異世界ハーレム漫遊記

けんもも

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第六章 魔物の森の街建設編

ホブゴブリンの村づくり

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翌日、朝からゴーレム馬車の構想に耽っていて、少し考えに詰まったので、気分転換にホブリンの所に飛んでみた。
びっくり仰天。ここどこの村って感じ。
突然現れた俺の前に走ってきて平服するホブリンと剣士ホブゴブリン2人。

住民達はこの前俺が大量に持ってきた中古服を着て、皆で畑の開墾を行っているようだ。住居は、相変わらず雨露をしのぐだけって感じもするけど、住民が揃って同じ作業を行い、畑の広さもかなり広がっている。平服しているホブリン達もさっきまで、住人と一緒に畑作業を行っていたし、住人をきちんと統治しつつ、自分だけ楽をしようとはしていない感じだ。神眼でみると、ホブリンに新しく、「カリスマ」のスキルがでている。

「ホブリン、随分と集落が成長したなぁ。」

「主様の御加護のお陰で、集落が魔物から不意に襲われることがなくなり、住民皆で畑の作業と川での漁が出来ますので。」

「少しは、役に立ててよかった。服も皆に配ったんだな。」

「はい。全員に渡しました。余った物は、共同の倉庫に保管しています。」

倉庫って言ってもなぁって感じだったんで、

「少し、集落の中を見て回るから、俺のことは構わず、自分の作業に戻ってくれ。」

「ありがとうございます。では、失礼します。」

そう言って、ホブリン達が立ち去った後、村の中を見て回った。

基本、ここの住環境って最悪なんだよなぁ。基本的な建物だけ作ってやるか。住民は全員で60人ぐらいみたいだし、集合住宅みたいなやつ4棟ぐらい作れば足りるだろう。あと、集会所と、共同の炊事場を作れば、食事とかいろいろ便利だろうし。ホブリンには、別の家でも建ててた方がいいのか?トイレは水洗が使えないから、取り敢えず各建物にポットン式のを作って、貯めるようにすればいいだろうしな。風呂はどうするか。水は川から持ってくるとして、沸かさないといけないか。木は周囲にたくさんあるし、薪で炊けるようにしとくか。共同風呂を川沿いに作っておくか。

村の中心(?)にある住居(?)、建物(?)は壊すのも悪いので、俺が適当に場所を選んで整地して、サクサク住居を作った。共同住宅は、1棟につき10畳ぐらいの広さの部屋を5つずつと、トイレをつけただけなんで、一番簡単だったけど、ホブリンの家は、住居内にいくつか部屋とか、トイレとか、会議室になる場所とか考えながら作ったんで、結局共同住宅と同じ大きさになってしまった。共同の炊事場は、日本のキャンプ場にあるやつをイメージして作ってみた。竈は10個もあれば、十分でしょう。ついでに、鍋とかも作って置いておいた。

後は、風呂か。川の上流の方がいいか、水の質とか考えたら。転移して周囲を伐採して、新しい壁を作って、集落の壁までつないでっと、男女の区別が外見上もはっきり出てきてるしな、ここは、男女別で作るか?簡単な仕切りだけでいいか。
川に面した場所に大釜を作って、下から薪で炊ける様にして、配管で、熱湯が湯船に流れるようにしとけばいいか。後は、ここに薪小屋を作って、薪は取り敢えず、伐採した木を水抜きして置いておこうっと。炊事場の方にも置いとかないとな薪。
湯船は、そのまま土精霊魔法で、練金して、大理石風呂みたいにして、表面だけざらざらさせとけば、すべらないし、まあ大丈夫だろう。小さいから5、6人ずつしか入れないだろうけど、ホブゴブリンが風呂に入るかどうか知らないしな。

後は、集落の壁とつないだ場所に門をつけて完成。住居から離れているけど、銭湯って思えば悪くないでしょう。

そんなこと思いながら、俺が作った住居群の場所に戻ると、ホブリンをはじめ住民が全員、ポカンとした表情で立っていた。

「ホブリン、取り敢えず、簡単に作ってみたんで、使えそうなら、使ってくれ。住居の数が不足してるなら、今ならすぐ作れるぞ。」

「これは、我々の住居で?失礼しました。主様、これは主様がお作りになられたのですか?」

「まあ、そうだけど。ちゃんと構想を練ってないから、不備があるけど、雨露はしのげるだろう?」

「こんなに立派な場所を・・・」

いろいろ言ってきてるけど、取り敢えず、ホブリン以下住民を引き付れて一通り施設を見せて、特に、トイレに関しては、飲み水や生活水を取る川の上流には絶対に流さないように釘をさしておいた。トイレの糞尿は、最初は、空き地に穴を掘って埋め、一年後ぐらいにそこを畑として再利用するようにし、次の年は、作物を作って収穫が済んだ、畑に穴を掘り、そこに穴を掘って貯めるように言いつけた。
連作を防止するのと、肥料の作成方法の目処が立ち、ここの住民の知的水準がもっと上がるまでの緊急措置だ。将来的には、下水道をきちんと完備した、都市建築を計画的に行う必要があるだろうけど。

最後に共同浴場に連れて行った。ホブゴブリンの習慣には、お湯を沸かしてお風呂に入るというものはなかったようで、川の水で身体を拭く程度だったようだ。一通りお湯の作り方とお風呂の使い方を説明した後、使えるようなら使ってくれと言い残して、そのまま家に戻った。いい気分転換になった。さて、馬車作りしよう。


2日後、馬車の作成も終わり、エルフ王国(今は、エルフ共和国というらしいけど)に全員で転移した。
事前に、エルフ最長老には、自由都市連邦内で通行が自由になる許可証の発行をお願いしておいた。俺がいきなり念話機能を使ってエルフ最長老に話しかけたんで、びっくりしてたみたいだけどね。ついでにエルフ王国に図書館なり、蔵書なりあるなら見せて欲しいとお願いしたら、喜んで見せてくれたので、この2日は、その蔵書のコピーで忙しかったのだ。そのお陰か、俺の並列思考が進化したっぽい感じ。俺の疑問に対するレスポンスがかなり良くなった。今も、エルフの蔵書の知識から、失われた魔法と呼ばれる魔法の構築とか、魔法発動方法として、魔法陣の作成とか出来るようになった。失われた魔法には、俺の持つ空間魔法も含まれていたようだけど、その運用方法と言うか、効率的な魔法の使い方などがわかったことは、メリットが大きい。例えば、「位相空間形成」と言う魔法は、同じ時空間に存在しながら、その範囲だけ、空間を切り離すと言う物で、自分達の空間を切り離しておけば、鉄壁の防御になるし、手に負えない敵を閉じ込めたら、周囲を気にすることなく、全力で殲滅できる。いわば、結界の上位版みたいなものだ。俺はこれを、馬車の内部に魔法陣を作って常時発動させることにした。
魔法陣による魔法の発動は、魔法力のない物であっても、その魔法を使えるようにするもので、ゲームで言えば、魔法のスクロールみたいな使い方ができる。問題は、魔法陣を描く物の素材によって、描ける魔法陣に制限があることで、上位の魔法を発動させるには、それに見合う素材探しが必要と言うことになる。初級魔法なら、大抵の物に描けるから不便はないけどね。
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