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第133話 復興の足掛かり
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「おはようございます」
アラーナ達によるワーレンバーグ公爵家での日常生活が始まった。
と言っても、普段から夫婦ベッタリの生活ではない。
むしろアラーナ(タルバン)はアラーナ専用の別邸で過ごすことが大半。
必然的にアリィ(アラーナ)とパルマ、デュランも、それに沿っている。
本邸に来る機会の多くが食事。
ただしカルトメリが在宅の時は「夫婦で」とカルトメリが別邸に来て食事を共にする。
当然ながら、アリィ(アラーナ)と2人。
そしてアラーナの寝室で夜を過ごして、翌朝に帰って行く。
カルトメリがいない時には、ヴァイン・ワーレンバーグ先代公爵とプリス夫人から本邸に誘われる。
その折にはテレシア・リフォリア子爵令嬢も一緒のことが多い。
テレシアが会話に加わることはあまりなく、夫妻とアラーナ(タルバン)がもっぱら会話を重ねる。
ごくごくまれに、テレシアと2人きりで食事やお茶の時間を持つこともあった。
そこではアラーナ(タルバン)が懸命に話題を振って、テレシアがあいづちを打つくらいとなる。
あまり話が盛り上がることはない。
が、雰囲気は悪くない。
「嫌われてはいない…よなあ」
話が途切れた時にテレシアがアラーナ(タルバン)を観察する目が気になるくらい。
「絶好の機会じゃないか。妹の口から兄の素晴らしさを語っておけば…」
カルトメリの軽口に、アリィ(アラーナ)が噴き出す。
アラーナ(タルバン)はカルトメリを睨みつつも、「それができたらなあ」とは思う。
アラーナ(タルバン)が本邸に来るもうひとつの機会が本だ。
ワーレンバーグ公爵家には、王家にも負けず劣らずの蔵書がある。
そこから農業、酪農、林業、鉱業に関する書物を持ち出しては4人で読み込む。
「この木はどうかな?」
アラーナ(タルバン)の問いかけにデュランが首を振る。
「その木材は取扱いが難しいですよ」
「うーん、そうか」
【鉱山は望み薄なのですか?】
「鉄や銅が少し採れるくらいですしねえ」
アリィ(アラーナ)の板を見てパルマが答えた。
「質こそ悪くはありませんが、大量に売るほどは採れないので」
結局のところ、農業を立て直すことができる作物か、育てやすい家畜を探すことになる。
が、そんなに簡単に見つかれば、歴代のクリスパ領主は苦労していない。
今日も今日とて4人で蔵書のページをめくっていた。
アラーナ達によるワーレンバーグ公爵家での日常生活が始まった。
と言っても、普段から夫婦ベッタリの生活ではない。
むしろアラーナ(タルバン)はアラーナ専用の別邸で過ごすことが大半。
必然的にアリィ(アラーナ)とパルマ、デュランも、それに沿っている。
本邸に来る機会の多くが食事。
ただしカルトメリが在宅の時は「夫婦で」とカルトメリが別邸に来て食事を共にする。
当然ながら、アリィ(アラーナ)と2人。
そしてアラーナの寝室で夜を過ごして、翌朝に帰って行く。
カルトメリがいない時には、ヴァイン・ワーレンバーグ先代公爵とプリス夫人から本邸に誘われる。
その折にはテレシア・リフォリア子爵令嬢も一緒のことが多い。
テレシアが会話に加わることはあまりなく、夫妻とアラーナ(タルバン)がもっぱら会話を重ねる。
ごくごくまれに、テレシアと2人きりで食事やお茶の時間を持つこともあった。
そこではアラーナ(タルバン)が懸命に話題を振って、テレシアがあいづちを打つくらいとなる。
あまり話が盛り上がることはない。
が、雰囲気は悪くない。
「嫌われてはいない…よなあ」
話が途切れた時にテレシアがアラーナ(タルバン)を観察する目が気になるくらい。
「絶好の機会じゃないか。妹の口から兄の素晴らしさを語っておけば…」
カルトメリの軽口に、アリィ(アラーナ)が噴き出す。
アラーナ(タルバン)はカルトメリを睨みつつも、「それができたらなあ」とは思う。
アラーナ(タルバン)が本邸に来るもうひとつの機会が本だ。
ワーレンバーグ公爵家には、王家にも負けず劣らずの蔵書がある。
そこから農業、酪農、林業、鉱業に関する書物を持ち出しては4人で読み込む。
「この木はどうかな?」
アラーナ(タルバン)の問いかけにデュランが首を振る。
「その木材は取扱いが難しいですよ」
「うーん、そうか」
【鉱山は望み薄なのですか?】
「鉄や銅が少し採れるくらいですしねえ」
アリィ(アラーナ)の板を見てパルマが答えた。
「質こそ悪くはありませんが、大量に売るほどは採れないので」
結局のところ、農業を立て直すことができる作物か、育てやすい家畜を探すことになる。
が、そんなに簡単に見つかれば、歴代のクリスパ領主は苦労していない。
今日も今日とて4人で蔵書のページをめくっていた。
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