18 / 25
2章 悪役令息、領地を改革する
悪役令息、人生で初めて冒険者ギルドへ行く
しおりを挟む
-side ジークハルト-
「さて、これだけ大量に魔物を狩ったは良いが無駄に持ってても意味ないから売りたいな」
「それだったら、冒険者ギルドがいいよ、ちょうど、そこの町には冒険者ギルドもありそうだし、売っていこ」
ウィリアムの悪魔すぎる戦法により、Aランク、Bランクの魔物を大量に討伐できてしまった俺たちは、ウィリアムの意見を採用して、町にあると言う冒険者ギルドへ行くことにした。
貴族や王族は自分で狩った魔物は自分のところで消費したり、売買したりするので、人生で初めて冒険者ギルドだったりする。物語の舞台によくなる有名な場所に期待に胸が高まる。
♢ ♢ ♢ ♢ ♢
「ここが俺の領地……」
のどかで平和な町だ。王都と違ってガヤガヤしていないインキャに優しい町。
俺はこれから治める事になると言う町は至って平穏な町だ。雰囲気もよく、自然の豊かさを感じる。適度に人がいるし、田舎にしては割と栄えているのではないか?
「こんにちはー」
人生で初めての冒険者ギルドドキドキしながら向かう。ローラは透明に、ズンドラゴンは人間の姿になる。お前そんなにイケメンだったのかと言わんばかりのイケメンだ。黒髪の短髪に黒目のキリッとしたお兄さんの姿になった。
ただし黙っていればである。黙っていれば。大事なことなので2回言いました。
それを補ってあまりあるポンコツ具合なのが残念すぎる。
「こんにちは、本日はどのようなご用件で?」
「冒険者登録と素材を売りたい」
「かしこまりました」
仕事ができそうな受付嬢なので、テキパキと準備を開始しようとする。その前に、俺とウィリアムは言うべきことがあるので先手を打つ。
「あ、ちなみに俺たちはこういうものだ」
公爵家と王家の紋章がデザインに入っているペンダントを見せる。すると、一瞬顔色を変えたが、すぐに冷静になり対応を開始した。
「う、上の者を呼んできます!」
流石に高位貴族なのを後から言うのは向こうに迷惑になる。こういうのは事前に身分を明かし、根回しすることが大事だ。
「あんまり、自分から王族だの貴族だのと威張るのもよくないとは思ってはいるけれどね。冒険者ギルドとかの場合、そういうのとてもいいと思うよ。言わないと後で余計な気を使わせて迷惑になっちゃうからね」
「そうだな」
「それにしても、あの受付令嬢。相当できる人だね。流石、こんな田舎でも冒険者ギルドの職員の質は高い」
「もしかしたら、中央から派遣された人なのかもな。ここの冒険者ギルドの売り上げは中々良いと聞く。だから冒険者ギルドの力が強すぎて、よく領主と対立しているそうだ」
前領主もさらにその前の領主もそれで領地経営の匙を投げたのだとか。
それがここの領地が人材はいて、資源があるのにもかかわらず、栄えていない要因だそうだ。
前領主も前前領主も有能な領主だっただけに、ここはハズレ領地扱いされているらしい。
これを聞いた時の俺は宇宙猫だ。何が褒美だよ。国王陛下。思いっきり罰ゲームじゃねえかと思わなくなかった。
「初めまして。この度は領主就任おめでとうございます。私がギルドマスターのガロンです」
筋肉マッチョだが、どこか知的に見える人が出てきた。ちなみに、俺はマッチョの時点でもう苦手である。オタクに優しいギャルもインキャに優しいマッチョも幻想。
「素材の買取をお願いしたい」
「承知いたしました。買取には登録が必要ですが、どうされますか?」
「じゃあ、登録もお願い」
「承知いたしました。登録には試験が必要です」
「受ける」
「それでは試験を受けていただきますね」
「ああ」
「試験場へ案内します。貴族だからと言って特別扱いはしないのでご容赦を」
ギルドマスターは若干トーンが低くそう言った。
これは……牽制された?新しい領主だということは知っているっぽいので
それはそれとして、さっきからズンドラゴンの事を凝視している。
多分これはズンドラゴンが人間ではないことがバレていそうだな。
だとすると、このギルドマスターは相当強いぞ。
ズンドラゴンの力の隠蔽は一流だ。それを見破るなんて。
そんなことを考えながらも、俺たちはギルド登録の試験会場に来たのだった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「さて、これだけ大量に魔物を狩ったは良いが無駄に持ってても意味ないから売りたいな」
「それだったら、冒険者ギルドがいいよ、ちょうど、そこの町には冒険者ギルドもありそうだし、売っていこ」
ウィリアムの悪魔すぎる戦法により、Aランク、Bランクの魔物を大量に討伐できてしまった俺たちは、ウィリアムの意見を採用して、町にあると言う冒険者ギルドへ行くことにした。
貴族や王族は自分で狩った魔物は自分のところで消費したり、売買したりするので、人生で初めて冒険者ギルドだったりする。物語の舞台によくなる有名な場所に期待に胸が高まる。
♢ ♢ ♢ ♢ ♢
「ここが俺の領地……」
のどかで平和な町だ。王都と違ってガヤガヤしていないインキャに優しい町。
俺はこれから治める事になると言う町は至って平穏な町だ。雰囲気もよく、自然の豊かさを感じる。適度に人がいるし、田舎にしては割と栄えているのではないか?
「こんにちはー」
人生で初めての冒険者ギルドドキドキしながら向かう。ローラは透明に、ズンドラゴンは人間の姿になる。お前そんなにイケメンだったのかと言わんばかりのイケメンだ。黒髪の短髪に黒目のキリッとしたお兄さんの姿になった。
ただし黙っていればである。黙っていれば。大事なことなので2回言いました。
それを補ってあまりあるポンコツ具合なのが残念すぎる。
「こんにちは、本日はどのようなご用件で?」
「冒険者登録と素材を売りたい」
「かしこまりました」
仕事ができそうな受付嬢なので、テキパキと準備を開始しようとする。その前に、俺とウィリアムは言うべきことがあるので先手を打つ。
「あ、ちなみに俺たちはこういうものだ」
公爵家と王家の紋章がデザインに入っているペンダントを見せる。すると、一瞬顔色を変えたが、すぐに冷静になり対応を開始した。
「う、上の者を呼んできます!」
流石に高位貴族なのを後から言うのは向こうに迷惑になる。こういうのは事前に身分を明かし、根回しすることが大事だ。
「あんまり、自分から王族だの貴族だのと威張るのもよくないとは思ってはいるけれどね。冒険者ギルドとかの場合、そういうのとてもいいと思うよ。言わないと後で余計な気を使わせて迷惑になっちゃうからね」
「そうだな」
「それにしても、あの受付令嬢。相当できる人だね。流石、こんな田舎でも冒険者ギルドの職員の質は高い」
「もしかしたら、中央から派遣された人なのかもな。ここの冒険者ギルドの売り上げは中々良いと聞く。だから冒険者ギルドの力が強すぎて、よく領主と対立しているそうだ」
前領主もさらにその前の領主もそれで領地経営の匙を投げたのだとか。
それがここの領地が人材はいて、資源があるのにもかかわらず、栄えていない要因だそうだ。
前領主も前前領主も有能な領主だっただけに、ここはハズレ領地扱いされているらしい。
これを聞いた時の俺は宇宙猫だ。何が褒美だよ。国王陛下。思いっきり罰ゲームじゃねえかと思わなくなかった。
「初めまして。この度は領主就任おめでとうございます。私がギルドマスターのガロンです」
筋肉マッチョだが、どこか知的に見える人が出てきた。ちなみに、俺はマッチョの時点でもう苦手である。オタクに優しいギャルもインキャに優しいマッチョも幻想。
「素材の買取をお願いしたい」
「承知いたしました。買取には登録が必要ですが、どうされますか?」
「じゃあ、登録もお願い」
「承知いたしました。登録には試験が必要です」
「受ける」
「それでは試験を受けていただきますね」
「ああ」
「試験場へ案内します。貴族だからと言って特別扱いはしないのでご容赦を」
ギルドマスターは若干トーンが低くそう言った。
これは……牽制された?新しい領主だということは知っているっぽいので
それはそれとして、さっきからズンドラゴンの事を凝視している。
多分これはズンドラゴンが人間ではないことがバレていそうだな。
だとすると、このギルドマスターは相当強いぞ。
ズンドラゴンの力の隠蔽は一流だ。それを見破るなんて。
そんなことを考えながらも、俺たちはギルド登録の試験会場に来たのだった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
10
あなたにおすすめの小説
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める
自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。
その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。
異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。
定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。
第2の人生は、『男』が希少種の世界で
赤金武蔵
ファンタジー
日本の高校生、久我一颯(くがいぶき)は、気が付くと見知らぬ土地で、女山賊たちから貞操を奪われる危機に直面していた。
あと一歩で襲われかけた、その時。白銀の鎧を纏った女騎士・ミューレンに救われる。
ミューレンの話から、この世界は地球ではなく、別の世界だということを知る。
しかも──『男』という存在が、超希少な世界だった。
異世界あるある 転生物語 たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?
よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する!
土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。
自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。
『あ、やべ!』
そして・・・・
【あれ?ここは何処だ?】
気が付けば真っ白な世界。
気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ?
・・・・
・・・
・・
・
【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】
こうして剛史は新た生を異世界で受けた。
そして何も思い出す事なく10歳に。
そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。
スキルによって一生が決まるからだ。
最低1、最高でも10。平均すると概ね5。
そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。
しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。
そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで
ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。
追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。
だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。
『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』
不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。
そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。
その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。
前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。
但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。
転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。
これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな?
何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが?
俺は農家の4男だぞ?
クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました
髙橋ルイ
ファンタジー
「クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました」
気がつけば、クラスごと異世界に転移していた――。
しかし俺のステータスは“雑魚”と判定され、クラスメイトからは置き去りにされる。
「どうせ役立たずだろ」と笑われ、迫害され、孤独になった俺。
だが……一人きりになったとき、俺は気づく。
唯一与えられた“使役スキル”が 異常すぎる力 を秘めていることに。
出会った人間も、魔物も、精霊すら――すべて俺の配下になってしまう。
雑魚と蔑まれたはずの俺は、気づけば誰よりも強大な軍勢を率いる存在へ。
これは、クラスで孤立していた少年が「異常な使役スキル」で異世界を歩む物語。
裏切ったクラスメイトを見返すのか、それとも新たな仲間とスローライフを選ぶのか――
運命を決めるのは、すべて“使役”の先にある。
毎朝7時更新中です。⭐お気に入りで応援いただけると励みになります!
期間限定で10時と17時と21時も投稿予定
※表紙のイラストはAIによるイメージです
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる