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2章⭐︎賢者の大冒険⭐︎

不思議な国でレベルアップ①

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-side オーウェン-


 --ドンドンドン!


 目の前からは、無数のキャンディが猛スピードで迫ってくる。魔法で撃退している暇はないだろう。仕方ない。


「身体強化!!」


 --ババババババ!!


「ちょちょちょ……!い、いててててて!いってえええーー↑」
『ほーー?まだまだ余裕そうだケロー!もっといくケロー!』
「待て待て待て待て!!」
『どうしたケロー!』
「な↑ん↓でー↑こんな事ふざけた訓練やらされてるんだーーー!こんな訓練方法で、普段の力を発揮できるわけねーだろ!!」
『言い訳無用だケロー!!』


 なぜか分からないが、俺はさっきから豪速球で飛んでくるキャンディーと格闘させられている。とりあえず、フェアリーケロベロスの指示に従って、やってみてはいるが、この訓練で何が鍛えられるかはとても不明だ。


 ……どうしてこうなったかと言うと、別に大した深い理由があるわけでもないが、一応聞いてもらうか。


 --遡ること数十分前。


『本題に入るケロー』
「ああ、そうだな、えっと……、グリモワールを探すんだっけ?」
『あっ……、それもあったケロー』
「あ?」
『グググ、グリモワールも、さささ、探すケロー』
「落ち着け」
『落ち着いてるケロ。グリモワールの事も、もちろん覚えていたケロ』


 おいこら、嘘つきすぎる。
 フェアリーケロベロス--嘘を見抜く試練をしていた精霊の国の門番。大嘘つき。


「はあ……」
『何ケロ』
「えっと……、まさかとは思うけど、今まで忘れてたのか?」
『そうケロー。思い出してよかったケロ』
「やっぱり、嘘じゃねえか」
『それがどうしたケロー』
「ケロッと開き直ったな」


 大丈夫かよ?この案内人……と思うが、フェアリーケロベロスは、今日もケロッとしているから問題ないのだろう。
 案内人というのは、例え道のことをあまり覚えてなくても、堂々としてさえいれば、なんだかんだ着いて行く人たちは安心するものだ。……いや、やっぱり不安しかないのだが?


 それはそれとして、俺たちは、風竜--エリアスを風龍の杖から解放するために必要なグリモワールを探しに、不思議な国へ来た。
 疾風の獣を倒すためのレベルアップはそのついでみたいな感覚だったのだが、どうやらシルフやフェアリーケロベロスにとっては違ったみたいだ。


『疾風の獣は強いからね。今までは人間の国で、ちまちまだらだらレベルアップしてたのを黙って見ているだけだったけれど、精霊の国に帰ってこれたからには、ここらで、主人をゴリゴリ鍛えていこうと思ったんだ』
『そうケロ!しっかりとレベルアップしながら、対策をしてもらうケロ!』
「お、おう。なんだかんだで色々考えてくれてありがとう」


 というか、今までちまちまゆっくり魔物を倒しながら、レベルアップしてるって思っていたのか、シルフ。特に、のほほんとした感じで、特訓についてきていた感じだった全然気づかなかった。
 今思えば、特訓でのほほんとついてきていること自体がおかしいのか。


『オーウェン様には色々恩もあるから、いいケロー!しっかり恩返しさせてもらうケロー!』
「お、おう」
『それじゃ、疾風の獣のおさらいケロー!疾風の魔物に対して、覚えている内容を言ってケロー!』


 確か、疾風の魔物には3つの能力があったはずだ。


 1.高速の飛行能力
 2.突風の攻撃
 3.瞬時に透明になる能力


「だっけ?」
『そうケロー!それさえ覚えていれば大体大丈夫ケロー』
「分かった」


 この能力、何度聞いても強すぎる敵だ。
 絶対これゲームで言うと、ラスボス寸前の試練だろ。ドワーフに武器すらもらっていないゲームの序盤で倒すべき敵ではない。


『まず、1について詳しく説明した後、最初の訓練にするケロー!』
「ああ」


 1.高速の飛行能力:これに対抗するにはやはり対応できる速さを身につけるしかないケロー。


「ちょっと待て」
『何ケロー?』
「なんか、嫌な予感がするんだが?もう既に先が読めた気がしなくもない……」
『気のせいケロー』


 ……そうだろうか?
 まさかとは思うが、力こそパワーとか言って真正面から対抗する脳筋戦法を教えられるだけとかは、ないよな?


 まあ、魔物に追いついたり、逃げたりするためには、高速の飛行能力が必要不可欠なのは事実だ。まずは高速で飛ぶための特訓をする必要もある事はわかっているので最初は大人しくしたがってみよう。
 ……最初だけな?


『最初の訓練はこんな感じケロー』


 1.豪速球で飛んでくるキャンディに対抗できる手段を身につける。
 2. 紙飛行機の背中に乗って、空中を飛び回る。
 3.空中に浮かぶ風船や雲を飛び移りながら移動する。


「……ツッコミたいことが多いのは山々だが、分かった」
『了承してもらえて良かったケロー。これらの特訓をすることで、空中でのバランス感覚や、風を操る技術を身につけることができるケロー』
「ほーー」


 --と、こんな感じで最初の訓練が決まったのだった。


「だけど、最初の時点でこんな理不尽な訓練なのは、どう考えても、おかしいだろーーーー!」
『まだまだこれは序の口ではあるかな?』
「は?」
『不思議な国の訓練だからおかしくないケローー!』
「はああああ!?」


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