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1¦「精霊」
「チュンチュン…チチチ…」
鳥の囀る音が聞こえる。風も爽やかで気持ちがいい。草花も喜びながら風になびかれている。ここに住んでる人たちも皆気持ち悪いくらいの笑顔で、何不自由なく暮らしている―だが見た目に騙されてはいけない…ここは地獄なのだ。
まずは私の事から話さないといけない。
私の名前は「東宮春(とうぐう はる)」年齢は100歳(人間で言うとこの10歳)。ここ桑野原(くわのはら)に住む獣人だ。種族は一応狐族となっている。"一応"と書いたのには訳がある。話すと長いからおいおい話すとしよう。
そしてこの世界は主に「中央大陸(ちゅうおうたいりく)」、「哪吒の大陸(なたのたいりく)」、「神々の大陸(みわのたいりく)」、「鹿屋大陸(かのやたいりく)」、「讃良大陸(さわらたいりく)」、「鬼嶌大陸(きじまたいりく)」の6つで出来ている。
こんなに大陸があったところで得をする事もない。少しくらい減るべきだと思うが…まぁそんな事は置いておこう。
前置きが長くなってしまったが、私が住む桑野原はその中でも哪吒の大陸の端に位置する小国だ。この国では狐族と言う希少種族が慎ましやかに暮らしている。狐族は皆一様に茶色の耳とシッポを持ち、狐の強さはシッポの数で決まるとされている。―しかし狐族の中で1人だけ色の白い狐…即ち「白狐」と呼ばれる存在が産まれるのだ。白狐は必ず世界に1人だけ存在し、その白狐が死ぬと新しい白狐が産まれると言うルールになっている。
白狐について分かってる事は多くはない。せいぜい分かってる事と言えば、生まれながらに9つのシッポ、高い戦闘力、魔力量を持つとされている事くらいだ。
そしてもう気づいてると思うが私は白狐なのだ。
現にろくに成長もしてないのに9つのシッポがあるし、村の誰よりも強い…そして何より色が白いのだ。
ここまでくると皆一様に「勝ち組だ!」「人生楽なんだなー」と思うだろうが私の場合そうでは無い。
ここで私の一日を紹介しておこう。
朝は4時に村の男達によって蹴られ起床。掃除、洗濯、炊事などをこなす。私が何かをすると必ず文句を言われるので気絶するまで暴力を受ける。起きたらまたご飯を作り、あとは村の人の顔色を伺いビクビクしながら暗い部屋に籠る…それの繰り返しだ。
正直こんな事を言うと「お前は強いんだろ?ならボコれよ!」と言う輩が出てくると思うがそんな事をしたら幽閉されている私の両親が殺されてしまう。ここでは私が我慢するしかないのだ。
外を歩くと石を投げられ殺されそうになる日々を暮らしている…これも私が恵まれた白狐だから仕方ない…そう思わないと生きていけない…
だがこんな私にも友…恥ずかしいけど親友と呼べる存在がいるのだ。
それがあの少年。名は「サリヤ・エヴァ」ウェアウルフと言う種族の長の息子らしい…彼は隣の小国に住んでいるため滅多に会えないが一緒にいる時はいつも助けてくれて、頼りになる大切な友だ。
「なー春!!俺さめっちゃ強いんだよ!」
唐突にこんな事を言う時は決まって勝負を仕掛けてくる時だ。彼の強さは知っている。だが私も強いのだ。
「へー笑笑 私もすっごく強いんだよ!」
「じゃあさ!俺と勝負してみない?」
ほらきた。やっぱり勝負か。
「ふふん!勝負なら受けて立つ!」
「じゃあ、あの木まで競走な!」
今回はかけっこか。まぁ私が勝つな。
「位置について!よーいドン!!!!」
――「やったー!私の勝ち!!」
「くそ!あと少しだったのに…」
こんな風に彼はよく私と遊んでくれる。え?なぜ村人達から批難されないかって?それは彼がウェアウルフと言う別種族だからだ。
基本他種族を巻き込んだりしないから彼との関係は続ける事が出来ているのだ。
楽しい時間も過ぎ、日も暮れて彼も帰ってしまった…また孤独な日々が続く…そう思うと泣きたくなってくる。だがまだ幼い身なのに泣く事は許されていない。
取り敢えず全ての事も片ずいた。今日はこのまま寝てしまおうか。
そんな事を考えながら支度をしていたら部屋に1匹の精霊が入ってきた。精霊が来るなんて珍しい。興味本意で追いかけていくと、かなり遠くまで出て来てしまった。早く戻らないと…焦る気持ちとは裏腹に精霊から目を離すことが出来ないでいた。何せ精霊を見るのは2度目だ。そして私は10歳。興味を持ってしまうのも仕方がない。
「ねぇねぇ、精霊さん。貴方はどこから来たの?」
問いかけても精霊が答えてくれる事はない。なんかムカつく…
「ねぇ、精霊さんってば、、、」
足を踏み出した瞬間、足を滑らせて湖に落ちてしまった。私は水が大の苦手なのだ。まず泳げない。
「うぶっ…ぶくぶく…はぁっ…ぐっ…ぶくぶく…」
まずい。息が出来ない。こうなったら…
「奇石!!」
すると足元からどんどん石が突き出してきてなんとか岸に上がることが出来た。
「はぁ…はぁ…」
取り敢えず助かった。岸にあがり周りを見ると精霊が…増えてる!?
「なんでこんなに精霊が…?」
そんな疑問に答えてくれる人は誰もいない…はずなのにどこかから答えが聞こえてきた。
「お前、なかなかにやるな。よし、決めた。私の養子にしてやろう。」
「あ、貴方は誰?」
「私は…まぁいずれ分かる。とにかく明日迎えに行く。」
そう言ったままその声は聞こえなくなり、精霊も消えてしまった。
「はぁ…帰ろ。」そう思い元いた部屋に帰っていくのだった。
鳥の囀る音が聞こえる。風も爽やかで気持ちがいい。草花も喜びながら風になびかれている。ここに住んでる人たちも皆気持ち悪いくらいの笑顔で、何不自由なく暮らしている―だが見た目に騙されてはいけない…ここは地獄なのだ。
まずは私の事から話さないといけない。
私の名前は「東宮春(とうぐう はる)」年齢は100歳(人間で言うとこの10歳)。ここ桑野原(くわのはら)に住む獣人だ。種族は一応狐族となっている。"一応"と書いたのには訳がある。話すと長いからおいおい話すとしよう。
そしてこの世界は主に「中央大陸(ちゅうおうたいりく)」、「哪吒の大陸(なたのたいりく)」、「神々の大陸(みわのたいりく)」、「鹿屋大陸(かのやたいりく)」、「讃良大陸(さわらたいりく)」、「鬼嶌大陸(きじまたいりく)」の6つで出来ている。
こんなに大陸があったところで得をする事もない。少しくらい減るべきだと思うが…まぁそんな事は置いておこう。
前置きが長くなってしまったが、私が住む桑野原はその中でも哪吒の大陸の端に位置する小国だ。この国では狐族と言う希少種族が慎ましやかに暮らしている。狐族は皆一様に茶色の耳とシッポを持ち、狐の強さはシッポの数で決まるとされている。―しかし狐族の中で1人だけ色の白い狐…即ち「白狐」と呼ばれる存在が産まれるのだ。白狐は必ず世界に1人だけ存在し、その白狐が死ぬと新しい白狐が産まれると言うルールになっている。
白狐について分かってる事は多くはない。せいぜい分かってる事と言えば、生まれながらに9つのシッポ、高い戦闘力、魔力量を持つとされている事くらいだ。
そしてもう気づいてると思うが私は白狐なのだ。
現にろくに成長もしてないのに9つのシッポがあるし、村の誰よりも強い…そして何より色が白いのだ。
ここまでくると皆一様に「勝ち組だ!」「人生楽なんだなー」と思うだろうが私の場合そうでは無い。
ここで私の一日を紹介しておこう。
朝は4時に村の男達によって蹴られ起床。掃除、洗濯、炊事などをこなす。私が何かをすると必ず文句を言われるので気絶するまで暴力を受ける。起きたらまたご飯を作り、あとは村の人の顔色を伺いビクビクしながら暗い部屋に籠る…それの繰り返しだ。
正直こんな事を言うと「お前は強いんだろ?ならボコれよ!」と言う輩が出てくると思うがそんな事をしたら幽閉されている私の両親が殺されてしまう。ここでは私が我慢するしかないのだ。
外を歩くと石を投げられ殺されそうになる日々を暮らしている…これも私が恵まれた白狐だから仕方ない…そう思わないと生きていけない…
だがこんな私にも友…恥ずかしいけど親友と呼べる存在がいるのだ。
それがあの少年。名は「サリヤ・エヴァ」ウェアウルフと言う種族の長の息子らしい…彼は隣の小国に住んでいるため滅多に会えないが一緒にいる時はいつも助けてくれて、頼りになる大切な友だ。
「なー春!!俺さめっちゃ強いんだよ!」
唐突にこんな事を言う時は決まって勝負を仕掛けてくる時だ。彼の強さは知っている。だが私も強いのだ。
「へー笑笑 私もすっごく強いんだよ!」
「じゃあさ!俺と勝負してみない?」
ほらきた。やっぱり勝負か。
「ふふん!勝負なら受けて立つ!」
「じゃあ、あの木まで競走な!」
今回はかけっこか。まぁ私が勝つな。
「位置について!よーいドン!!!!」
――「やったー!私の勝ち!!」
「くそ!あと少しだったのに…」
こんな風に彼はよく私と遊んでくれる。え?なぜ村人達から批難されないかって?それは彼がウェアウルフと言う別種族だからだ。
基本他種族を巻き込んだりしないから彼との関係は続ける事が出来ているのだ。
楽しい時間も過ぎ、日も暮れて彼も帰ってしまった…また孤独な日々が続く…そう思うと泣きたくなってくる。だがまだ幼い身なのに泣く事は許されていない。
取り敢えず全ての事も片ずいた。今日はこのまま寝てしまおうか。
そんな事を考えながら支度をしていたら部屋に1匹の精霊が入ってきた。精霊が来るなんて珍しい。興味本意で追いかけていくと、かなり遠くまで出て来てしまった。早く戻らないと…焦る気持ちとは裏腹に精霊から目を離すことが出来ないでいた。何せ精霊を見るのは2度目だ。そして私は10歳。興味を持ってしまうのも仕方がない。
「ねぇねぇ、精霊さん。貴方はどこから来たの?」
問いかけても精霊が答えてくれる事はない。なんかムカつく…
「ねぇ、精霊さんってば、、、」
足を踏み出した瞬間、足を滑らせて湖に落ちてしまった。私は水が大の苦手なのだ。まず泳げない。
「うぶっ…ぶくぶく…はぁっ…ぐっ…ぶくぶく…」
まずい。息が出来ない。こうなったら…
「奇石!!」
すると足元からどんどん石が突き出してきてなんとか岸に上がることが出来た。
「はぁ…はぁ…」
取り敢えず助かった。岸にあがり周りを見ると精霊が…増えてる!?
「なんでこんなに精霊が…?」
そんな疑問に答えてくれる人は誰もいない…はずなのにどこかから答えが聞こえてきた。
「お前、なかなかにやるな。よし、決めた。私の養子にしてやろう。」
「あ、貴方は誰?」
「私は…まぁいずれ分かる。とにかく明日迎えに行く。」
そう言ったままその声は聞こえなくなり、精霊も消えてしまった。
「はぁ…帰ろ。」そう思い元いた部屋に帰っていくのだった。
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