学園最強の悪役令息たる俺様への営業妨害〜破滅寸前の家に転生した青年、真面目でヘタレでいい人な事が暴かれていく〜

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2章 悪役令息、領地を改革する

悪役令息、人生で初めて冒険者ギルドへ行く

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-side ジークハルト-


「さて、これだけ大量に魔物を狩ったは良いが無駄に持ってても意味ないから売りたいな」
「それだったら、冒険者ギルドがいいよ、ちょうど、そこの町には冒険者ギルドもありそうだし、売っていこ」


 ウィリアムの悪魔すぎる戦法により、Aランク、Bランクの魔物を大量に討伐できてしまった俺たちは、ウィリアムの意見を採用して、町にあると言う冒険者ギルドへ行くことにした。
 貴族や王族は自分で狩った魔物は自分のところで消費したり、売買したりするので、人生で初めて冒険者ギルドだったりする。物語の舞台によくなる有名な場所に期待に胸が高まる。



 ♢  ♢  ♢  ♢  ♢


「ここが俺の領地……」
 
 
 のどかで平和な町だ。王都と違ってガヤガヤしていないインキャに優しい町。
 俺はこれから治める事になると言う町は至って平穏な町だ。雰囲気もよく、自然の豊かさを感じる。適度に人がいるし、田舎にしては割と栄えているのではないか?

 
「こんにちはー」


 人生で初めての冒険者ギルドドキドキしながら向かう。ローラは透明に、ズンドラゴンは人間の姿になる。お前そんなにイケメンだったのかと言わんばかりのイケメンだ。黒髪の短髪に黒目のキリッとしたお兄さんの姿になった。
 ただし黙っていればである。黙っていれば。大事なことなので2回言いました。
 それを補ってあまりあるポンコツ具合なのが残念すぎる。


「こんにちは、本日はどのようなご用件で?」
「冒険者登録と素材を売りたい」
「かしこまりました」


 仕事ができそうな受付嬢なので、テキパキと準備を開始しようとする。その前に、俺とウィリアムは言うべきことがあるので先手を打つ。

 
「あ、ちなみに俺たちはこういうものだ」


 公爵家と王家の紋章がデザインに入っているペンダントを見せる。すると、一瞬顔色を変えたが、すぐに冷静になり対応を開始した。

 
「う、上の者を呼んできます!」


 流石に高位貴族なのを後から言うのは向こうに迷惑になる。こういうのは事前に身分を明かし、根回しすることが大事だ。


「あんまり、自分から王族だの貴族だのと威張るのもよくないとは思ってはいるけれどね。冒険者ギルドとかの場合、そういうのとてもいいと思うよ。言わないと後で余計な気を使わせて迷惑になっちゃうからね」
「そうだな」
「それにしても、あの受付令嬢。相当できる人だね。流石、こんな田舎でも冒険者ギルドの職員の質は高い」
「もしかしたら、中央から派遣された人なのかもな。ここの冒険者ギルドの売り上げは中々良いと聞く。だから冒険者ギルドの力が強すぎて、よく領主と対立しているそうだ」


 前領主もさらにその前の領主もそれで領地経営の匙を投げたのだとか。
 それがここの領地が人材はいて、資源があるのにもかかわらず、栄えていない要因だそうだ。
 前領主も前前領主も有能な領主だっただけに、ここはハズレ領地扱いされているらしい。
 これを聞いた時の俺は宇宙猫だ。何が褒美だよ。国王陛下。思いっきり罰ゲームじゃねえかと思わなくなかった。
 

「初めまして。この度は領主就任おめでとうございます。私がギルドマスターのガロンです」


 筋肉マッチョだが、どこか知的に見える人が出てきた。ちなみに、俺はマッチョの時点でもう苦手である。オタクに優しいギャルもインキャに優しいマッチョも幻想。


「素材の買取をお願いしたい」
「承知いたしました。買取には登録が必要ですが、どうされますか?」
「じゃあ、登録もお願い」
「承知いたしました。登録には試験が必要です」
「受ける」
「それでは試験を受けていただきますね」
「ああ」
「試験場へ案内します。貴族だからと言って特別扱いはしないのでご容赦を」


 ギルドマスターは若干トーンが低くそう言った。
 これは……牽制された?新しい領主だということは知っているっぽいので
 それはそれとして、さっきからズンドラゴンの事を凝視している。
 多分これはズンドラゴンが人間ではないことがバレていそうだな。
 だとすると、このギルドマスターは相当強いぞ。
 ズンドラゴンの力の隠蔽は一流だ。それを見破るなんて。
 そんなことを考えながらも、俺たちはギルド登録の試験会場に来たのだった。

 

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