【R18】兄と2人で公爵様に嫁いでみました【完結】

県田 星

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第131話 披露パーティー

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「お目にかかることができて光栄です」

アラーナ(タルバン)がこの言葉を口にするのは何回目か。
丁寧な礼、絶え間ない微笑みと3点セットで繰り返してきた。

ワーレンバーグ公爵邸で開催された結婚披露パーティーは2部制。

第1部は格式を整えたもの。

テセント・クランダルク国王陛下とクリランテス王妃殿下を始め、内外の王族や高位の貴族のみを招待。
公爵邸内を会場として、招待客が着席したテーブルをカルトメリとアラーナ(タルバン)が挨拶して回った。

2人の後ろをついて回ったのが、侍女のアリィ(アラーナ)、そしてパルマとデュラン。

『万が一にも何かあれば…』

気を張ってお付きとして回ったものの、結果的に何もなく終わった。

強いて言えば「公爵閣下、お疲れですか?」と尋ねられた際に、アリィ(アラーナ)の頬が赤らんだこと。
ただし交わりを求めたのは、アラーナとカルトメリで半々か、ややカルトメリが多いくらい。
なので、半分くらいはカルトメリの自業自得でもあった。

第2部はざっくばらんな形。

公爵邸の中庭を会場として、テーブルや椅子こそあるものの、指定された席はない。
むしろ立ち歩きしながら交流を深める格好だ。

第1部に出席した王族や高位貴族の大半は公爵邸を後にしている。
新たに招き入れられたのは、カルトメリやアラーナと年齢の近い若い貴族の子弟や令嬢達。
さらにワーレンバーグ公爵領やクリスパ伯爵領の近隣貴族や小領主。
そして両家と取引のある富裕な商人や地主など。
この招待をめぐって、各家で悲喜こもごもがあったのだが、それは余談。

そしてこちらでも、礼、微笑み、そして「光栄です」の3点セットは変わらなかった

一方で招待客の反応は様々。

年長の招待客からは一様にべた褒めだった。
言葉こそ異なるものの、アラーナ(タルバン)の美しさを賞賛し、彼女を伴侶にできたカルトメリも褒めたたえた。

これが同年代となると反応が変わる。

男性貴族は「もっと早くお会いしたかった」「私が先に会えていたら」と残念がる声が多い。
カルトメリと気安い間柄の子弟からは、「とっておきを選んだな」「どこに隠していた?」のように皮肉を込めた言葉もあったが、カルトメリもアラーナ(タルバン)も笑ってやり過ごした。

一方の女性貴族は意気込んで2人の前に顔を出す者が多かった。

「田舎から出てきて王都の空気はいかがですか?」
「公爵閣下を誘惑した方法を教えていただきたいわ」
「その胸ではドレスの仕立ても大変ではございません?」
「王都で生まれ育った私に何でも聞いてくださいな」
「新婚とは言え、あまり公爵閣下を疲れさせるのは…ねえ」

そうした皮肉のひとつでも言おうとした…のかもしれない。
しかしアラーナ(タルバン)の微笑みで途端に霧消する。

「あ、その、ご結婚……おめでとう…ございます」
「ありがとうございます」

無難な挨拶で終わった。

時間がたって場がなごんでくると、カルトメリとアラーナ(タルバン)の距離が離れてくる。

アリィ(アラーナ)とパルマ、デュランの3人がアラーナ(タルバン)について回るのは変わらない。
それでもアラーナ(タルバン)の周囲に招待客が集まってくると、どうしても距離ができるのは避けられない。

「あら?」

アラーナ(タルバン)は気づかなかったものの、3人が同時に気づく。

「ねえ」

パルマがデュランの袖を引くと、デュランも「ああ」とうなずく。
アリィ(アラーナ)も心配そうな顔を見せた。

アラーナ(タルバン)に刺すような視線を向ける数人の貴族令嬢が集まっていたからだ。

「物騒な獲物でも持ってるってわけじゃなさそうだが…」

そう言いつつもデュランは令嬢達の方へ寄って行く。
パルマはできるだけアラーナ(タルバン)の近くに進み、アリィ(アラーナ)も慎重に気を配った。
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