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第138話 結婚祝い
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「では、私からはこちらを」
ハルトが傍らの鞄から布袋を差し出した。
「ご結婚のお祝いとお考え下さい。先ほどのご要望と被っていなくて幸いでした」
パルマが袋を受け取って開ける。
その中に入っていたのは…
こぶし2つ分くらいの大きさ。
外側は赤茶色。
そこそこの硬さ。
形や大きさの異なるものが4つ。
「何かの実?それとも……芋?」
アラーナ(タルバン)が「芋」と言ったところで、ハルトが「当たりです」と答えた。
「イポメアとかイポマと呼ばれています」
「イポメア…、イポマ…」
「痩せた土地でも育ちやすいそうです」
「そうなのですね」
「ソバ同様にいろいろ品種がありまして、異なったものを4つお持ちしました」
パルマから手渡されたアラーナ(タルバン)が芋を1つずつじっくり眺める。
「基本的的に土地は選びませんから、クリスパ領と合わせて公爵邸で育てても良いかもしれません」
「なるほど」
「いくらか熟成させる必要がありますけど、味は甘いそうですよ」
「…すると、ハルトさんは食べたことがないのですか?」
「南方で見つかったばかりでして、ココット商会でも最初に仕入れたものをお持ちしました」
「そんなに貴重なものを…」
ハルトはニンマリ笑う。
「これでワーレンバーグ公爵家とクリスパ伯爵家に太いつながりができれば十分です。それに…」
「それに?」
「私がクリスパ伯爵夫人を名乗るかもしれませんし…ね」
あっけらかんとした物言いながら、当のタルバンにとって悪い気はしない。
辺境の貧乏伯爵家にとって、ワーレンバーグ公爵家に続き、有力なココット商会とつながりができるのは願ってもないことだ。
しかし…
『ふぅん、タルバン様、私などよりも、そんな人がよろしいのですね』
頭の中のテレシア・リフォリア子爵令嬢が冷たい視線を向けてくる。
「いや、その、そんなわけではなくって…」
とっさに頭を振るアラーナ(タルバン)。
「どうされましたか?」
向かいに座ったハルトはもちろん、アリィ(アラーナ)もパルマも不思議そうにアラーナ(タルバン)を見た。
「あ、いえ、何でもありません」
とっさに居住まいを正す。
「詳しい育て方はこちらに記してあります」
ハルトが差し出したのは1枚の紙。
「これだけ、なのですね」
アラーナ(タルバン)がザッと読むが、確かに育成方法は難しくないようだ。
「ある程度、ツルが育ってから切り分けたものをクリスパ領に持って行けば良さそうですね」
「ええ」
ひと通り話が盛り上がった後、ハルトがワーレンバーグ公爵家の別邸を後にした。
「タルバン様への紹介状、お待ちしております」
帰り際に念押しをするのを忘れなかった。
「ふぅ、やれやれ」
アラーナ(タルバン)がひと息ついた時だった。
ワーレンバーグ公爵家の使用人が2通の手紙を持って来る。
「アラーナ様、パルマ様にお手紙が届いております」
「ありがとう」
書斎に戻った4人は手紙を読んで、それぞれに頭を抱えることになる。
ハルトが傍らの鞄から布袋を差し出した。
「ご結婚のお祝いとお考え下さい。先ほどのご要望と被っていなくて幸いでした」
パルマが袋を受け取って開ける。
その中に入っていたのは…
こぶし2つ分くらいの大きさ。
外側は赤茶色。
そこそこの硬さ。
形や大きさの異なるものが4つ。
「何かの実?それとも……芋?」
アラーナ(タルバン)が「芋」と言ったところで、ハルトが「当たりです」と答えた。
「イポメアとかイポマと呼ばれています」
「イポメア…、イポマ…」
「痩せた土地でも育ちやすいそうです」
「そうなのですね」
「ソバ同様にいろいろ品種がありまして、異なったものを4つお持ちしました」
パルマから手渡されたアラーナ(タルバン)が芋を1つずつじっくり眺める。
「基本的的に土地は選びませんから、クリスパ領と合わせて公爵邸で育てても良いかもしれません」
「なるほど」
「いくらか熟成させる必要がありますけど、味は甘いそうですよ」
「…すると、ハルトさんは食べたことがないのですか?」
「南方で見つかったばかりでして、ココット商会でも最初に仕入れたものをお持ちしました」
「そんなに貴重なものを…」
ハルトはニンマリ笑う。
「これでワーレンバーグ公爵家とクリスパ伯爵家に太いつながりができれば十分です。それに…」
「それに?」
「私がクリスパ伯爵夫人を名乗るかもしれませんし…ね」
あっけらかんとした物言いながら、当のタルバンにとって悪い気はしない。
辺境の貧乏伯爵家にとって、ワーレンバーグ公爵家に続き、有力なココット商会とつながりができるのは願ってもないことだ。
しかし…
『ふぅん、タルバン様、私などよりも、そんな人がよろしいのですね』
頭の中のテレシア・リフォリア子爵令嬢が冷たい視線を向けてくる。
「いや、その、そんなわけではなくって…」
とっさに頭を振るアラーナ(タルバン)。
「どうされましたか?」
向かいに座ったハルトはもちろん、アリィ(アラーナ)もパルマも不思議そうにアラーナ(タルバン)を見た。
「あ、いえ、何でもありません」
とっさに居住まいを正す。
「詳しい育て方はこちらに記してあります」
ハルトが差し出したのは1枚の紙。
「これだけ、なのですね」
アラーナ(タルバン)がザッと読むが、確かに育成方法は難しくないようだ。
「ある程度、ツルが育ってから切り分けたものをクリスパ領に持って行けば良さそうですね」
「ええ」
ひと通り話が盛り上がった後、ハルトがワーレンバーグ公爵家の別邸を後にした。
「タルバン様への紹介状、お待ちしております」
帰り際に念押しをするのを忘れなかった。
「ふぅ、やれやれ」
アラーナ(タルバン)がひと息ついた時だった。
ワーレンバーグ公爵家の使用人が2通の手紙を持って来る。
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