異世界ハーレム漫遊記

けんもも

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第六章 魔物の森の街建設編

精霊の力

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翌朝、朝のあいさつが終わって、いつものように露天の湯船に入っている時に、

「そう言えば、この世界って、魔力以外の見えない力ってあるんだよなー」

俺の頭の中で考えていたことが、ふと口から出た。

「「「えー、当たり前じゃない。(当たり前だよぅ)」」」

「えっ、何?当たり前なの?常識なの?」

即答でしたマリア、ニーナ、セシリアに思わず聞き返した。

「だって空を吹く風とか、太陽の光とか、植物の成長とか。皆、精霊の力が働いてるでしょう?精霊の力がなかったら、どうやって生きていけるの?」

「えっ、何?そしたら、この世界には精霊の力が満ち溢れてるってこと?」

「「「うん」」」

「じゃあ、魔法力と、精霊の力って同じことなの?魔法って精霊の力を使ってるの?」

「リュウ兄、それは違うよぅ。魔法は、精霊の力を借りて発動しているだけだよ。」

「だったら、俺達も、精霊の力を使えるってこと?魔力の大本なんだろう?」

「リュウ、流石にそれは無理じゃない。精霊の力は精霊様のみ使える力であって、魔法は、精霊の加護を受けて、人が精霊様ができることの一部を使えるようにして貰ってるってだけだし。だから人によって使える魔法は1つか2つなんだよ。余程習練している人でも3つだけど、基本的に、精霊の加護同士って反発する様なものだから、リュウみたいに全部使える人はいないし、リュウの力で私達が全員、全部の魔法を使えるようになっているのも異常なんだよ。」

「じゃあ、人は、精霊の力は使えない?」

「使えない」

「じゃあ、使える人がいたら?」

「そんなのいないし、精霊の力を使えるのは、精霊様だけだよ。使えたら、精霊ってことじゃない?」

やはり、ユニークスキルの「風精霊」は、しばらく黙ってた方がいいかなぁ。

「ちなみにさ、精霊の力に狙われたら、防ぎようがない?」

「精霊に対抗するなんてありえないけど、強いて言えばその精霊の弱点である、精霊の力で対抗しないとダメなんじゃない?」

「弱点って?」

「魔法と一緒だよ。火魔法を使う魔物は、水魔法に弱いでしょう?水魔法は、風魔法に弱いし。風は雷、雷は土、土は聖、聖は氷、氷は火って感じ。今の私たちは、魔法相手だったら、対抗魔法を全部使えるから問題ないけど、精霊様相手だと、対抗魔法で防ぐだけで精いっぱいじゃないかなぁ。」

「まさか、精霊様と戦うとかじゃないよね?」

「まさか、そんなこと考えてないよ。それだったら、龍に戦いを挑むよ、まだ。」

「龍に戦いを挑むって・・・」

「まあ、リュウくんなら、できそうやけどねぇ。」

「いやいや、龍にも戦いを挑まないって。わざわざこっちから、やばそうなやつ相手にしないって。こっちに手を出してきたら、龍だろうと、精霊だろうと戦うけどさ。」

「いや、普通、逃げるでしょう。」

「まあ、それはいいや、ところで、セシリア、帝国って、精霊の神殿みたいなやつとかあるのか?」

「えっとね、帝国には雷精霊の神殿があるよ帝都の中に。あと、闇精霊の大教会はあるけど、火精霊と闇精霊の神殿は魔族の大陸にあるんだって。後、アルスラン王国には聖精霊の神殿があって、エルフ王国に風精霊の神殿、ドワーフ王国に土精霊の神殿があるんだって。水精霊の神殿は、アルスラン大陸と魔族大陸の間にあって、セーレーン族が守っているらしいけど、行った人はいないと思うよ。後ね、氷精霊の神殿は龍山脈の中にあるって言うことだけど、氷神殿だけはこの大陸には教会もないって。氷魔法は神殿を守護している龍族が氷精霊に加護を願わないから、魔法はないって思われるんだよ。だから、リュウにぃにぃが氷魔法を使えるのはとっても不思議なんだよ。あとね帝国の雷精霊の神殿も大神官が精霊様に願っていたけど、今まで雷魔法を使える人いなかったんだよ。雷って皆知らなかったし、ボクもリュウにぃにぃ達の魔法を見て、きれいだなぁって思ったんだよ。」

「セシリアは詳しいな。」

「精霊物語って本で読んだことあるから。」

まあ行きやすのは、アルスラン王国の聖精霊神殿、帝国の雷精霊神殿、ドワーフ王国の土精霊神殿ってところだろうけど、行ってもその国宝をくれとか行っても無理だろうしな。

「そう言えばさ、セシリア、帝国って国宝とかあるの?」

「帝国の国宝は、国旗にも描かれているけど、ドボルザークの槍だよ。雷精霊神殿に安置されていて、代々の竜人族の大神官が守ってるんだよ。」

となると聖精霊神殿の方は、人族の魂とか言う王祖の竜剣か?まあ、その辺りも情報を集めつつってところだなぁ。

「そうそう、これから先のことなんだけどさ、この世界にある、精霊神殿巡りやらない?」

「「「「「精霊神殿巡り?」」」」」

「そう、世界各地にある、精霊神殿を巡る旅。できれば、馬車というか、ゴーレム車で巡る旅。」

「「「「「ゴーレム車?」」」」」

「自動で動く、キャンピングカー・・・宿付き馬車みたいなもの。ほら、馬車だと皆で一緒におしゃべりできないだろう?それとも馬車がいい?」

「えっとね、ニーナは、リュウ兄と一緒に馬車の操車するの好き。」

「私も、お兄ちゃんと一緒に操車するの好き。」

「じゃあ、馬でも曳けるようなゴーレム車にしようかな。あっ、ゴーレム馬作ればいいか。」

「なんか、すごいな、リュウくん。なんでもありやなー。」

「まあ、使える能力は有効に使わないとね。夜はこっちに戻る感じでもいいし、野宿した場所があれば、そっちでも泊まれるようにするって感じで。折角だし、いろんな街とかみてみたいなぁって思ってね。」

「私は、賛成。っていうか、リュウとならどこでも楽しいし。」

「「「「だね。」」」」

ってことで、今日も湯船ミーティングが終わって、今日は、森の西の探索はせずに、昨日戦闘訓練が出来なかった分、迷宮に潜って、個人の戦闘訓練と、少人数での戦闘連携の訓練をすることになった。で、午後は、各自、自由時間にして旅に出ると研究とか開発とかやりにくくなるから、今の内にやりたいことをやっておくことにした。俺は、ゴーレム車の開発っていうか、構想を練ることにした。馬車の旅を楽しみかつ、快適に過ごせるための車内空間。構想は膨らむ・・・

その日の夕方のお風呂ミーティングの時、この日の戦闘の反省会とか、改善点とかの話が終わって、ふと、

「そう言えば、王国と帝国の戦争ってどうなるんだろう?」

って話が、誰ともなく出た。
本当は、大きな関心ごとなのかもしれないけど、基本、俺達には関係ないしなぁって気持ちがあって、考えてなかった。考えてみれば、帝国の皇帝を殺したり、エルフ王国を廃止させたりしたのが、今回の大戦の間接的な要因とも言えなくもないし、俺に原因がないとも言えないんだよな。
と言っても、国同士の戦いとかに首を突っ込みたくないし、このまましらんぷりしていたい気もするんだけど。

「今回の戦いは、王国、帝国ともに、死力を尽くすような戦いになるんちゃうかな。これまでの3国の均衡、特に帝国の力の源は何代にも渡って帝国に君臨してきた、あの魔族の能力があってのこそだったろうしな。今、新しい皇帝に引き継がれたって言っても、力はないだろうしなぁ。皇帝の強大な求心力で持っていた国だから、それが弱まれば、必然、国力が弱まるだろうしなぁ。」

「まあ、国同士が争うのは、いつの世も繰り返されてることだからなぁ。好きなだけやらせとけば、なるように落ち着くんだろうけどな。俺達の旅の邪魔にならねければ、基本無視ってことでいいんじゃないか?」

「となると、最初の旅は、自由都市連邦の方、リュウ?」

「そのつもり。エルフの国に行ってから、向こうの身分証なり証明書作って貰って、まずは、ドワーフ国の土精霊神殿を目指して、自由都市連邦のいろんな所まわろうかって思ってるけど、マリア達、どこか行きたいところあった?」

「私たちも、ほとんどどこにも行ったことないし、どこへ行きたいってことはないよ。」

「「「「うん。」」」」

今日も、皆心地いい疲れを感じたまま、ぐっすりと眠ってる。俺は、マリアを抱き枕にして、これからの目標と、今後の方針について考えてみた。

1.まずは、各精霊神殿に行ってみる。
現状行けなさそうな神殿もあるけど、少なくとも、土精霊神殿、聖精霊神殿、雷精霊神殿の3つは、早い時期に巡っておきたい。魔族の大陸にあるという火精霊と闇精霊の神殿、それと龍山脈の中にあると言う氷精霊の神殿、あと二つの大陸の間にあるっている水精霊の神殿。この4つは、今のところ行けそうにないなぁ。帝国皇帝だったやつが、魔族の中でどれくらいの強さなのかはわからないけど、少なくとも、こっちの大陸の中で生きている奴の中では、強い方だったろうしな。クラスも「G」だったし。ともかく、各精霊魔法の上位スキルの、各ユニークスキルの獲得を目指す。これが当面の第一目標だな。俺達の安全確保のためには。

2.眷族については、基本不干渉で様子をみる。
マリア達5人とは眷族扱いだけどそれとは別に、ホブゴブリン族と、エルフ族のことだな。俺があまりそれぞれの種族に干渉しない方がいいような気がする。とは言っても、俺の性格上、助けを求められたら、助けちゃうだろうけど、基本路線としては俺の方が、眷族を支配していくことは避ける方向で行きたいと思う。ただ、森のこの家の環境を守っていくためには、魔の森の中に、俺に従ってくれる集団がいてくれた方が、安心ではあるし、リザードマン族などの魔物から進化したと思われる集団がいれば、出来れば眷族化していきたいとは思う。

3.力について。
俺の現在持っている力、スキルは、強大だしおそらくは、そうそう殺されることはないと思う。でも、俺が持っているスキルを他の誰かが持っている、あるいは今後持つ可能性だってある。また、龍山脈には、龍族と言うあきらかに強大な力を持っている生命体がいるし、精霊の力という強大な力が、俺にも使用可能と言うことは、他の何者かが同じように使える可能性もある。ネガティブに考えても仕方ないけど、最悪を想定して、俺やマリア達の力を日々アップさせることは大切だと思う。

基本は、この3つだなぁ。あっ、マリア、綾、ニーナ、舞衣、セシリアの5人を幸せにするって言うのも俺の一番大事な目標であり行動指針だから、4つが基本目標だな。

後は、王国と帝国との戦争のこととか、旅に出るついでに、各地の迷宮探索もついでにやってみるって言うのも、あるけど、それは枝葉の目標だな。

あと忘れてることないっけ?
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