【R18】兄と2人で公爵様に嫁いでみました【完結】

県田 星

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第103話 ささやかな贈り物

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「コーネリアさん、ありがとうございました」

タルバンがヴァインやプリス夫人と話している間、デュランはコーネリアにお礼を伝えていた。

「仕事の一環です」

どこか素っ気ない態度のコーネリア。
昼間、公爵邸を案内した際のデュランの言動が原因らしい。

「そうなのですか?」
「アラーナ様が公爵家に嫁がれて以降、主に私が本邸との仲介を務めることになっています」
「なるほど、では、またお話できますね」
「えっ?」

コーネリアの表情が固くなる。

「まだまだ教えていただかないことがあると思いますし」
「ああ、まあ、そうですね」

表情が固いままのコーネリアに、「それでは」とタルバンが右手を出す。

「本当にありがとうございました」

つられてコーネリアも右手を出した。

「!」

出されたコーネリアの右手をタルバンは両手でしっかりと握る。
軽く数回上下に振ると、「では、また」と馬に向かって行った。

コーネリアは右手を握りしめる。
布地らしき柔らかな感触と細長い固まりがあるのを感じた。


自室に戻ったコーネリアは右手を開く。
布袋に入っていたのは、すっきりとした形の白い髪留め。

「これはサンゴ…よね」

さほど高価なものではないが、子供のおもちゃにするような安価なものでもない。
しばらく髪留めを見つめていたコーネリアだったが、鏡を見ながら髪に当ててみる。

「…何なのよ」

両親や2人の兄、友人知人から贈り物を貰ったことはある。長じて異性からも。
しかし父にならって執事を志した後、異性からは距離を置かれがちになっていた。
執務中はもちろん、普段の服装も男性同様の格好をしていたことが原因なのだろう。

翌朝、コーネリアは髪型を少し変えつつ髪留めを使ってみる。

目ざとく見つけたカルトメリは「似合うね」と褒めてきた。

「ありがとうございます」
「ふむ」

加えて「贈り物?男性から?」と当てたのは、コーネリアの態度から何か察したらしい。
しかし、即答できないコーネリアを見たカルトメリは、それ以上には追及しない。

父であるフレード・センシスは、髪留めを見ても具体的に何か言うことはなかった。
それでも「コーネリアらしい形を見つけなさい」の言葉があったのは、髪留めを意識してのことだろう。
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