませてくださいね】
「まあ、そのうちに、あまり期待しないでください」

紙束を横に置いたパルマは本が詰まった袋を渡す。

「こちらはデュランのところから持ってきたものです」
【こんなにたくさん】
「王都に行っていますから、いろいろ持ってきました」

アラーナは袋の中から1冊を取り出すと、そっと開いてみる。
服を乱した女性の周囲を3人の男性が取り囲んでいる絵が大胆に描かれていた。

パルマは「クスッ」と笑う。

「デュランが良く見ているところなのでしょうね」

あわてて閉じたアラーナの頬は赤らんでいる。

「今夜にでもゆっくりとご覧ください。でも夜更かしはいけませんよ」
【ありがとう】

袋と紙束を抱えたアラーナは恥じらいつつもうれしそうにパルマの部屋を出ていった。

「さて…」

先ほど隠した紙束を取り出す。すんなり書いて行けば、5作目の物語になるはず。

跡取り息子として伯爵家に生まれたものの、訳あって女のように育てられた主人公。
成長して後、偶然出会った若き公爵から愛の告白を受ける。
男と気づかないまま主人公を押し倒した公爵は意外な事実に驚く。
それでも他人に渡す気になれない公爵は主人公とひと晩を共ににする。

「出てくる2人が誰かって…分るよねえ」

パルマは紙束で顔を仰いだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

触手エイリアンの交配実験〜研究者、被験体になる〜

桜井ベアトリクス
恋愛
異星で触手エイリアンを研究する科学者アヴァ。 唯一観察できていなかったのは、彼らの交配儀式。 上司の制止を振り切り、禁断の儀式を覗き見たアヴァは―― 交わる触手に、抑えきれない欲望を覚える。 「私も……私も交配したい」 太く長い触手が、体の奥深くまで侵入してくる。 研究者が、快楽の実験体になる夜。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

新人メイド桃ちゃんのお仕事

さわみりん
恋愛
黒髪ボブのメイドの桃ちゃんが、働き先のお屋敷で、旦那様とその息子との親子丼。

処理中です...