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第1章 異世界転生編
21. 笑って
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フハハハッ!
今なら魔王とかも余裕で倒せるぜ!
魔王がいるかはしれんけど。
でも、ここって剣と魔法の世界だし、魔王もいるんじゃね?
なんなら俺が魔王やってもいいけど。
これぞ俺TUEEEEEEEEE!
今の俺にできないことはない!!!
ちょっとっとミーアの腹に刺さった短剣を引き抜いてくるわ。
勇者が聖剣を抜くように、ちょちょちょっとね。
そして勇者よろしくミーア姫を救ってさしあげよう。
あっ、でもちょっと体が熱いかも。
魔力をドバッと出したから、体温が急激に上昇する。
経験したことのない、異様な熱さだ。
全身がキシキシと悲鳴を上げる。
「……ッ」
体が動かない。
不自然なほど体が発熱してる。
人間には魔力を流す、魔力回路というのが備わっている。
そこに許容量以上の魔力が流れると、膨張し、発熱するらしい。
そうならないためにも、魔力回路はゆっくりと広げていく必要があるとかなんとか……。
なるほど。
ってことは今の俺、体の魔力回路が膨張しまくってるってことだな。
急激に魔力回路を活性化させると、体が魔力に耐えきれず、最悪死んでしまうらしい。
でも、きっと大丈夫!
だって主人公だし!
主人公最強説じゃい!
なんかテンション上がってきた!!!
ヤク打った後のような高揚感だ。
いや麻薬使ったことはないんだけどね。
「――――」
ふと目を上げると、ミーアと目があった。
ミーアの目には未だ憎悪が浮かんでいるようだ。
やっぱり、そんな目は似合わないと思った。
だからミーア――
「――笑って」
魔力操作に集中する。
魔力回路をむりやりこじ開ける。
血管が膨張し、筋肉が悲鳴を上げる。
全身が魔力に包まれた。
そして――ドンッ。
地を蹴る。
「――――」
俺は一瞬でミーアとの距離を縮めた。
ミーアの周りは台風の目のように、風がまったくなかった。
ミーアが顔を上げる。
「アラン……くん?」
「ミーア。助けにきてやったぞ」
ってな感じでカッコつけたはいいけど……。
思った以上にキツイな、これ。
大量に汗を掻く。
体が異常なほど発熱している。
ちょっとくらくらしてきた。
体と魔力の両方の制御が効かない。
マジで魔力出しすぎた。
主人公ならなんとかなるんじゃね?
って感じでちょっとなめてましたわ。
指先一つ動かすのも億劫だ。
でもそのおかげでミーアに近づくことができた。
あの暴風の中を一瞬で距離詰められたのも、魔力を体に纏わせていたおかげだ。
でなければ、たぶん近づけなかったと思う。
無詠唱魔法使えないと、俺ってホントに無能だよな。
無詠唱を使えない豚はただの豚ってやつか?
発火使えるだけで、調子乗ってましたわ。
すんません。
ってなわけでさっそく短剣を抜いてしまおう。
剣抜くなら、やっぱりあれいいたくなるよな。
エクスカリバーって叫んでもいいですか?
勇者が聖剣を抜くノリやってみたい。
だって俺、主人公だし。
俺はミーアの腹に刺さっている短剣に手をのばす。
そしてぐっと短剣の柄を掴んだ。
「エクス――」
「なんで……ですか?」
ミーアが呆然と俺を見ながら言ってきた。
ちょっとまって。
俺、いまからかっこよく短剣抜こうとしてたんだけど。
エクスまで言っちゃったじゃん。
まあここは何事もなかったように会話を合わせるか。
「なにが?」
「なんで私のためにここまでするんですか」
いや、そんなの決まってるじゃん。
「ミーアがいなくなったら、俺一人でランチ食べることになるし」
ひとり飯はマジで辛いからな?
こそこそと隠れて食べる飯がどんだけきついことか知ってる?
校庭の裏とか言っても、カップルのイチャイチャを見せつけらるし。
俺のライフがゴリゴリ削られていくからな。
「理由になってません」
「俺にはとっても大事な理由だよ」
ミーアがいないと、俺がボッチになる。
そうなると、見かけたカップルを片っ端から燃やしていく自信がある。
無詠唱魔法だから証拠は残らない。
これ完全犯罪できるんじゃね?
まあそんなことしないけど。
「んじゃ、抜くからな。痛いかもしれんけど我慢してね?」
ナイフって抜くときの痛いらしいからな。
おっしゃ、いくぜ!
エクスカリバアアアァァァァァァ!
って、これ抜けねーぞ!!!
まさか俺、勇者じゃなかった?
主人公なのに!
てか、これスポッと抜けてハッピーエンドじゃないの?
頼むからハッピーに終わらせてよ!
「私は魔族の子ですよ? 他の人と食べたらいいじゃないですか」
ミーアが話しかけてくる。
てか、ミーアさん。
腹に短剣が刺さってる状態で、なんで君そんなに平気そうなの?
痛くないの?
これどうなってんの?
やっぱり魔族だから?
「他の人なんていない」
「いつも一緒にいる金髪の子は?」
「クラリスはダメだ。俺はミーアと一緒がいいんだ」
こんな俺と一緒にご飯食べてくれるなんてミーアだけだよ。
それに魔法の訓練もミーアがいないとダメだし。
助ける理由なんて十分すぎるほどある。
よし、もっかい頑張るか。
もう少しだけ魔力量を増やして……ってあれ?
力が入らない……。
あっ、マジでこれ死ぬわ。
「……ッ」
「アランくん!?」
猛烈にしんどいすわ。
なんか俺の中で重要な何かがゴリゴリ削られてる気がする。
「もう大切な人を失うのは嫌です」
ミーアがなにか言ってるようだけど、全然耳に入らない。
やべぇ、意識が遠ざかってくる。
これで倒れたらやばいよな?
マジで死んじゃうよな?
え、俺主人公なのに死ぬの?
「アランくん」
顔を上げる。
ミーアが泣きそうな顔をしていた。
「ミーア……」
ミーアの顔が近い。
めちゃくちゃ近い。
てか近すぎじゃね?
鼻と鼻がぶつかる距離にミーアの顔があるんですけど。
そんな近くで俺の顔見ても、イイことないよ?
心なしか、ミーアの顔が上気しているようにみえる。
「ごめんなさい。アランくん。私は――」
直後、ミーアの唇が俺の額に触れた。
え?
もしかしてここギャルゲーの世界だった?
今なら魔王とかも余裕で倒せるぜ!
魔王がいるかはしれんけど。
でも、ここって剣と魔法の世界だし、魔王もいるんじゃね?
なんなら俺が魔王やってもいいけど。
これぞ俺TUEEEEEEEEE!
今の俺にできないことはない!!!
ちょっとっとミーアの腹に刺さった短剣を引き抜いてくるわ。
勇者が聖剣を抜くように、ちょちょちょっとね。
そして勇者よろしくミーア姫を救ってさしあげよう。
あっ、でもちょっと体が熱いかも。
魔力をドバッと出したから、体温が急激に上昇する。
経験したことのない、異様な熱さだ。
全身がキシキシと悲鳴を上げる。
「……ッ」
体が動かない。
不自然なほど体が発熱してる。
人間には魔力を流す、魔力回路というのが備わっている。
そこに許容量以上の魔力が流れると、膨張し、発熱するらしい。
そうならないためにも、魔力回路はゆっくりと広げていく必要があるとかなんとか……。
なるほど。
ってことは今の俺、体の魔力回路が膨張しまくってるってことだな。
急激に魔力回路を活性化させると、体が魔力に耐えきれず、最悪死んでしまうらしい。
でも、きっと大丈夫!
だって主人公だし!
主人公最強説じゃい!
なんかテンション上がってきた!!!
ヤク打った後のような高揚感だ。
いや麻薬使ったことはないんだけどね。
「――――」
ふと目を上げると、ミーアと目があった。
ミーアの目には未だ憎悪が浮かんでいるようだ。
やっぱり、そんな目は似合わないと思った。
だからミーア――
「――笑って」
魔力操作に集中する。
魔力回路をむりやりこじ開ける。
血管が膨張し、筋肉が悲鳴を上げる。
全身が魔力に包まれた。
そして――ドンッ。
地を蹴る。
「――――」
俺は一瞬でミーアとの距離を縮めた。
ミーアの周りは台風の目のように、風がまったくなかった。
ミーアが顔を上げる。
「アラン……くん?」
「ミーア。助けにきてやったぞ」
ってな感じでカッコつけたはいいけど……。
思った以上にキツイな、これ。
大量に汗を掻く。
体が異常なほど発熱している。
ちょっとくらくらしてきた。
体と魔力の両方の制御が効かない。
マジで魔力出しすぎた。
主人公ならなんとかなるんじゃね?
って感じでちょっとなめてましたわ。
指先一つ動かすのも億劫だ。
でもそのおかげでミーアに近づくことができた。
あの暴風の中を一瞬で距離詰められたのも、魔力を体に纏わせていたおかげだ。
でなければ、たぶん近づけなかったと思う。
無詠唱魔法使えないと、俺ってホントに無能だよな。
無詠唱を使えない豚はただの豚ってやつか?
発火使えるだけで、調子乗ってましたわ。
すんません。
ってなわけでさっそく短剣を抜いてしまおう。
剣抜くなら、やっぱりあれいいたくなるよな。
エクスカリバーって叫んでもいいですか?
勇者が聖剣を抜くノリやってみたい。
だって俺、主人公だし。
俺はミーアの腹に刺さっている短剣に手をのばす。
そしてぐっと短剣の柄を掴んだ。
「エクス――」
「なんで……ですか?」
ミーアが呆然と俺を見ながら言ってきた。
ちょっとまって。
俺、いまからかっこよく短剣抜こうとしてたんだけど。
エクスまで言っちゃったじゃん。
まあここは何事もなかったように会話を合わせるか。
「なにが?」
「なんで私のためにここまでするんですか」
いや、そんなの決まってるじゃん。
「ミーアがいなくなったら、俺一人でランチ食べることになるし」
ひとり飯はマジで辛いからな?
こそこそと隠れて食べる飯がどんだけきついことか知ってる?
校庭の裏とか言っても、カップルのイチャイチャを見せつけらるし。
俺のライフがゴリゴリ削られていくからな。
「理由になってません」
「俺にはとっても大事な理由だよ」
ミーアがいないと、俺がボッチになる。
そうなると、見かけたカップルを片っ端から燃やしていく自信がある。
無詠唱魔法だから証拠は残らない。
これ完全犯罪できるんじゃね?
まあそんなことしないけど。
「んじゃ、抜くからな。痛いかもしれんけど我慢してね?」
ナイフって抜くときの痛いらしいからな。
おっしゃ、いくぜ!
エクスカリバアアアァァァァァァ!
って、これ抜けねーぞ!!!
まさか俺、勇者じゃなかった?
主人公なのに!
てか、これスポッと抜けてハッピーエンドじゃないの?
頼むからハッピーに終わらせてよ!
「私は魔族の子ですよ? 他の人と食べたらいいじゃないですか」
ミーアが話しかけてくる。
てか、ミーアさん。
腹に短剣が刺さってる状態で、なんで君そんなに平気そうなの?
痛くないの?
これどうなってんの?
やっぱり魔族だから?
「他の人なんていない」
「いつも一緒にいる金髪の子は?」
「クラリスはダメだ。俺はミーアと一緒がいいんだ」
こんな俺と一緒にご飯食べてくれるなんてミーアだけだよ。
それに魔法の訓練もミーアがいないとダメだし。
助ける理由なんて十分すぎるほどある。
よし、もっかい頑張るか。
もう少しだけ魔力量を増やして……ってあれ?
力が入らない……。
あっ、マジでこれ死ぬわ。
「……ッ」
「アランくん!?」
猛烈にしんどいすわ。
なんか俺の中で重要な何かがゴリゴリ削られてる気がする。
「もう大切な人を失うのは嫌です」
ミーアがなにか言ってるようだけど、全然耳に入らない。
やべぇ、意識が遠ざかってくる。
これで倒れたらやばいよな?
マジで死んじゃうよな?
え、俺主人公なのに死ぬの?
「アランくん」
顔を上げる。
ミーアが泣きそうな顔をしていた。
「ミーア……」
ミーアの顔が近い。
めちゃくちゃ近い。
てか近すぎじゃね?
鼻と鼻がぶつかる距離にミーアの顔があるんですけど。
そんな近くで俺の顔見ても、イイことないよ?
心なしか、ミーアの顔が上気しているようにみえる。
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