【R18】入れ替わり農民の殿様ハーレム物語

県田 星

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第4章 父親の影

第52話 病気ではなく

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「戻ったぞ!」

家臣達に挨拶を受けつつ、善久が足早にきゅうの部屋へと向かう。

「お、お殿様ぁ」

その後をけいも懸命に追いかけるが、男女の差もあって、駆けていく善久に追いつかない。

きゅう!」

内からの応答もないまま、ふすまを開けた善久は呆気にとられる。
肝心の久が美智みちかずと談笑していたからだ。

「うん?」
「あら、善久様、お帰りなさいませ」

久が頭を下げると、美智と和もそれに倣う。

潤栄院じゅんえいいん様のご機嫌はいかがでございましたか?」

「おう!母上に加えて智と貞の3人を合わせて、ズッコンバッコンやりまくったよ。金玉袋が空になるまで出し切ったなあ」

などと余計なことは言わない。

「あ、ああ、機嫌は悪くはなかった…が」
「それはよろしゅうございましたね」

久は微笑む。

「久、そなた具合が悪いのではないのか?」

善久が尋ねると、久は美智と和とで顔を見合わせて笑った。
そこでようやく恵も追いつく。

「ふぅ、善久様、慌てないでくださいませ。大事ないと申したではありませんか」
「それはそうだが…」

善久は久に向かい合って座ると、久の額に手を当てた。

「熱はない…な」

心配された久は頬を赤らめる。
そんな2人を間近で見た美智は驚いて口を覆い、和は羨ましそうに見つめ、恵は不服そうに善久の袖を引っ張った。

「本当に大事ないと申しましたのに」

そこまで恵に言われたところで、善久は「そうか」と手を放した。

「ええ、怪我や病気ではありませんから」

久が微笑みつつ腹をさすっていると、善久はようやく気付く。
いつもの帯姿ではなく、ゆったりした着物をまとっているだけだ。

「うむ?もしや…」

久が「はい」とうなずいた。

赤子あかごか!?」

美智も和も、そして恵もうなずいた。

「でかした!」

善久は立ち上がって久を抱きかかえる。
久を抱きしめたままで善久は、その場でくるくると回り始めた。

「あーれー、お殿様、目が回ってしまいますー」
「おお!すまぬ、すまぬ」

久の悲鳴を聞いて、ようやく善久が止まる。
そっと久を下ろした善久は、両脇に手を入れてゆっくりと座らせた。

「どれ、音を聞かせてくれ」

久の腹に耳を当てる善久だったが、何の音も聞こえてこないので、がっかりした顔になる。

「善久様、さすがに、まだ早ようございますよ」
「さようでございます。せめて、もうふた月か三月みつきは待たないと」

美智と和が善久に教える。

「そうなのか…」
「もし聞こえるとしても、久様のお腹の虫くらいでしょう」

恵が軽口を言うと、善久が苦笑し、女達もそろって笑った。

「うむ、腹の虫には大きく鳴いてもらおう。これから赤子の分も食べるんだからな」
「はい、2人分いただきます。でも…」
「でも?」

久が言いかけると、善久が聞き返す。

「殿にも励んでいただかないといけませんよ」
「余が?ここに至って、余が何かすることがあるのか?」

久が「やれやれ」と言いたげに首を振る。

「善久様、女子おなごは、わらわ1人ではございませんよ」
「あっ!」

ようやく善久は気づいた。

いつの間にか、美智が善久の羽織の右袖をつかみ、和は左袖を握っている。
そして恵は善久を背後から抱きしめた。

「おおう!」

それを見た美智と和が善久の腕にしがみつく。

さらに恵が善久の襟首えりくびに吸い付くと、美智と和も善久の頬に唇を寄せる。

チュッ、チュッ、チュパッ…

3人の唇の雨は止みそうになかった。

女達の顔に囲まれつつも戸惑っている善久を、久は微笑んで見つめる。

「皆にも子種を振りまいてくださいね」
「よ、よしっ」

善久は何とか立ち上がると、3人の女達は仰向けにころんと転がった。

「とりあえず今はこれまでじゃ、よいな!」
「そんなぁ」

3人は善久にすがろうとするものの、善久は両手を振って押し留める。

「その代わり、今夜は3人一緒に、な」

善久の言葉を聞いた3人から「きゃあ!」と声が上がる。

その夜の善久は頑張った。
と言うよりも、3人によって搾り取られた。
東の空が白くなるまで。
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次回の更新予定は3月4日です。
善久が登城し、大きく展開が動きます。
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