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第1章 異世界転生編
7. 術式学
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一年生は必須科目が多い。
その中で最も人気な科目が詠唱学であり、最も不人気な科目が術式学だと言われている。
これには魔法使いの性質が大きく影響していると思われる。
魔法使いの多くは理論的に考えるのが苦手だ。
なぜなら、詠唱によって魔法を使えてしまうからだ。
術式の基礎知識を覚えるよりも、詠唱を覚えて感覚的に魔法を使ったほうが性に合ってるのだろう。
だけど俺は違う。
前世では理系の大学に行っていたこともあり、理論的なことを考えるのは得意なほうだ。
それに術式学は無詠唱魔法に通じてるところがある。
ただ、そんな俺でも術式学の講義はあまり受けたいとは思わない。
先生が厳しいからだ。
30代前半の美人なんだけど目つきが怖い。
キレイな女性だから余計怖いんだよな。
ちなみにアランが最も嫌っていた先生の一人だ。
他の先生と違って、術式学の先生はアランにも厳しく当たってくる。
才能がなければ容赦なく無能と言ってくるし。
そのせいで、アランは術式学の授業をほとんどサボっていた。
しかし、授業をサボりすぎると単位が取れなくなる。
あと一回でもサボると不可になって留年になってしまうところで、俺へとバトンタッチされた。
ちなみに俺がアランの体に入ってから、今日が初めて術式学の講義となる。
「今日はフォード家の落ちこぼれが授業に参加しているようだな。珍しいこともあるものだ」
先生がさっそく俺をいじってきた。
やっぱり苦手だ。
そういうことをいちいち言わなくてもいいと思う。
さっそく講義が始まった。
この先生、性格は嫌いなんだけど説明は上手いんだよな。
魔法学園では感覚的に説明する先生が多いけど、この人はちゃんと理論立てて説明してくれる。
「ではここで問題だ」
うわっ。来やがった。
この先生の一番嫌なところは、こうやって質問をしてくるところだ。
それも授業中に何度も。
別に質問されるだけならいいが、質問の内容が厭味ったらしい。
明らかに今のレベルを超えている質問をしてくる。
ときには二年生で習うような質問もしてくる。
予習をしていないと絶対にわからないような問題を出しておいて、答えられなかったら「勉強不足だ」と馬鹿にしてくる。
今日はどんな質問だ? と身構えてると先生が口を開いた。
「魔法と魔術の違いを述べよ」
うわ~、意地悪な質問が来たよ。
これ絶対引っ掛け問題じゃん。
ジャンがパッと手を上げて自信ありげに答える。
「魔法は術式が必要なく、魔術は術式が必要なことです」
クラスメイトも、うんうん、と頷いているようだ。
しかし先生はその問いに満足しなかったのか、教室の右から左へと目を走らせた。
すると俺と目が合う。
「アラン。貴様の考えはどうだ?」
え?
なんで俺に振ってくる?
やめてよ、そういうの。
「なぜ黙っている? 貴様もジャンと同じ考えなのか?」
先生の圧がすごい。
この人、マジで怖いな。
そんなに睨んでたら美人が台無しだよ?
はあ、仕方ない。
答えるか。
「違います」
教室がざわめく。
先生が興味深そうに俺を見てきた。
「ほぅ。では貴様の考えはどうだ?」
「まず先生の質問自体が間違っています」
先生の眉がピクッと動く。
「面白いことを言う。では何が間違っていると言うのだね?」
この先生は本当に意地が悪いと思った。
俺は静かに息を吸ってから答える。
「『魔法と魔術の違いを述べよ』という質問ですと、魔法と魔術が同列に扱われています」
「なにが言いたい?」
「そもそも魔術は魔法の中の一つの手法に過ぎません。魔術を詠唱魔法や精霊魔法と比較するならわかりますが」
この人はマジで意地が悪い。
おそらく多くの生徒は魔法と魔術を別物だと認識している。
だから、ジャンのような答えに行き着くわけだ。
これは学園の生徒が魔術に対して、あまり感心を抱いていないせいでもある。
とくに一年生は魔術を苦手としている生徒が多い。
そのため、魔術が魔法とは違うものという誤解が生まれてしまっている。
最初の授業でちゃんと説明をしてくれればいいのに、三ヶ月も経った今になって、基本的なことを質問してくるから、本当にたちが悪い。
術式学に興味がない生徒たちへのあてつけか?
それくらいは自分で勉強しとけよ、ってことなのか?
まあ、そもそも魔術の正式名称は魔法術式であり、その名前から魔法の一部であることがわかるはずなんだけどね。
「良い答えだ」
先生が満足そうに答える。
「ではもう一つ質問しよう。魔術と魔法陣の違いを答えよ」
「それもさっきと同じ答えになります。魔術の中の一つの手法に魔法陣があるため、同列に扱うこと自体が間違っています。質問があまり正しくありません」
「で、あろうな」
先生の満足のいく答えだったようだ。
自信満々に答えてみたけど、実は内心ヒヤヒヤしていた。
最近ちょうど図書館で勉強してきた内容だったから、上手く答えられただけだ。
無詠唱魔法を極めるにあたって魔法陣のことを知る必要があるからな。
その後、なぜか先生は何度も俺に質問してきた。
これなんかの嫌がらせ?
質問されるたびにビクビクするんだけど。
まあ、先生やクラスメイトからの評価が上がったようで、これはこれで良かったのかもしれん。
授業が終わると、クラリスが「凄い! あんなのよくわかったね!」と褒めてくれた。
うむ、くるしゅうない。
ジャンが悔しそうに俺を見てたから、ジャンからの評価は下がったかもしれん。
その中で最も人気な科目が詠唱学であり、最も不人気な科目が術式学だと言われている。
これには魔法使いの性質が大きく影響していると思われる。
魔法使いの多くは理論的に考えるのが苦手だ。
なぜなら、詠唱によって魔法を使えてしまうからだ。
術式の基礎知識を覚えるよりも、詠唱を覚えて感覚的に魔法を使ったほうが性に合ってるのだろう。
だけど俺は違う。
前世では理系の大学に行っていたこともあり、理論的なことを考えるのは得意なほうだ。
それに術式学は無詠唱魔法に通じてるところがある。
ただ、そんな俺でも術式学の講義はあまり受けたいとは思わない。
先生が厳しいからだ。
30代前半の美人なんだけど目つきが怖い。
キレイな女性だから余計怖いんだよな。
ちなみにアランが最も嫌っていた先生の一人だ。
他の先生と違って、術式学の先生はアランにも厳しく当たってくる。
才能がなければ容赦なく無能と言ってくるし。
そのせいで、アランは術式学の授業をほとんどサボっていた。
しかし、授業をサボりすぎると単位が取れなくなる。
あと一回でもサボると不可になって留年になってしまうところで、俺へとバトンタッチされた。
ちなみに俺がアランの体に入ってから、今日が初めて術式学の講義となる。
「今日はフォード家の落ちこぼれが授業に参加しているようだな。珍しいこともあるものだ」
先生がさっそく俺をいじってきた。
やっぱり苦手だ。
そういうことをいちいち言わなくてもいいと思う。
さっそく講義が始まった。
この先生、性格は嫌いなんだけど説明は上手いんだよな。
魔法学園では感覚的に説明する先生が多いけど、この人はちゃんと理論立てて説明してくれる。
「ではここで問題だ」
うわっ。来やがった。
この先生の一番嫌なところは、こうやって質問をしてくるところだ。
それも授業中に何度も。
別に質問されるだけならいいが、質問の内容が厭味ったらしい。
明らかに今のレベルを超えている質問をしてくる。
ときには二年生で習うような質問もしてくる。
予習をしていないと絶対にわからないような問題を出しておいて、答えられなかったら「勉強不足だ」と馬鹿にしてくる。
今日はどんな質問だ? と身構えてると先生が口を開いた。
「魔法と魔術の違いを述べよ」
うわ~、意地悪な質問が来たよ。
これ絶対引っ掛け問題じゃん。
ジャンがパッと手を上げて自信ありげに答える。
「魔法は術式が必要なく、魔術は術式が必要なことです」
クラスメイトも、うんうん、と頷いているようだ。
しかし先生はその問いに満足しなかったのか、教室の右から左へと目を走らせた。
すると俺と目が合う。
「アラン。貴様の考えはどうだ?」
え?
なんで俺に振ってくる?
やめてよ、そういうの。
「なぜ黙っている? 貴様もジャンと同じ考えなのか?」
先生の圧がすごい。
この人、マジで怖いな。
そんなに睨んでたら美人が台無しだよ?
はあ、仕方ない。
答えるか。
「違います」
教室がざわめく。
先生が興味深そうに俺を見てきた。
「ほぅ。では貴様の考えはどうだ?」
「まず先生の質問自体が間違っています」
先生の眉がピクッと動く。
「面白いことを言う。では何が間違っていると言うのだね?」
この先生は本当に意地が悪いと思った。
俺は静かに息を吸ってから答える。
「『魔法と魔術の違いを述べよ』という質問ですと、魔法と魔術が同列に扱われています」
「なにが言いたい?」
「そもそも魔術は魔法の中の一つの手法に過ぎません。魔術を詠唱魔法や精霊魔法と比較するならわかりますが」
この人はマジで意地が悪い。
おそらく多くの生徒は魔法と魔術を別物だと認識している。
だから、ジャンのような答えに行き着くわけだ。
これは学園の生徒が魔術に対して、あまり感心を抱いていないせいでもある。
とくに一年生は魔術を苦手としている生徒が多い。
そのため、魔術が魔法とは違うものという誤解が生まれてしまっている。
最初の授業でちゃんと説明をしてくれればいいのに、三ヶ月も経った今になって、基本的なことを質問してくるから、本当にたちが悪い。
術式学に興味がない生徒たちへのあてつけか?
それくらいは自分で勉強しとけよ、ってことなのか?
まあ、そもそも魔術の正式名称は魔法術式であり、その名前から魔法の一部であることがわかるはずなんだけどね。
「良い答えだ」
先生が満足そうに答える。
「ではもう一つ質問しよう。魔術と魔法陣の違いを答えよ」
「それもさっきと同じ答えになります。魔術の中の一つの手法に魔法陣があるため、同列に扱うこと自体が間違っています。質問があまり正しくありません」
「で、あろうな」
先生の満足のいく答えだったようだ。
自信満々に答えてみたけど、実は内心ヒヤヒヤしていた。
最近ちょうど図書館で勉強してきた内容だったから、上手く答えられただけだ。
無詠唱魔法を極めるにあたって魔法陣のことを知る必要があるからな。
その後、なぜか先生は何度も俺に質問してきた。
これなんかの嫌がらせ?
質問されるたびにビクビクするんだけど。
まあ、先生やクラスメイトからの評価が上がったようで、これはこれで良かったのかもしれん。
授業が終わると、クラリスが「凄い! あんなのよくわかったね!」と褒めてくれた。
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