学園最強の悪役令息たる俺様への営業妨害〜破滅寸前の家に転生した青年、真面目でヘタレでいい人な事が暴かれていく〜

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2章 悪役令息、領地を改革する

もしもしポリスメン?

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―side ジークハルト―


「ボロ屋敷に入るのだー!」
『ちょっと楽しみなのです!』
「どんなのが湧いて出るかなあ?」
「キューンキューン」


 えっ!?みんなしてこんな雰囲気のある屋敷怖くないの?ローラが浄化したとは言え、何が出てくるか分からない屋敷だ。もしかして、ホラーゲームとか大丈夫な人達なのだろうか?俺苦手なんだけど?


『とりあえず、あたり一帯を晴らすのだー!』
「ちょっと待って」
『……?』


 ローラがまた浄化してくれそうな雰囲気だったのをウィリアムが止める。
 なんか不都合なことでもあったのか?


「ジークハルト。念の為だけど、先に進んでくれない?安全のために」
「嫌だが?」


 大体いつも、この手の雰囲気のある屋敷は敵が出る前に浄化してしまうし。怖いから。

 
「ほほう……まさかとは思うけど主人、びびっているのだー?」
『ええーそれは、おもし……可哀想なのだー!』


 おい、ローラさん?今面白いって言おうとしたよな?なぜ人がビビるのを面白がっているのだろうか?


「そりゃあね。人がこの手のお化け屋敷を怖がっているのを見るほど楽しいものってないからね」
『プププなのです』「プププなのだ~」
「なんて悪趣味なんだ」


 性格終わってるだろこいつら。まあいい。こんなやつらの思い通りにはいかない。
 意を決して中に入る。


 ――ooooooooo!
「いやああああああ」


 中から瘴気の黒いモヤモヤと謎の音が聞こえてきた。
 やっぱり、危なすぎるし、怖すぎーー!
 あとお前ら。面白いからって、ギャハハハって笑うなし。笑いすぎ笑いすぎ。


 ♢  ♢  ♢  ♢  ♢
 

「ひっ!ひーっ!」
「ついたよ」
「ホッ!」
 

 ビビりながらも、なんやかんやで奥まできた俺たち。


「びびっていたのは主人だけなのだ~まさか主人にこんな弱点があるとは思わなかったのだ~」
『プププ~なのです』
「そこ、うるさい」


 全く、こんな不気味な屋敷が怖くない人間なんていないだろう。……って、問題は、精霊とドラゴンは人間じゃないし、ウィリアムは頭のネジが飛んでるからそういう常識が通じないという事なんだけど。
 

「ここが瘴気が出ている元凶の部屋かー」

 
 ここに来て、俺の前に立ったウィリアムがなんの躊躇いもなく、ガチャリと扉を開けて、ずけずけと入って行く。ちょっと待て、まだ心の準備が出来ていないんだが?何開けちゃってくれてるの?


「ふむ。誰もいないみたいだね」
「へ?」


 おかしい。そう思ったが、確かに何も中で起こっていないので、警戒しながらも入る。
 あたりを見渡すと、何もない。
 --と思った次の瞬間、もくもくもく……と煙が出てきて、奥の方を覆う。


「おやおやおやおや……クフフフ……久しぶりに我が城への来客かー」


 奥に現れたのは、眼帯を巻いてマントを羽織った美少年が現れた。ただ、肌は透き通るような白で正気はない。


「もしもしポリスメン?」
「ここに衛兵はいないよ、動揺しすぎだ、ジークハルト」


 いけないいけない。動揺して口走った事をウィリアムに突っ込まれてしまった。
 不法侵入罪でとっ捕まえてもらおうと思ったが、どー考えても相手は人外の上、ポリスも来てくれそうにない。
 
 
「ふふふ……君たち、面白いね。我の眠りを妨げたのはどこのどいつなんだろうね」


 --ごくりっ!謎の圧が俺たちを覆う。
 目の前にいる少年は結構高位の人外なのだろう。エンシェントドラゴンほどでは無いがまあまあ強そうだ。


「眠りを妨げたのは間違いなくこの人だよ?」
「へ?」


 ウィリアムが俺を指差して、少年に向かってそういう。


『そうなのです』「残念ながらそうなのだ~」
「おいこら」


 仲間だと思っていた従魔や友人に、揃いも揃って、裏切ってくる。


「クフフ……君、面白い~僕とお友達になろ~!」


 そう言って、少年はさらに瘴気と圧を増やして俺を拘束しようとする。
 そうはさせない。


「ホーリーエリア」


 俺はとりあえず、この部屋一帯を聖なる空間にした。


「うええええ~!くるしい~!」


 少々かわいそうだが、仕方がない。
 

「ライトチェイン」


 俺はそのまま少年を拘束した。

 
「へ?」


 何が起こっているか分からなさそう。
 まあ良いか。
 
「テイム」
「へ?」
 

 --ピッカーー!と光ると、少年との従魔契約は成立した。


「はあああああああああ?」



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