異世界ハーレム漫遊記

けんもも

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第六章 魔物の森の街建設編

開戦当日

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翌日、朝日が昇る前に目が覚めた。マリアもすっきりした顔をして俺を見ているし。いつものようにたっぷりと朝の御挨拶をしていたら、綾と舞衣に同時に朝の挨拶攻めを敢行されたので、揃って撃沈させてあげた。二人満足そうにまどろんでる。ニーナとセシリアも目覚めたので、軽く二人と挨拶をして、そのまま皆でお風呂に行ったら、隣の8人全員起き出したようだ。俺達が湯船に使ってゆっくりしていたら、最初、キッチンに行くかどうするか迷ったみたいだけど、結局皆で、お風呂場の前で整列して待つことにしたようだ。
お風呂の中の皆もそれに気がついた様で、昨夜話したように、早速それぞれの担当に振り分けて行動させるために、マリア達が先にお風呂を上がって、それぞれの担当の娘を引き連れて散ったようだ。
最後に俺がお風呂から出て、ダイニングに行くと朝食の準備を終えた皆が待っていた。

「おはよう。みんな眠れたか?昨日は大変だったけど、今日からは俺が皆の保護者だから安心してね。まずは、こう言う生活に慣れた方が良いだろうから、皆を俺の妻達それぞれに分けさせて貰った。班わけで担当を変えて欲しいとか、何か意見があれば言ってね。」

俺がノクターン語で話しているのを、言葉が少し不自由な娘を担当しているマリアたちが、それぞれの言語で同時通訳してくれた。

「不満はないようだから、しばらくこの形でやってみよう。まずは、皆にとって一番大切なことは、体力をつけ元気になることだからね。ご飯をたくさん食べるのも与えられた仕事だと思って、たっぷり食べてね。足りなかったら遠慮しなくていいからね。」

そう言って、全員でテーブルを囲んで、朝ごはんを食べた。今日のメニューはソーセージとスクランブルエッグの大皿盛りと、サラダ、果物と、牛乳だ。パンはロールパンと、フランスパンを用意してる。人数が多くなったので、今日はそれぞれ手分けして、料理のストックを作るのだろう。その辺りはマリアに任せておけば心配ない。

食事が終わって、俺は玄関から出てそのまま戦場の上空に転移した。肉眼では解らないとは思うけど、念のため隠蔽と気配遮断しながら上空待機。
上空から見ると、双方の陣容は壮観だ。全部で何万人集まっているんだろう?十万は越えてるな多分。こんな大人数見たことって、日本のコンサート会場でもないかな。コミケの時に人酔いしたけど、あの時は、前と後ろからの狭い範囲でしか人を見れなかったしな。野球観戦の時のドーム一杯が4万ちょっとだっけ。まあ、それよりは、はるかに多い。
帝国側の陣容を神覚でチェックしてみると、ゲス3人は、昨日は3方向分かれて単独で行かせるって話だったけど、今は、3人が纏まって、中央の一番前にいる。その後ろに回復役の魔法師が5人とその5人を守るための盾を持った竜人族の戦士が10人。あー確かに、あいつら自分で回復魔法使えなかったな。ポーション切れとか、飲めなかった場合を考えての布陣なのかな。で守ってる竜人族の会話を聞いてると、こいつらは不満そうだ。特に槍勇者に対して、敵意丸出しだな。あー、神殿に盗みに入って竜人族を一人殺してたっけ、称号も竜人族の敵がついてたしな。本当は結果的にこいつらを守ることになるこの作戦に参加したくなかったんだろうな。
ゲス達3人は、相変わらず、ゲスい会話をしている。どっちが多く殺すか競争だとか、ほんとゲス。流れ矢にでも当たって死ねばいいのに。

始まりは、帝国側から、陣のあちこちで吹きならされる笛の音だ。先頭を走るのはゲスの3人。追いかける魔法師を後ろに乗せた竜人族の馬が大変そうだ。まあ、竜人族も、ゲス達を矢から守るつもりはないようだ。乗ってる馬は鉄の鎧みたいなやつで覆われてるし、馬も大変だな、あれだけの重量を持って走らされて。

そんなことを考えてたら、王国側が綺麗にタイミングを合わせて、一斉に弓矢を放った。俺の下の地面が横に黒い線が描かれたようになり、帝国側の先頭集団に襲いかかる。しかし、その前に、綺麗に長い盾が空の方を一斉に向いて矢をはじき返し、豪の先頭集団は、矢を自分の槍さばきではじき返しながら、さらに馬を加速させていく。
王国側の第二射。それと同時に、弓兵は一斉に後方に下がり、今度は長槍をもった一団が前に槍を突き出したまま、分厚い壁を作る。二射目の弓矢をはじき返した帝国は、若干数を減らしつつも、槍の壁に向かって果敢に突撃、一瞬膠着するかに見えたけど、槍壁の一部が決壊すると、それを引き金に、全体が破壊され、その後は、双方入り乱れての戦いに移った。
今回、初戦で出てきているのは、双方ともに、全軍の半分ぐらいだ。指令軍みたいなやつらは双方の丘の上から、戦況を眺めてる感じ。
もう少し、陣形とか、戦略とかないのって感じだ。力押しで決まるとか、どんだけ古いんだよって感じだけど。まあ、初撃だからそうなのかもしれないね。
で、ゲス野郎達は、まあ、正に阿修羅のごとくって感じだな。どんだけ体力あるんだあいつら。MP減少がない分、MPが減った時に感じる倦怠感を感じなくて済むから有利なのかな。HPだけ常に満タンにしとけばいいしね。まあ、これだけ混戦だと魔法を使えないしな。物理攻撃特化でいいのかも。
おー守ってる竜人族の強さも半端ないな。神眼でみても、その能力値が際立ってるな。棒術のスキルもLV3だしな。単独でも結構強いなあれは。確かに、魔法師の護衛だけやらせておくには勿体ない戦力だ。一角の武人なのかもしれない。
ともかく、ゲス野郎達は、接した周りの王国の兵士たちを軒並み屠っていて、今は、中央部の一番最後を抜いてしまいそうだ。このまま抜けたらやばいんじゃないの。多分、あいつらのことだから、本陣までそのまま突っ込みそうだけどな。流石にそこは自重して、出てきた5万の相手だけ考えるか。下手したら挟み撃ちだしな。
おっと抜けた。わおー、後ろから、襲いかかってるな。これは、王国軍の士気がガタ落ちするんじゃないか。王国軍も左翼では、押してるしな。帝国もこっちを抜かれるとやばい状態ではあるけど。まあ、ゲス達のいた中央軍がほぼ無傷でいるのが大きいな。そのまま、右翼と左翼に分かれて、横から潰しにかかってる。
いやー、そう言う俺も酷いとは思う。こうして双方の状況を観察しながら、双方の死体から、能力値とスキルを全部吸い取ってるし。アナウンスをOFFにしてるから、声が響かないけど、ONにしてたら、頭の中変になってたと思う。どのみちスキルは大したものは得られないと思うけどね。能力値は、どんだけ上がるんだって感じで上がってる。
戦端が開かれて、かれこれ3時間、戦い続けてるけど、双方大丈夫なのって感じ。
若干疲労の色は出てきているようだけど、ゲス3人は、衰え知らずで、切りまくり、潰しまくりって感じだな。偉い奴倒したら、み徴とかいって、敵将の首とか切り取りそうだけど、そんなこと一切せずに、ひたすら切りまくってるな。
人が多い所に飛んで行って、一閃する。また飛んで行って一閃するって感じ。敵もこいつらを囲む前に、突然竜巻のようにやってきて、薙ぎ払われていくって感じだから、中にいる奴らは、状況が解ってないんじゃないかなぁ。そろそろ撤退させた方がいいんじゃないか、指揮官全滅しちゃうぞ。

やがて、双方から撤退の笛が鳴らされ、双方の陣に引いていく。ゲス達は、どうするかみていたら、おとなしく自陣に戻って行った。
今日は、これで終わるんだろうか。帝国の方はやる気満々に見えるけど。次の陣をしっかり整えてるし。まあ、初戦は帝国軍の勝利だな確かに。
司令部の話を聞いてると、どうやら、今日もう一度交えるようだ。帝国側は、このまま押しつぶすつもりで、王国側はこのままでは、全軍の士気が下がるので、次は勝っておきたいって理由から。
あれ?王国軍の司令部に、アンパパがいる。代官だったんじゃないのアンパパ。何でまた戦場なんかにいるんだろう?参謀とか呼ばれてるし。もしかして、作戦立案役?アンも来てるとかないよね、こんな場所に。アンパパも知恵はあるけど、アンの方が何倍も知恵が回るしね。まあ、一番後ろの司令部だし、安全だろうけど、一応気にとめておこう。

1時間ほどしてから、本日の二戦目が開始された。2戦目は、初戦とは打って変わって、陣形での勝負みたいだ。帝国軍の約1万ぐらいの軍が2つ陣形を保ったまま進んでいき、それに対して、王国側も2つの部隊が迎え撃つ感じ。
双方ともさっきの初戦で3万ぐらいの損失を出してるけどね。けが人入れたら結構な数になると思おうけど。回復魔法を使っても追いつかないぐらいの怪我人と重症度だしな。

王国側は、帝国側の槍騎士部隊を魔法で迎え撃つようだ。一斉に地面に水魔法をぶっ放した後、足を取られて落馬する騎士たちにすかさず火魔法を一斉にぶっ放し、ついでに空が黒くなるぐらいの弓矢の一斉射撃。帝国軍の一軍はこれでほぼ壊滅状態。もう一方は、歩兵を中心とした軍だったので、こっちは、王国軍も、魔法、弓、槍と使って、兵を削ぎなが乱戦に持ち込んだ。

で、帝国のゲス3人はどこにいるのかと言えば、歩兵部隊の一部に混ざってる。今回は回復役を連れてないけど、大丈夫なのだろうか。あー、帝国の司令官が怒ってる。無断で戦闘に加わったみたいだな。今さら、回復役だけ送る訳にはいかないし、諦めてたようだ。
ゲス3人衆は、歩兵部隊相手に、無双状態。いや、まて、こいつら、わざと王国の兵士を誘導してる感じだぞ。王国の兵士を後ろに追い込んで、本隊に逃げ戻れるように誘導してる?こいつら、そのまま本隊を狙うつもりじゃないか、敵が逃げるのに便乗して、自分達も本陣に突っ込むとか。羊を囲いに追い込む牧羊犬みたいな感じだな。軍の端から端へと、高速で移動しながら、うまく誘導してるな。日本でも似たようなことやってたんだろうか。連携がうまい。

もう一方の方は、粗方終了してる。死体からは俺がおいしく能力値を頂いた。この場合、こっちの軍が、もう一方に加勢するとかあるのかな?あー行きそうだけど、ここで撤退の合図。拙いんじゃない。ここで全軍撤退だと、歩兵の方も撤退するんでしょう。
ほら、ついて行ってる。気がついてないみたいだ。ゲス野郎は3人ばらばらだしな。逃げる時に攻撃をしてないから、味方だと思われても仕方ないか。自軍についたら気がつかれるだろうけど。

帝国軍の方も、こいつらがついて行ったとは思ってないみたいだな。それぞれ撤退の方に気が向いてる。

わおーやばい。2人が陽動で、赤髪の一人が、そのまま司令部の方に進んでいるぞ。あっ、気がつかれた。帝国の方もこの異変に気付いたようだけど何が起きてるか正確には把握できてないみたい。
やばいね、こいつら。不意をついたら無双だなホント。冷静に囲んで魔法をぶっ放せば簡単なんだろうけど、こんなのが急に目の前に現れたら、それどころじゃないか。雑兵だけじゃなく、士官級の兵もどんどんやられてる。魔法職の奴が魔法を放つけど、そっちを優先して始末してるから、なかなか効果的なダメージを与えられないな。
赤髪のゲスもやはり、強いな。回復薬を飲ませないようにしてるけど、テントや、道具を使って、徐々に状況を有利にしている。アンパパ、そこで何でテントから出てくるの。剣術は大したことないんだから、一番奥でじっとしてればいいのに。
全くもう、アンパパを死なせるわけにはいかない。風呂好きの同志仲間だからな。アンの家のお風呂どうなってるかなぁ。
よしっと、サクッと能力吸収、で、はい死亡っと。こいつはそのまま消えて貰おう、アイテムボックスにそのまま収納っと。周りのみんなはポカンとしてるけどね。俺に姿も気配もしないから、迷宮みたいに急に死体が消えたように見えたでしょう。召喚勇者だからってことで納得してもらおう。
と、残り二人も悪いけど能力吸収、はい死亡っと。死体は両方ともアイテムボックスに収納。死体を入れても、アイテムの仕分けが働くのか。便利と言えば便利か。仕分けYESっと。
はいはい。皆さん、ポカンとしてるけど、早く立ち直ってね。帝国の方もこの騒ぎに気付いた感じだよ。
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