異世界ハーレム漫遊記

けんもも

文字の大きさ
103 / 107
第七章 魔大陸編

龍山脈の塔

しおりを挟む
一瞬、慌てたけど、この大陸内での転移は問題なかった。つまり元の大陸に戻ることが出来ないってことなのか?俺は問題なく出来たけどな。

「取り敢えず、みんな俺に捕まって、一旦戻ろう。」

そう言って、皆で固まって転移し、森の家に戻った。


「お兄ちゃん、これはどう言うこと?」

「うん、あっちの大陸へは、俺の転移魔法でしか行き来できないってことだろうな。何が問題なのか。」

「魔法が働かないってことはないしな。うちらも向こうで普通につこうてたし、転移もできとったしな。」

「大陸間の魔法が阻害されてるってことかな。」

「それなら俺だけ行き来できるのは変だしな。何らかの別の理由がある筈だよな。」

「普通に使ってるから何にも感じなくなってるけど、転移魔法って本来凄い魔法だからね。リュウにぃにぃがいるから使えてるだけで。」

「ともかく、風呂に入ろう。まずは頭を休めてから、検討しよう。」

それから湯船に浸かって、気分が落ち着いたら、魔大陸へは自分達だけで行くことないし、俺と行くんだから問題ないんじゃないって話に落ち着いた。実際そうなんだけど、俺としてはその原因が何かを確かめておくべきかなぁーって考えてた。
頭の中で並行思考に尋ねたけど、奥歯に何か挟まった感じだ。

「多分、あの龍山脈の結界の所為だと思うけどどうだ?そもそも山脈全体に結界を維持しているってところが変なんだよな。それだけの魔力なり、力があるんだったら、最初からこの大陸から分離しとけばいい訳だしな。こっちの大陸と魔大陸を繋いでいるあの場所に何かあるんだな、絶対に俺達に触れさせたくない物が。龍族って言うのが他の種族の上にいて、更にその上に龍神がいる訳だけど、それでも精霊よりした。亜人である俺からすれば遥か格下ってことになるよな。俺があそこに乗り込んでも問題ないんじゃない?」

俺は並行思考に言い聞かせるつもりで頭の中でこんな感じで考えた。すると聞いたことのない声で、日本語で念話が入った。綾や舞衣じゃないことは確かだ。二人はジャグジーに入って寛いでる。俺は声を出しそうになったけど、この念話の指示に従うことにした。


「俺は先に上がるな。各神殿を見てくるからな。帰りアンの所に寄ってくるかもしれない。」

そう言い残して着替えを済ませて、龍山脈に向かって転移した。転移ポイントは念話の時に情報を受け取った。どう言う仕組みか解らないけど、神覚に反映され転移ポイントになったみたいだ。


そこは小さな体育館ほどのドームの中だった。内装は芸術の粋を集めた様な精細な細工が施され、ドーム自体が一つの巨大な名画のように調和がとれた素晴らしいところだった。俺が転移した時にドームの中には100名ほどの少女が片膝をついて並んでいた。俺は、このある種異様な雰囲気を見て、フル回転で頭を働かせていたけど、先に先頭に座っていた少女が口を開く、

「ようこそおいで頂きました。マイマスター。」

「マスター?」

「はい、先ほどルームより指示がありました。マスターをお迎えするようにと。」

「うーん、事情がよくわからないけど、どう言うこと?君達が龍族だよね。他の人は?」

「龍族は我らのみでございます。テンバの民はこちらにはおりませんので。」

「よし、そこは置いといて、それで君達に指示を出したルームさん?って人はどこ?」

「申し訳ございません。ルームは人ではないのですが、我らの主の塔にあります。」

「了解。じゃあ、その主の塔へは案内してもらえるかな?」

「はい。我らは塔の結界内に入ることはできまでんが、ご案内するようにと指示されています。私におつかまり下さい。」

綾や舞衣とは違う、日本人的美少女だなーって思いながら、失礼にないように差し出された手の上に俺の手を置い瞬間、塔の前に転移した。厳重な多重結界が張られている。位相空間魔法も掛けられてるけど、凄い重要な建物なんだろうか。

「それでは、私はここで失礼いたします。」

そう言い残して龍族のサクラと言う美少女が転移して行った。入り口がないけど、どうするのって感じだけどね。と言うか、この塔、この世界の物じゃないよな。光学迷彩とかいろいろ隠蔽しまくりだけど、その構造も材質も、地球の物ですらない超高度な文明の物って感じがするけど。

神覚で最大限の警戒をしながら塔の周囲を周ったけど入り口らしき場所はなかった。これって、どうすんの?って並行思考に聞いてみたら、認証するらしい。よくわからないけど、塔の壁に手を当てると、頭の中で声が聞こえた。

「認証しました。塔への入館可能クラスです。」

ぽっかり空いた壁の中に入ると、塔の周囲をぐるっと回るような廊下が続いている。多分中心部にエレベーターなり移動手段がある筈。なかの壁に手を触れるとまた壁がぽっかりと口を開けた。なかに入ると、今度は人が数人しか入れない感じの小部屋だ。周囲の壁をペタペタやってると、コンソールパネルみたいな物が浮かび上がってきた。見たことない文字らしきものだけど、自動翻訳で瞬時に認識して、コントロールルームと言う場所を選択した。エレベーターが移動する様な軽い浮遊感があり、すぐに目の前の壁が開く。
今度はだだっ広い部屋の中に、床から突き出た様なパネルが2つだけあったので、そのうち一つに近づき再度、認証させた。

「認証を確認しました。クラスB。当施設の使用権限許可クラスです。」

「前任者より高位クラスとなりますので、当惑星における司令官権限が譲渡されました。」

前任者?俺は龍族の少女達の名前を見てある結論に達していた、つまりここには日本人が来ていたんじゃないかということだ。俺に日本語を話したと言うより、ごく普通に日本語を話していたし。

「前任者の名前は?」

「前任者は、タクヤ・リュウザキ、クラスDです。」

な、タクヤ・リュウザキだと。マジか。そんな偶然あるのか?

「前任者はもういないのか?」

「前任者の直接指令がなくなり、当惑星時間で9633年5ヶ月と3日12時間22分が経過しています。」

9993年?嘘だろう?なんでそんなことになってるんだ?取り敢えず、この状況の確認だな。

「まず前任者の指示内容と、記録があるなら見せて欲しい。」

「承認しました。前任者からの指示で前任者の記録を見たいと言う指示があった場合に、こちらを渡すように指示されていますが、如何しますか?前任者の指示内容は全てリセット可能です。」

「いやリセットしなくていい。変更のある場合は個別に変更の指示を出す。あとこの施設はどうやって稼働している?」

「前任者が構築した魔力還流システムによって当惑星の全ての施設は稼働しています。現在魔力残量は32%です。」

「魔力の補充は還流システムのみ?」

「こちらより、惑星内全施設への魔力供給が可能です。」

パネルの横に取っ手みたいなものが出てきたので掴んで魔力を流してみた。
ごそっと抜けた感じがするけど、数十万MPぐらい持って行かれたようだ。

「魔力の補給が完了しました。全施設の魔力残量が100%となります。」
しおりを挟む
感想 27

あなたにおすすめの小説

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

身寄りのない少女を引き取ったら有能すぎて困る(困らない)

長根 志遥
ファンタジー
命令を受けて自らを暗殺に来た、身寄りのない不思議な少女エミリスを引き取ることにした伯爵家四男のアティアス。 彼女は彼と旅に出るため魔法の練習を始めると、才能を一気に開花させる。 他人と違う容姿と、底なしの胃袋、そして絶大な魔力。メイドだった彼女は家事も万能。 超有能物件に見えて、実は時々へっぽこな彼女は、様々な事件に巻き込まれつつも彼の役に立とうと奮闘する。 そして、伯爵家領地を巡る争いの果てに、彼女は自分が何者なのかを知る――。 ◆ 「……って、そんなに堅苦しく書いても誰も読んでくれませんよ? アティアス様ー」 「あらすじってそういうもんだろ?」 「ダメです! ここはもっとシンプルに書かないと本編を読んでくれません!」 「じゃあ、エミーならどんな感じで書くんだ?」 「……そうですねぇ。これはアティアス様が私とイチャイチャしながら、事件を強引に力で解決していくってお話ですよ、みなさん」 「ストレートすぎだろ、それ……」 「分かりやすくていいじゃないですかー。不幸な生い立ちの私が幸せになるところを、是非是非読んでみてくださいね(はーと)」 ◆HOTランキング最高2位、お気に入り1400↑ ありがとうございます!

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

異世界あるある 転生物語  たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?

よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する! 土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。 自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。 『あ、やべ!』 そして・・・・ 【あれ?ここは何処だ?】 気が付けば真っ白な世界。 気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ? ・・・・ ・・・ ・・ ・ 【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】 こうして剛史は新た生を異世界で受けた。 そして何も思い出す事なく10歳に。 そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。 スキルによって一生が決まるからだ。 最低1、最高でも10。平均すると概ね5。 そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。 しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。 そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。 追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。 だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。 『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』 不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。 そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。 その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。 前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。 但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。 転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。 これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな? 何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが? 俺は農家の4男だぞ?

男:女=1:10000の世界に来た記憶が無いけど生きる俺

マオセン
ファンタジー
突然公園で目覚めた青年「優心」は身辺状況の記憶をすべて忘れていた。分かるのは自分の名前と剣道の経験、常識くらいだった。 その公園を通りすがった「七瀬 椿」に話しかけてからこの物語は幕を開ける。 彼は何も記憶が無い状態で男女比が圧倒的な世界を生き抜けることができるのか。 そして....彼の身体は大丈夫なのか!?

処理中です...