2人暮らしは3LDKで

稲村うお

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5.熊や鮫にとってはじゃれてるつもりって、人間にとっては致命傷だったりするよね

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「やなぎ、ひっくり返すから捕まって」
「ん、」

圧迫感に占拠されてよく分からないまま彼の首筋に手を伸ばす。成人女性が抱っこを求める図とか色々厳しくないかと思うけどさせてるのはこいつなので私悪くない。
ころんと状態を少し起こしたまま横になった克巳くんは繋がった状態で私を上に乗せてくれた。
手を離して起き上がろうとすると、「このままでいいよ」と背中に手を添えてきた。

「苦しくない?」
「んん……入ってるなって感じはするけど、多分だいじょぶ……」

背中を擦ったり頭を撫でたりしながら同居人は色々と気を回してくれる。
彼のブツはでかいので当然といえば当然なのだけれど、感謝しないのは違うかなと思う。
難しいけど多分、この考え方は間違ってないと思う。

「そっか。言いにくいと思うけど、やめたくなったらやめてって言っていいんだからね」
「分かってるよ。ありがと」
「んーん、こっちこそ。入れてくれてありがと」

動かないから他のところ触っていい?と言う彼にどうぞ、と許可を出すと怠惰な脂肪の塊_______あ、腹じゃなくて胸の方。をふにふにと五指で摘むように揉んできた。
先端を緩くきゅ、とつままれると内部にちょっと力がこもる。

「気持ちいいですかー?」
「ちょっと、いいかも?」
「ふふ、じゃあ続けるよ」

際のラインを指の腹でなぞってみたり、腰をちょっと撫でてみたり。時々いやらしい動きを混ぜつつも基本的には子供をあやすように普通に触ってくれるのが心地いい。
じっと見つめていた唇に軽くだけ吸い付くと、同居人が驚いて目を見開いたのがわかった。

「目、するときは閉じるのが普通って言ってなかった?」
「え、あ……ごめん。びっくりしちゃって、」
「……女がするのは変?」
「ち、違う違う!全然そんなんじゃなくて!嬉しくて……っていうか、嬉しすぎて」
「そんなに言うほどかなあ」
「柳には、分かんないよ……」
「かもね」

珍しく変態的な意味抜きで(?)顔を赤くして片手で額を押さえた同居人はちょっと可愛かった。
段々と私の体の芯も温まってきて、ふるる、と腰がひとりでに震えたのにビックリする。  

「……ぅ、?」
「ぁっ……ちょ、締めないで」
「ごめ、ん?」
「仕返ししていい?」
「良くはないかな?」
「でもする!」
「わ、」

またまた逆転。今度は私が下だ。
仕返しと言いつつこちらの様子を伺いながら、彼はゆっくり腰を前後させてくる。
お腹とか股の変なところが捲りあげられるのはまだちょっと慣れない。

「多分ここらへんね、柳のいいとこ」
「んっ?んん……」
「今準備中だと思うからもう少ししたら良くなるんじゃないかな」
「そういうもの……?」
「そういうもの、だと思うよ」
 
ぬる、ぬる……と逞しい下半身が動くと腹部が変な動きをする。
これは、何だ。気持ちいいってこんな感じだったっけ。
毎回毎回忘れてしまうのだ。多分、私は違和感とそういう感覚がまだちょっと分けられていない。

「なん、だろ……変な感じ……」
「柳いっつもそう言ってるよ」
 
耳貸して、と言われて言われた通りに耳を傾ける。
くいと引き寄せられて何事かと思っていたら突如として耳攻めが始まった。

「気持ちいいね」
「いや、分かんな……」
「いいから。ちょっとだけ、ね。言ってみて」
「きもちいい……?」
「そうそ!練習してみような」

練習とはなんぞや?と首を傾げていると、何と言うか、今度は実況みたいなのが始まった。

「ぐうって全部入れるよ、わかるかな。ずず、って抜いてまた入って……ちょっと上の所も触るから。ここが1番感じやすいだろ。うん、上手上手。そのまま力抜いて……っと、」
「ぅ、あっ」
 
最後の最後に力の抜けた肉を掻き分けて、ぐっと天井を押し上げてきた。
息が詰まる感じがして腰から脳天までぴりりっと痺れが走る。
頭、ちょっと白くなりそう。

「きも、ち……?」
「ん。思い出してきた?そうだな、気持ちいい」
「もしかしなくても、子供扱いされてる、っ?」
「はは、甘やかしてるだけだよ」

ぬちぬちと粘液が滲む中を擦られるとカクカクと腰が震えてしまう気がした。本当に震えているかはちょっと、分からないけど。
イイ、っていうのもそこではまだよく分からない。
でも克巳くんの大っきい手が背中とかお腹を触ってくるのはまあ、好きかなあなんて。

こちらをじっと見てくる瞳と目が合って途端に恥ずかしくなってきた。
ゾワッてした。やだ、これやだ。

「あ。ほらほら、可愛いとこ見せて」
「顔は、やぁ……っ」
「恥ずかしくないから……いや恥ずかしがってる所も可愛いからそのままでいいかな。でも、ね?寂しいから俺の顔見てて」
「やだぁ………………」
「参ったなあ」

口では参ったなんて言うくせに、この男はどこか嬉しそうな顔をする。変態だ。

「顔、見るの恥ずかしい……」
「見られる、じゃなくて?」
「ん……見るのが、恥ずかしい」

顔を隠していた手を横によけて、上から顔を覗き込んで同居人は聞いてくる。
人の顔が近くにあるのが恥ずかしくてぷいっと顔を背けると、巨体が上から倒れてきた。

「か、」
「……?」
「かわいいぃぃ…………」
「ぁっ」

ぐ、とおなかを内から押されて息が詰まった。
肩の辺りにぐりぐりと額を擦り付けられてチクチクと髪の毛が刺さる。半ば呆れながらよしよし、と頭を撫でてあげると仕返しとばかりに耳元に唇を寄せられた。

「なあにそれ。そんなこと言われたらいっぱい見られたくなっちゃうな」
「……アイマスクでもしようかな」
「急な高度なプレイに走らないで……でも一回やってみたいね」

お前の通常運転の方がよっぽど高度でマニアックだと非難しようとすると、太ももの付け根と股間の辺りを触られた。
指の腹が柔らかく触れてくるのが擽ったくてわざとらしい。「やらしいことしよう」という明確な意思があるような気がする。

「ね、柳。変態くさいこと言っていい?」
「四六時中言ってない?」
「口に出してたつもりはなかったんだけど……」
「考えてはいたんだ……」

あっやべ、と言う彼にじとっとした視線を送りながらいいけど、と言ってあげると嬉しそうに耳を食まれた。何故。

「俺の、結構大っきいと思うんだけど」
「何が?」
「……恥ずかしくなってきた」
「ファイト」   

言って気がついた。今のはきっと私が応援するべき場面ではなかった。しかし頑張る人がいると応援したくなるのが人の性。
そこの変態、てめーはだめだ。嬉しそうな顔をするんじゃあない。

「気持ちいい……?」 
「ひ、」

心の中でうるさい独り言を言っていると、突然低くて甘い声が吐息と一緒に吹き込まれてびっくりした。耳がとけそう。 

「おっきいの、好き?」
「大きいと、いいの……?」
「そんなことはないと思うけど、いっぱい意地悪できるかも」
「じゃあ別に好きじゃないかな」
「厳しいなあ」




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