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2章⭐︎賢者の大冒険⭐︎

不思議な国でレベルアップ②

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-side オーウェン-



「はあ……、はあ……、はあ……、疲れた。けど、意外とレベルアップ出来ているような気がする」


 キャンディ避けて三千里、いよいよ頭がおかしくなるかもしれないと思ったところで休憩に入った。その場でぴょんぴょんと飛び跳ねてみるが、心なしか体が軽い。今の俺は確実にレベルアップしてるだろう。


『それは、気のせいケロー』
「はあ?気のせいなのかよ!?」
『はあ、やれやれケロー、こんなことで、頭がおかしくなってしまうなんて、全く今時の若者はケロー』


 こいつ……!!もしかして、今までの訓練はテキトーな事言っていたのか?あんなに自信満々に大丈夫ケロって言っていたのに?


『大体、こんなところでレベルアップなんて出来るわけないケロー』
「おいこら」


 ただでさえ、そんなにないフェアリーケロベロスへの信頼が倒しだ。


『心の声がダダ漏れケロー信頼して欲しいケロー、ケロケロケロ』


 なんだこのケロベロス、もしかしてわざと煽っているのか?


『いや、レベルアップはできてるよ?』
「シルフ?本当か?」
『えっ!?ででで、出来てるケロー!!嘘だーーケロー!』


 ちゃんと確認せずに言っていたのかよ、もうめちゃくちゃだよこいつ。


『なんでケロ~!レベルアップをせずに特訓させることでレベルアップした時に効果が倍になるように調節していたのにケロー』
「そこは一応ちゃんと考えていたのか」
『一応って何ケロ!ケロはちゃんと考えて訓練を行っているケロー!』


 まじか、疑ってしまって申し訳ない。
 まあ、信用は相変わらずあんまりしていないんだけれども。


『まあ、良いケロ、それより次の訓練行くケロー!紙飛行機の背中に乗って、空中を飛び回るケロー!』


 良いのか?本当に。この不思議な国の訓練、すべてがガバガバな気がしてきたのは気のせいではないだろう。--とそんなことを考えている間に、ケロは早速空中で飛び回る実技を実践してみせた。


『なんだ空中で飛び回れば良いだけか。なら主人には簡単そうだね』
「な訳あるか」


 シルフ、精霊の基準で考えているだろ。
 ここへきた時からぷかぷか浮いているお前だったら簡単という話で人間の俺からしたらとてつもなく難しい事だ、なんせ宙を蹴らなければいけないのからな。


『主人の考えていることはだいたいわかるけどさ、主人、誰の主人だと思っているの?』
「お前のだけど」
『そそ、僕を舐めてもらっては困るよ、もっと自信持ってもらわなきゃ』


 自信を持て。なんだかその言葉を聞くのは久々な気がする。王立レオンハルト学園に通っていた時は、貴族たるもの自信を持つべきだとかいう脳筋授業もよくあったものだ。
 正直、自信なんてものは根性論で得られるものではなく、地位やパワー、実績などを手にした時にしか得られないものだとは思っている。あんまり、マナーや演説の授業で色々小手先のテクニックを学んだところで身につけるものではないとは思うところだ。


『そそ!それだよそれ!過去の君と今の君が違うのは、今の君にはパワーがある!他ならぬ僕という存在がいることによってね。自信を持って、主人は風の精霊王、シルフ様の主人なのだから』
「……そっか、そうだよな」


 俺はリオンシュタットに来て、領主として民からある程度慕われている、地位を手に入れた。シルフも従えているパワーもある。
 俺はもう、何者でもない俺ではないのかもしれない。まだ、実感はないのだけれども。


『それに気づけただけで良いケロー!では、訓練を始めるケロー!』
「--は?」


 目の前には大量の紙飛行機。
 ちょっと待て。


「--って、自信持ったは良いが、結局どうやって高速移動するんだよ!?」
『それはまあ、風魔法を使って……、こう……雰囲気で』
『大丈夫ケロ、最初は大変だケロども、やってみると意外といけるケロ!習うより慣れろケロー?』
「おいっ……!!!結局、脳筋かよーー!!」


 ♢  ♢  ♢  ♢  ♢


「はあ……、はあ……、えらい目にあった」


 地獄の紙飛行機の訓練を終えた後、休憩している。


『よくできているケロ!確実に強く放っているケロ!自信持ってケロ!』
「そりゃ、これだけ訓練をやれば強くなるだろうな……」


 このケロベロスの訓練。なんつー、脳筋訓練だ。不思議な国とか言っていたから、てっきりもっと創意工夫が施された訓練だと思っていたのに……、いや創意工夫は施されているのか?


『大丈夫ケロ、最後の訓練は比較的に楽ケロ』
「……確かバランス訓練だっけ?」
『そうケロ、空中に浮かぶ風船や雲を移動するバランス訓練ケロー!』
「……意外と行ける気がするな」
『その意気だケロー!良い感じに染まってきて良い調子ケロ!』
「……なんか負けた気がするのは気のせいか?」


 その後、バランスの訓練を終えた俺は移動に関しては自信を持てるようになったのだった。同時に何か失った気がした。


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