3点スキルと食事転生。食いしん坊の幸福無双。〜メシ作るために、貰ったスキル、完全に戦闘狂向き〜

幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中

文字の大きさ
69 / 85
4章⭐︎学園編⭐︎

オリエンテーション

しおりを挟む
-side リアム-



「ふーー!長かったー!次はオリエンテーションか」
『お前、その前に……』
「リーーアーームーー!」
「あっ……」


 鬼のような形相で俺を睨んでいる父上--ヘンリーに察した俺だった。


 ♢  ♢  ♢  ♢  ♢


「大変な目にあった……」
『自業自得だバカ』
「バカは言い過ぎでは?」
「ドアホ」
「もっとひどくなってないか!?」
『『……』』


 シルバーそんな事を言い合いながらも、オリエンテーションに行くためにクラスへ向かう。気のせいかもしれないがシルバーとヨルムンガルの視線が痛い。


 俺が教室についた時には案の定既にもう始まっていたようだった。その場にいても余計に注目を浴びるだけなので、ジロジロ見られながらも教室へ入る。
 急いで手招きしているノアの元へ向かう。ノアは俺に魔法で何があったか記載されているかメモった紙をくれた。
 優秀な上に優しすぎる親友である。


1. 学園の紹介: 学園の歴史、建物、施設、そしてその位置についての概要。
2. 学科とカリキュラム: 貴族科の学生に提供される科目やプログラムについて詳細な説明。
3. 教員陣の紹介: 著名な魔法使いや教育者からなる教員陣についての情報。
4. 学生生活: 寮生活、クラブ活動、図書館、食堂など、学生生活に関する情報。


--コソッ
「結構進んでたね」
「そりゃ、君が来たのはかなり遅いからね。その様子……、ヘンリー殿にこってり絞られたみたいだね」
「まあ……、それなりには?」
『なんでちょっとドヤ顔なんだよ?』
「精神的に鍛えられたから」
『物はいいようだな』
「ポジティブマインドと言ってくれ」
「ふふっ……!あーいえばこーいうね」
「……それ、笑いながらいう事じゃないと思う」
「いや、失敬失敬つい本音が」
「……」


 ノアの切れ味の鋭いナイフを受け流しながらもオリエンテーションは続いているので話を聞くことにする。その後の内容はこんな感じ。


1.魔法の安全性: 魔法の使用に関する基本的なルール、安全性に関するガイダンス。ちょっと面白いかも。
2. 貴族の役割と責任: 貴族としての学生たちの社会的役割と責任うんぬんかんぬん、うんぬんかんぬん。
3.質問と回答: むにゃむにゃ……むにゃ。


『おいリアム……!リアム!』
「むにゃっ!」


 ルーカスが脳内で怒鳴ってきたので跳ね起きる。目が覚めるとみんなに注目されていた。もちろん、悪い意味で。


「あはは……、リアム君。今回は良いですが次回からはペナルティがありますよ」
「はい、申し訳ございません!」


 先生が笑顔でこちらを向いて言い放つ。
 確かカーティスと名乗っていたっけ?
 さっきは気づかなかったけど、黒髪黒目で若干オールバック気味のどえらい大人の色気ある男性教師だな。年齢は30代っぽい。さぞモテてきたことだろう。
 あとこの人、絶対ドS。要注意人物だ。父上よりも、よっぽど怒らせたら怖そうから授業中は大人しくしてよう。


「それではこれで説明は終わり。解散だ。気をつけて帰りなさい」
「はーい」


 そんなこんなでオリエンテーションが終わったのだった。


「リアム」
「ん?」
「これ、今日の分のメモ、どうせ聞いてないと思ってまとめておいたから」
「なんだ、お前が神だったのか」


 やはり、持つべき物はノアなのかもしれない。一家に一台は欲しい。便利すぎる。


「あははっ!クソガキから、かなり出世したね。良かったよかった」
「いや、クソガキだとは思ってるが?」
「えっ!?」
「だって、お前。俺が寝てたの分かってて起こしてくれなかっただろ?」
「あっ、バレたか、あの怖そうな先生にバレたら面白そうだなあと思って」
「バレバレだ、悪ガキ」
「えへへ……」


 俺がノアの事をどついているとヨルムンガルドの冷たい声が脳内に響く。


『……いや、あのですね。そもそも大事な初回の説明の時に寝坊するのも、遅刻するのも、授業中居眠りするのもダメなんですよ、そろそろ一つくらい反省してください、主人』
『ごもっともだぜ!』
『うむ』


 ……。あまりにも正論すぎて、なんも言えねえ。


--------------------------------------
しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします

雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました! (書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です) 壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。

猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る

マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・ 何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。 異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。  ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。  断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。  勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。  ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。  勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。  プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。  しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。  それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。  そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。  これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

神様の人選ミスで死んじゃった!? 異世界で授けられた万能ボックスでいざスローライフ冒険!

さかき原枝都は
ファンタジー
光と影が交錯する世界で、希望と調和を求めて進む冒険者たちの物語 会社員として平凡な日々を送っていた七樹陽介は、神様のミスによって突然の死を迎える。そして異世界で新たな人生を送ることを提案された彼は、万能アイテムボックスという特別な力を手に冒険を始める。 平穏な村で新たな絆を築きながら、自分の居場所を見つける陽介。しかし、彼の前には隠された力や使命、そして未知なる冒険が待ち受ける! 「万能ボックス」の謎と仲間たちとの絆が交差するこの物語は、笑いあり、感動ありの異世界スローライフファンタジー。陽介が紡ぐ第二の人生、その行く先には何が待っているのか——?

『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』

チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。 気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。 「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」 「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」 最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク! 本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった! 「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」 そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく! 神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ! ◆ガチャ転生×最強×スローライフ! 無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。 〜あれ?ここは何処?〜 転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

処理中です...