異世界ハーレム漫遊記

けんもも

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第二章 迷宮都市編

綾、ニーナの初めての迷宮探索

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翌朝、まだ空はまだ薄暗い時間に目覚めると、マリアがこっちを見ていた。夜寝入ってしまうと無意識に、俺とマリアはお互いを抱き枕にして眠るようだ。
俺の背中には綾が抱きついて寝てるし、マリアの背中の方にはニーナが丸まってる。
こうして皆一緒に眠れてるのは幸せだけど、やっぱりマリアを側で感じられるのが一番だなぁ。何度でもキスをしたくなる。

さて、今日は全員で迷宮に入る予定だから、朝風呂の後は、いつもよりしっかり朝食を食べた。今日のメニューは、朝粥だ。と言っても、卵焼きや、炙ったお肉もあるから、しっかり栄養は取れてると思う。

装備などの準備を始め、綾とニーナのハーフアーマーを俺のアイテムボックスから取り出して、二人に渡す時に、

「綾とニーナは、昨日の夜迷宮探索に出る覚悟をしたから、多分アイテムボックスと聖魔法が使えるようになっているんじゃないかなぁ。この二つは、迷宮探索に役立つ能力だし。」

って言ったら、早速ニーナがアイテムボックスを開けて大喜びしていた。
綾は元々魔法なんか使ったことのない異世界トリップ者。魔法そのものを感じられないから、まずは、俺が魔力を感じさせることから始めた。俺もそんなことが出来ると思わなかったけど、できそうだったからやってみた。普通はお互いの手と手と合わせてやるんだろうけど、俺は綾の口の中で魔力を感じさせた。一番敏感な場所でこうして直接受け渡しした方が、日本で感じたこともない魔力という力を感じやすいと思ったからだ。
案の定、何度か舌を絡ませたところ、自分の口の中に何か塊を感じたようだ。

「お兄ちゃん、感じた。何か温かい塊みたいなの。」

「そう、それが魔力だよ。もう一度感じてごらん。」

俺は、もう一度キスをしながら受け渡しして、今度はそれをゆっくり飲み込むように感じさせてみた。

「口の中に入っている塊を、ゆっくり飲み込む感じだよ。そう、口に含んだ温かい飲み物を飲み込む感じ。その温かさを、お腹で感じてごらん。」

綾に、自分の身体でそれを感じたら、後は、俺がいつも使ってるように、アイテムボックスのイメージをしっかり持たせて、発動させてた、すんなり出来た。
マリアも自分のことのように喜んで、本来はこの能力がどれほど貴重な物なのかを説明した後、人前では決して使わないように約束させた。

聖魔法の方も、マリアが二人に指導して、ライトをすぐにできるようになった。ただ、これは使いすぎると反動が大きいから、精々一日に一度が限度であることを厳命した。

アイテムボックスが使えるようになったので、二人の荷物と装備はそれぞれのボックスにいれさせて、ついでに銅貨99枚、銀貨99枚、金貨99枚ずつと食料と飲み物を渡した。
マリアのアイテムボックスの容量も増えてるんじゃないかなぁって教えてあげて、実際に銅貨200枚、銀貨200枚を追加で入れさせてみた。

「今渡したお金は、自分で買いたいものがあったら自由に使っていいからね。」

「ニーナ、お金使わないよ。リュウ兄が全部買ってくれたから、欲しいものはないよ。」

「お兄ちゃん、私も使わないよ。一杯買って貰ってるし。」

「お金は、何か会った時に必要になるから、綾もニーナも持っていて。俺やマリアが一緒なら問題ないけど、何が起きるか解らないしね。」

あと、身代わりの指輪は、綾とニーナの分もあるけど今日は渡さなかった。危険ではあるんだろうけど、俺たちが一緒だし、この指輪は結婚の証みたいになっているので、まずはマリアとも相談してから決めたいと思ったからだ。
綾とニーナの装備が貧弱に見えるけど、俺とマリアの装備が凄すぎるだけなんで仕方ない。不都合があるようなら、すぐに出て武具を揃えて行こう。

玄関で固まって、一気に迷宮地下5階に飛んだ。昨日ゲスと戦った小部屋だ。索敵しても問題ないみたいだったので、今日は、5階から入り口まで上がって行くルートで探索しようと決めた。久しぶりに、貯まったドロップ品を入り口広場の露天商に売りに出したいのと、案内所にも一度顔を出してみようと考えたからだ。

フォーメーションはマリアと綾が前衛、中衛にニーア、後衛と全体指揮を俺って感じ。
マリアがアタッカー兼タンクって感じだけど、俺の索敵とマリアの耳で、狩りやすい集団をサクサク探してサクサク進んでいった。
能力値的には、綾たちも並みの兵士より上だし、後は実際に魔物を倒して技術力を上げれ行けば問題ないから、全く問題なかった。尤も、最初に俺が魔物のスキルや能力値を奪って、強さを調整してたんだけどね。ともかく5時間ほどで、地上に上がってきて、外に出る前に俺の魔法で全員に浄化をかけてすっきりさせた。
地上に出るとまだそんなに人は多くはなかったけども、この前より幾分混んでる気がした。この前の露天商で、またドロップ品を引き取ってもらった。全部だと数が多すぎるだろうから、どれくらいなら引き取れるか聞いて、その分だけ引き取ってもらった。約一ヶ月の家賃分だった。初日にしてはこんなもんかな。

マリアが買いたいものがあると言うことだったので、別れて行動することにした。女の子3人で買い物するのもいいだろう、自由に買いたいものもあるだろうしね。3人ともお金は持っているけど、迷宮で自分たちで稼いだお金と言うことで、露天商から受け取ったお金を全部マリアに渡しておいた。帰りの時間は気にしなくていいって言ってあるのでまあ、大丈夫だろう。

時間が出来たので、俺は一人であちこち行ってみることにした。
まず、観光案内所。家の買い取りの件、聞いてみたら、今、王都にいる持ち主に問い合わせているそうだ。そう言えば、王都まで距離があるんだった。持ち主がこの街に住んでると勘違いしていたと言い訳をして、また、来週にでも顔を出すことを約束した。本当は奴隷商の所にも行く予定だったけど、日本みたいに情報化が進んでいるわけではないから、情報が揃うには時間もかかるだろうし、今、これ以上奴隷を買う予定もないので、パスした。案内所でこの世界の距離感を感じていなかったら、奴隷商のところで恥をかくところだった。
で、仕方ないので露店をウロウロした。食材を見ていたら、卵があったので大量に買い込んで、ヤギ乳があったのでこれも購入した。ヤギ乳は独特の癖があるって日本で住んでいた頃聞いたことあるけど、こっちの世界のヤギ乳が日本のものとは違うのか、無調整牛乳と言ってもいいぐらいの風味だ。
ともかく、今夜は、てんぷらでも作ってあげようと思って、各種パンを買い込むついでに、てんぷらの具材になりそうな野菜をいろいろ買い込んだ。残念ながら魚などの魚介類はなかった。この世界では、魚介類は高級食材らしい。
あと、パンの種と言うものがあったので何に使うのか聞いてみたら、パンを焼くときに生地に混ぜて使うってことだったから少し買った。パンの生地を少し残して、次のパンに混ぜるようにして使うらしい。生イースト菌と同じものなんだろうな。
それと、少量ではあるけど、砂糖が売っていた。少し黒っぽいけど十分に使えそうなので、これも買った。

待ち合わせはしてなかったけど、迷宮入口の方に戻りながら、通りの店を覗いたら、3人がいた。中古服屋さんみたいなところで服を選んでいるようだ。声をかけたら寄ってきて、買わないのって言ったら、見てただけってことで、そのまま一緒に家に帰ることにした。

人気のない場所まで歩いて、皆につかまらせて一気に家の中に飛ぶ。
今日の夕飯は、俺が作るよって言ったら、3人がびっくりしてたけど、どうせなら皆で作ろうって話になって、俺が講師、綾がアシスタントになって正しいてんぷらの作り方を教えてあげた。
本当は、テーブルで直接揚げながら食べたらよかったんだろうけど、小さな魔道具がなかったしね。材料が不安だったけど、うまくできた。綾も久しぶりに食べたって喜んでいたし、マリアもニーナも喜んでくれた。

いつものようにゆっくり湯船に浸かっていると、

「お兄ちゃん、こっちの世界って温泉とかないのかぁ。」

「どうだろうな。俺も詳しくは知らないけど、マリア、ニーナ知ってる?」

「知らなーい。温泉って何?」

って聞いてきた。

「火山とかないと無理じゃない?」

「火山なら王国と帝国や自由都市連邦の間に山々が連なっていて、鉱山と一緒に火山もあるよ、リュウ兄。」

「そしたらいつか行ってみるか。」

「でも、リュウ、鉱山地帯は強い魔物が出るのと国境の近くでいつも小競り合いが起きているから、行くの大変かも。」

なるほどなー。そっち方面にあるんだ。以前マリアから聞いた王国、帝国、自由都市連邦との間のトラブルは、この鉱山の利権とかも絡んでいるのかもね。

明日、何かやりたいことがあるか聞いてみた。特にないようなので、今日と同じ予定でって話をして、そのまま夜の交わりに突入した。今日も皆安らかな顔をして眠ってる。3人の幸せ実現クエスト、今日もクリアーってことで、俺もマリアに抱きついて眠った。


翌日も地下5階から上がる感じで実地訓練を繰り返した。昨夜能力値を上げたここと、スキルを使う技術が上がったことで、ほとんど危なげない感じだ。次からは、俺が事前に能力奪取せずに、そのままで戦わせても大丈夫かもしれない。

「綾、ニーナ、動きがよくなってきてるね。地下3階からは、魔物は1体ずつしか出てこないから、しばらく、4階で、全員の連携の訓練をした後、上に上がろう。」

「うん、お兄ちゃん。今日は、昨日よりもスムーズに身体が動くし、疲れもでないよ。」

「リュウ兄、ニーナよくなった?」

「ああ、ニーナも綾もよくなってるぞ。3階に上がったら、それぞれ、一人で魔物を倒す練習をしてみようね。」

「それじゃあ、今まで俺の能力で魔物の魔法とか能力を少し抑えてたから、今度は俺はそれをしないから3人で戦ってみて。いざとなったらちゃんとサポートするから、怖がらずに今までと同じ感じでやってみてね。」

その後、順調に出口まで上がってきて、今日の訓練を終えた。外に出る前に周囲に人がいないのを見計らって、家に転移した。

今日の夕食は、ちょっと趣向を変えて裏庭に土魔法でコンロを作って、バーべキューみたいにして食べることにした。今日迷宮探索している時に、俺とマリアが、最初は魔物の森の傍を通りながら、エジンバラ城砦都市に向かった時の話をして、ずっとキャンプ生活だったなぁという、キャンプの話をしたら、綾もニーナも自分たちもやってみたいってことだったから、じゃあその雰囲気でもってことで企画した。

「そう言えば、この露天風呂もその旅の初日に作ったんだよね。」

「初めて、このお風呂を見た時には、リュウって有名な大魔導師だって思ったわ。その前にこんな風に土魔法で竈を作ってくれたりしたんでびっくりしたけど、まさか近くにあった大岩でこんなお風呂を作って、しかもたっぷりのお湯を準備してたんだもの。普通じゃないわよね。」

「リュウ兄は、凄いね。大好き」

「そうか?俺も初めてだったから、上手く作れるか少し心配だったけどな。そう言えば、こっちもその時に作ったんだよな。」

そう言って、お風呂の側にキャンプ用の寝室を出した。

「凄ーい。岩のお部屋?中は、板張りだし、凄く素敵。お兄ちゃん、ここにお泊りしたい。」

「ニーナもここでお泊りしたい。」

「そうか?じゃあ、ここでキャンプするか。バーベキューして、お風呂にはいって、こっちの寝室で眠ろう。」

結局そういう流れでキャンプになって、夕食を食べた後、露天風呂から直行でベッドインした。ベッドは4人で寝ても十分な広さだったなー。まあお互い抱きついて寝てるからこれだけあれば十分だけどね。少し練金技術上がったから、頑張ればもっといい感じの物も作れそうだけど思い出があるし、このまま使うかな。
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