異世界ハーレム漫遊記

けんもも

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第六章 魔物の森の街建設編

竜人族の眷族化

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「どうなってる?あれは、勇者たちの仕業なのか?」

「遠目で確認しております。まず、騒ぎの中心は、勇者たち3名で間違いありません。剣勇者が敵司令部に向かっています。あっ、剣勇者がやられました。一閃です。その後消えました。残った、槍勇者と斧勇者も一閃でやられて消えました。こちらの二人は見ていましたが、誰かと打ちあってはいませんでした。何らかの魔法かもしれません。」

「ぐぬぬー。相手の損害はどの程度じゃ。」

「敵士官をかなり仕留めましたが、司令部は無事です。」

「一瞬で消し去る魔法?そんな魔法など聞いたことがないぞ。」

「私もありません。が、我々が勇者召喚を行ったように、王国が古代の魔法を手に入れた可能性も否定はできません。」

「3人の勇者を別々に消し去ったと言うことは、連発可能な魔法と言うことじゃろう。そんな魔法があるのに、ここまで使わなかったのには何か発動に制限があるのかもしれん。いずれにせよ、勇者3人を失ったとすれば、兵力差はいかんともし難い。」

一方、王国側では、

「一体何が起こったのだ。さっきのは、何だ。」

「恐らく、帝国の召喚勇者だと思われます。」

「被害はどれくらいだ。」

「エントマ将軍を初め、中隊長、士官クラスの者が200名ほど討ち死にし、兵の被害は恐らく、2000人ほどになるかと。」

「なt、将軍まで。隊長クラスがやられたとなると、軍の編成は可能か?」

「参謀として進言します。敵勇者3名の内、司令部に攻めてきていた一人は、カルキン中隊長と交戦中に倒され消えました。他2名の勇者も同様に一旦倒れたのちに消えています。カルキン中隊長が切り伏せた感覚はないとのことですが、明らかに迷宮での魔物討伐の際と同じ感じでした。何らかの原因で、召喚が解けたのか、契約なのか解りませんがいずれにせよ勇者は消えたと思われます。それは、帝国側の慌てぶりからも明らかだと。
この期に帝国と停戦の講和を結ぶべきかと思います。指揮官クラスがこれだけ減らされると、軍の編成は可能ですが、最早軍としての攻撃力は望めないかと思われます。」

アンパパ、よく見てるね。俺もここで引いた方がいいと思うよ。

「な、何を弱気なことを。今回の大戦では、帝国の勇者の戦力だけが不確定で、わが方の戦力を上回っておったのだ。それがないなら、一気に叩き潰す好機。すぐに、全軍に進撃の合図を。夜戦に持ち込むぞ。」

「元帥殿、それはお待ち下さい。どうしても攻め込むとしても、せめて、明日までお待ちください。軍の編成と兵達の指揮系統の見直し、何よりも兵の士気が、・・」

「えーい、何を弱気なことを。これだから、軍を離れている文官上がりの参謀は役に立たたん。戦いは時の流れをいかに読むかだ。」

アンパパも苦労するねぇ。まあ軍の偉いさんってこんなもんだけどな。
帝国の方も、こっちの動きを読んで、夜戦の準備してるしな。
俺は、この間に、帝城にいる最後のゲス野郎を始末しとくか。あいつだけ残しといたら、皆にとって不幸になりそうだし。

マリアに今日は遅くなりそうって念話連絡して、帝城のゲス野郎の部屋に飛んだ。
ゲス野郎がいないぞ、どこに行った?帝城内を探すと、いない。丞相の部屋に行くと、状況が分かった。ゲス野郎、雷精霊神殿に押し入っているそうだ。なるほど、開戦して、雷精霊神殿の警備が手薄になった時を狙うって計画だったのか。丞相も、半ば黙認しているようだ。神器と呼ばれる、雷槍を手に入れるチャンスと思ったのかもしれないな。案外、裏で糸を引いてるのは、この丞相かもしれないな。そうじゃなければ、もう一人のゲスが雷精霊神殿に神器があるとか知ってるわけないしな。

ともかく、神覚の領域を広げて、魔力貯まりの大きい場所を探してみた。見つけた。おっと、端の方に反応しているのは迷宮か。こっちもチェック入れとこう。今度皆で迷宮ツアーでもやるか。
って考えてる場合じゃないか、雷精霊神殿の上空に転移すると、ひどい有様だった。
ゲス野郎、体術だけじゃなかったのか?手にカイザーナックルだけじゃなくて、足の先とか、肘や膝にも武装した装備をつけて、無双してるな。取り敢えず、直接見に行くか。
神殿内部に転送すると、竜人族の兵士や神官に取り囲まれるようにして、ゲス野郎が戦っている。通ってきた道には、何人もの屍が転がってるし。
で、スキルのレベル的に見て、こいつらやられたら後がないだろうって、3人と対峙してるけど、ゲスの方が優勢かな。3人はうまく連携して、後方から魔法の支援を受けてるみたいだけどね。

「ふ、ふ、ふ。こいつはたまんねぇな。何人、殺したか解んなくなったぜ。セックスより気持ちいぞこれは。俺は無敵だ。ジョーが手こずったって聞いたから、どんだけって思ったけど、大した事ねえな。俺の方が強くね?」

ゲス野郎は、日本語で喚きながら戦ってるし、余裕だなこれは。
あっと、3人が倒れた。神官たちも諦めた感ありありだな。
ゲス野郎は悠然と、雷槍の元に進んでる。

「おい、ゲス。汚ねえ手で、触るんじゃねえ。」

俺は、竜人族がゲスの相手を諦めたようなので、ゲスと雷槍の間に入って姿を現し、日本語で言い放った。

「て、てめえ、何者だ。」

「そんなこと知る必要はない。」

俺はそう言って、ゲスにサンダーボルトを軽くぶっ放して、痺れさせた。
こいつには、生きたままカリー達の痛みを経験して貰わないといけない。
ゲスのスキル拳足聖と敏捷値だけ吸い取った。
ゆっくりと歩み寄って、まずはカリーの分として、ゲスを腹パンチ。
吹っ飛んで行ったゲスをゆっくりと追いかけて、蹴り。パンチ。一つずつ丁寧に見舞ってやった。

「だ、だすけてぐれ。お前も、俺と同じ、日本人だろう。」

「同じ?違うな。お前ら4人と一緒にするな。お前も、さっさと後の3人と同じように消えろ。ゲス野郎が。」

俺は、ゲスが、十分に痛み苦しむのを待ってから、全部の能力値を吸収して、最後に顔を踏みつけてHPを0にして、そのままアイテムボックスに収納した。

俺の周りには、神官たちが平服している。
まあ、こいつらを救った訳じゃないんだけど、結果的に救ってやったんで感謝してるのか。

「雷精霊の御使い様でございますか?」

神眼でみると、この神殿の教皇みたいだ。竜人族だな。

「ん?俺は、御使いとかじゃないぞ。このゲス野郎を討伐しに来ただけだ。残りの3人のゲスを始末することになったんで、ついでにな。」

「おー、では、あの槍使いも討伐して頂いたのですか?」

「あー?槍勇者とか呼ばれてたゲスか?あいつなら始末したぞ、王国の俺の知り合いを襲おうとしてたからな。」

「で、では御使い様は王国の御味方をされておられるのでしょうか?」

「いやしてねえよ。俺には、王国も帝国も関係ないしな。戦争するなら好きにやってくれ。俺は、俺の知っているやつに手を出すやつを許さないだけだ。
ところで、なんで、お前達はそうやって俺に平服してるんだ。俺は、別にお前たちを救いに来たわけじゃないぞ。」

「わかっております。ただ、あなた様が先ほど使われた魔法は、雷魔法でございますね。私たちも何代にもわたって、雷精霊様に御加護を頂ける様に祈りを捧げておりますが、これまでに、雷魔法の御加護を受けた者はおりません。私たち、竜人族が龍族より生まれて守護を任された「ドボルザーク雷槍」には、「雷精霊の加護を受け、眩い光を放つ者が、槍を手にする時、その身は黄金の衣を身に纏い、竜人族を導くであろう。」という言い伝えも一緒に託されておるのでございます。雷魔法を発動できるあなたさまこそ、御使い様に間違いはないと。是非、あちらのドボルザーク雷槍を手にお取り下さい。」

「まあ、そこまで言うなら、手にするだけな。俺ももう一度戦場に戻らないと行けないから、忙しいんだよ。」

そう言って、俺が雷槍を手に取ると、俺の周りに雷がまとわりつき、

「条件が整いましたので、「雷精霊魔法」が、ユニークスキル「雷精霊」に変わりました。」

ん。一応、今回はもしかしたらって気はしてたんだよ。心の準備もしていた。でも、今そうなるのか。この後の展開も予想できるぞ。

「おー。お御使い様。顕現して頂き、ありがとうございます。ありがとうございます。竜人族をどうぞお導き下さいませ。」

「いやー、俺そう言うのあんまり興味ないからな。ほら、竜人族って、俺あんまり知らないし。」

「これから、我らのことを全てお知り下さいませ。我らの魂をお御使い様に捧げいたします。」

困ったなーとは思ったけど、エルフで免疫ついてるし、心の準備もしてたんで、

「まあ、取り敢えずは、現状維持ってことで。しばらくは今まで通り生活しといてくれ。ところで、この槍はどうする?丞相が狙ってるようだけど。今回のゲスも前の槍ゲスも、丞相が裏で指示して、この槍を手に入れようとしてるっぽいぞ。」

「な、真ですか。なるほど、それで全てのことが合点がいきました。この度の王国との戦争に、我々竜人族の、主要な戦士は全員、駆り出されました。従わぬ場合には、雷精霊神殿の寄付をすべて取り消すと言われて。全てが、丞相の罠だったのですね。」

「まあ、その辺りは解らないけど、ともかく、この槍を狙ってるのは確かだけど、どうする?安全な場所があるなら、そっちに移した方がいいんじゃない?」

「お御使い様、ドボルザークの雷槍は、我ら竜人族の魂でございます。その槍は、是非、お御使い様がお持ち下さいませ。」

「まあ、それでいいなら、取り敢えず、俺が持ってるけど。」

わお、竜人族が俺の眷族に入ってるな。この教皇ってやつが竜人族の代表だったのか。それとも、この槍を正式に受け取ったからか。まあ、眷族なら仕方ないな。ゲス勇者に殺されたやつらからさっき奪った能力値を返してっと、

「じゃあ、取り敢えず、このゲスにやられた奴らを復活させておくから、後はしっかり自分達で守ってね。念のために俺が結界を張っておくから、あんたの許可するやる以外は、この結界に入れないようにしとく。」

結構な数がいたけど、全員を復活の魔法で蘇らせて、そのまま、戦場に飛んだ。
その後、教皇以下、神殿中が大パニックになったようだけど、戦争が終わるころには落ちついてるだろう。あとで、様子を見に行くか。
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