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第三章
64 安らぎをあなたに
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うつむいたままでいるクレイグが、ヒナリの手を拾い上げる。
その力は、まるで怒られた幼子が親の衣服の裾に縋るかのように弱々しかった。
「……ヒナリ」
「うん」
「……あの、ですね」
「ん?」
「その……今日はずっと、私の部屋に居てくれませんか」
「……! 儀式、する……?」
「いえ。ただ、貴女にそばに居て欲しい……それだけなのですが。いかがでしょうか……」
顔を逸らし、視線を斜め下に落としたまま、気まずげに唇をもごもごと動かす。
明らかに自分の要求に照れているクレイグは、普段の冷静な態度からは想像も付かないほどに可愛らしかった。
ヒナリの方からぎゅっと手を握り返せば、クレイグがぱっと顔を上げる。ためらいを滲ませる表情をする賢者に向かって、ヒナリは安心させるような笑みを浮かべてみせた。
「ダメじゃないよ、クレイグ。今日はずっと、私がそばに居てあげる」
「あ、ありがとう、ございます……」
一瞬だけちらっとヒナリを見た金色の瞳が、すぐにおずおずと逃げていく。
ぎくしゃくとした様子に心をくすぐられたヒナリは、思わず声を弾ませてしまった。
「すぐに着替えてくるから。待っててね!」
「……ええ」
聖女の専属メイドたちは玄関ホールに続く廊下で待機していたようで、ヒナリが足早に階段を上り始めた途端に姿を現した。後ろからミュリエルがついてくる一方で、ヒナリに向かって軽く頭を下げたレイチェルが小走りで先にヒナリの部屋へと向かう。
ヒナリが自室に着く頃には着替えの準備が整えられていた。ふたりに手伝ってもらいながら急いで聖女のローブを脱ぎ、室内用の楽な下着につけかえる。恐らくすぐに眠ってしまうであろうクレイグに合わせて寝間着に着替えて、その上からガウンをまとった姿でクレイグの部屋へと向かった。
部屋の扉の前では執事のライズボローが待ち構えていた。『クレイグ様は寝室でお待ちです』と伝えられて扉が開かれる。ヒナリが逸る気持ちを抑えて寝室へと足を踏み入れると、クレイグは寝間着姿でベッドに腰掛けていた。眼鏡越しに見える目は半分閉じていて、ぐらりと体が傾いた途端にはっと目を見開いて背筋を伸ばす。
頑張って起きようとしている様子が子供のようで、ヒナリは見られていないのをいいことに遠慮なく頬をゆるめてしまった。
「お待たせしちゃってごめんなさい、クレイグ」
「……ああ、ヒナリ。お待ちしてました……」
言い終えないうちからまた、まぶたが重たげに落ちていく。
ヒナリがベッドに座ると、クレイグは頭をぐらぐらと揺らしながら掛布団の中に下半身を入れ、それからもぞもぞと奥に移動してヒナリの寝る位置を空けてくれた。
隣に滑り込み、クレイグの背中を支えてゆっくりと枕の上に頭を乗せさせる。眼鏡をそっと取り外してあげれば中から現れた目はほとんど閉じていた。
ヒナリも続いて仰向けになると、クレイグの横顔を見て、小声で呼び掛けた。
「ぐっすり寝てね、クレイグ。おやすみなさい」
「……はい、ヒナリ、わがままを聞いてくださって、ありがとう、ございます……。おやすみ、なさい……」
微かに開いた唇から、すぐにすやすやと健やかな寝息が洩れ始める。
一瞬にして眠りに落ちてしまった賢者の顔を眺めつつ、ヒナリは胸の内に独り言をこぼした。
(またクレイグと一緒に居られるようになって、本当に良かった)
そう思いながらほっと息を吐き出した途端、全身にどっと疲れを感じた。
(あら? 私も疲れてるみたい。さっきの光って魔力放出の光だったのかな。まだどの賢者からも魔力をもらってなかったのに。なんでだろ……)
考えを巡らすうちに、ヒナリもまた眠りの世界に引きずり込まれていったのだった。
ヒナリが目を覚ますと、隣には眠りに就く前と同じ寝顔があった。随分と深く眠っている様子に、いかにクレイグが追い詰められていたかが窺える。
視線を反対側に向けて窓の方を見る。カーテンの隙間には光が見えなかった。まだ夜が明けていないのかも知れない。食事すら摂らずに昼間から一度も起きなかった自身に驚かされてしまう。
クレイグを起こしてしまわないように、衣擦れの音を鳴らさずに起き上がる。めくれてしまった掛布団を、そっと元の状態に戻す。
その間、クレイグはひたすら規則正しい寝息を繰り返すばかりだった。
普段は気難しげな顔をした賢者の安らいだ寝顔を見て、思わず顔が綻びる。
ヒナリはゆっくりと身を屈めると、吐息をこぼす唇にそっと自分の唇を押し当てた。
柔らかな感触に、胸がときめく。
起き上がり、賢者の寝顔に囁きかける。
「いつも頑張ってくれてありがとう、クレイグ。これからもよろしくね」
ヒナリはベッドを揺らしてしまわないよう慎重に立ち上がると、クレイグの部屋を後にした。
「……。……なんていじらしいことをなさるんですか、貴女は……」
唇に優しい感触を覚えた瞬間にクレイグは目覚めたのだが、聖女からの思い掛けない施しに動揺してしまい、目を開くタイミングを逃してしまったのだった。
強張る体を動かして布団の中から手を出し、口付けの余韻の残る唇を指先でそっとなぞってみる。
「ああいうことをされた場合、起きてしまっても良いのだろうか……」
目を開けたときのことを想像してみる。ヒナリはきっと、顔を赤らめて逃げてしまうことだろう。
どう反応したらよかったのだろう、今回のことが落ち着いたら、どうすべきだったか皆に聞いてみよう――そんなことを考えながら、クレイグは重たいまぶたを再び下ろしたのだった。
◇◇◆◇◇
数日後。神殿からのお咎めは、女神の恩赦により正式に『一切なし』と確定した。
聖女がまるで祈りの儀のときのような光を放ち、聖女の身を通して女神から恩赦が下されたという奇跡の現象に国民が沸く一方で、王立魔法薬学研究所からクレイグに処分が下された。
特別顧問の肩書きの剥奪、一年間の自宅謹慎、そして十年間の報酬返上。研究員への処分の中では類を見ない重い処分が下されたとのことだった。
ヒナリがクレイグの部屋を訪ねると、クレイグは真剣な顔をしてペンを便箋に走らせていた。
すぐに手を止めて、ソファーを勧めてくる。ヒナリがそこに腰掛けると、クレイグもまたヒナリの横に移動してきた。
ヒナリは少し腰を持ち上げて隣に向き直ると、誰が聞いているわけでもないのにこそっとクレイグに話し掛けた。
「ねえクレイグ、報酬返上って聞いたよ。それも十年間も。だから、聖女が賢者のみんなのように褒賞金をもらえるかどうか分からないけど、もしもらえたらそれを渡すからね」
「はあ? ――ははっ」
愕然とした表情に変わったクレイグが、いきなり破顔し腹を抱えて笑い出した。
「何をおっしゃいますかヒナリ! 私は賢者がお務め終了時に頂ける褒賞金以上の蓄えが既にあるのですよ? 様々な薬の発明対価で収入が途絶えることもありませんし」
「あ、そうなんだ……」
余計な申し出をしてしまったことに気付けば、たちまち耳が熱くなる。
ヒナリが羞恥に縮こまる横で、クレイグが眼鏡を外して笑い涙を拭う。
そこまで笑わなくてもとヒナリがむくれていると、眼鏡を掛け直したクレイグがぽつりと言った。
「まあ、私の蓄えなぞ、貴女がもらえる額には到底及びませんけどね」
「えっ?」
信じられない言葉が聞こえてきて、ただただきょとんとする。
「え、え? 聖女ってそんなにもらえるものなの……!?」
「そうですよ? ああ、そういえば褒賞金について詳しくご説明差し上げたことはありませんでしたね。表現は低俗にはなりますが、まさに【一生遊んで暮らせるほどの莫大な褒賞金】がお務め終了後の聖女様には贈られます。聖女様の世界への貢献は、それほどまでに偉大なことであると、もっと自覚なさい」
「はわ……」
以前、もし聖女も褒賞金がもらえたら自由に旅行できるかもなどと、呑気に夢想したことがあった。
(旅行、本当に行けちゃうかも。でも今はお務めが終わったあとのことを考えるのは良くない気がする)
ヒナリは両手で頬を押さえると、完全浄化後に思いを馳せてしまいそうになる心を無理やり抑え付けた。
頭を切り替えて、クレイグの処分について話題を戻す。
「それにしても、一年間研究所に行けなくなっちゃうなんて大変だね」
「ええ。関係者に多大なるご迷惑をお掛けすることになるのが非常に心苦しいですね。個人でおこなっている研究の方はこの邸宅内でも進められるのですが」
ヒナリの方に振り向き、申し訳なさげな笑みを浮かべる。
「ただ、こうして普段より長く貴女のお側に在れることについてだけは、降って湧いた幸運だと言いたくなりますね。大変不謹慎ではありますが」
「そんなに嬉しい?」
「もちろんです」
「そうなんだ……」
どれだけ嬉しいのかを、もっと教えて欲しい――。
そう言葉にする変わりにまぶたを下ろせば、すぐに唇を重ねられた。
軽く触れるだけの口付けが、次第に深くなっていく。舌の絡み合う水音と、抱き締め合う衣擦れの音が、ふたりの交わりを静寂に際立たせていく。
これからもこうして、クレイグとキスできるんだ――その喜びで胸が満ちゆく中、ヒナリは夢中でクレイグの唇を求め続けたのだった。
その力は、まるで怒られた幼子が親の衣服の裾に縋るかのように弱々しかった。
「……ヒナリ」
「うん」
「……あの、ですね」
「ん?」
「その……今日はずっと、私の部屋に居てくれませんか」
「……! 儀式、する……?」
「いえ。ただ、貴女にそばに居て欲しい……それだけなのですが。いかがでしょうか……」
顔を逸らし、視線を斜め下に落としたまま、気まずげに唇をもごもごと動かす。
明らかに自分の要求に照れているクレイグは、普段の冷静な態度からは想像も付かないほどに可愛らしかった。
ヒナリの方からぎゅっと手を握り返せば、クレイグがぱっと顔を上げる。ためらいを滲ませる表情をする賢者に向かって、ヒナリは安心させるような笑みを浮かべてみせた。
「ダメじゃないよ、クレイグ。今日はずっと、私がそばに居てあげる」
「あ、ありがとう、ございます……」
一瞬だけちらっとヒナリを見た金色の瞳が、すぐにおずおずと逃げていく。
ぎくしゃくとした様子に心をくすぐられたヒナリは、思わず声を弾ませてしまった。
「すぐに着替えてくるから。待っててね!」
「……ええ」
聖女の専属メイドたちは玄関ホールに続く廊下で待機していたようで、ヒナリが足早に階段を上り始めた途端に姿を現した。後ろからミュリエルがついてくる一方で、ヒナリに向かって軽く頭を下げたレイチェルが小走りで先にヒナリの部屋へと向かう。
ヒナリが自室に着く頃には着替えの準備が整えられていた。ふたりに手伝ってもらいながら急いで聖女のローブを脱ぎ、室内用の楽な下着につけかえる。恐らくすぐに眠ってしまうであろうクレイグに合わせて寝間着に着替えて、その上からガウンをまとった姿でクレイグの部屋へと向かった。
部屋の扉の前では執事のライズボローが待ち構えていた。『クレイグ様は寝室でお待ちです』と伝えられて扉が開かれる。ヒナリが逸る気持ちを抑えて寝室へと足を踏み入れると、クレイグは寝間着姿でベッドに腰掛けていた。眼鏡越しに見える目は半分閉じていて、ぐらりと体が傾いた途端にはっと目を見開いて背筋を伸ばす。
頑張って起きようとしている様子が子供のようで、ヒナリは見られていないのをいいことに遠慮なく頬をゆるめてしまった。
「お待たせしちゃってごめんなさい、クレイグ」
「……ああ、ヒナリ。お待ちしてました……」
言い終えないうちからまた、まぶたが重たげに落ちていく。
ヒナリがベッドに座ると、クレイグは頭をぐらぐらと揺らしながら掛布団の中に下半身を入れ、それからもぞもぞと奥に移動してヒナリの寝る位置を空けてくれた。
隣に滑り込み、クレイグの背中を支えてゆっくりと枕の上に頭を乗せさせる。眼鏡をそっと取り外してあげれば中から現れた目はほとんど閉じていた。
ヒナリも続いて仰向けになると、クレイグの横顔を見て、小声で呼び掛けた。
「ぐっすり寝てね、クレイグ。おやすみなさい」
「……はい、ヒナリ、わがままを聞いてくださって、ありがとう、ございます……。おやすみ、なさい……」
微かに開いた唇から、すぐにすやすやと健やかな寝息が洩れ始める。
一瞬にして眠りに落ちてしまった賢者の顔を眺めつつ、ヒナリは胸の内に独り言をこぼした。
(またクレイグと一緒に居られるようになって、本当に良かった)
そう思いながらほっと息を吐き出した途端、全身にどっと疲れを感じた。
(あら? 私も疲れてるみたい。さっきの光って魔力放出の光だったのかな。まだどの賢者からも魔力をもらってなかったのに。なんでだろ……)
考えを巡らすうちに、ヒナリもまた眠りの世界に引きずり込まれていったのだった。
ヒナリが目を覚ますと、隣には眠りに就く前と同じ寝顔があった。随分と深く眠っている様子に、いかにクレイグが追い詰められていたかが窺える。
視線を反対側に向けて窓の方を見る。カーテンの隙間には光が見えなかった。まだ夜が明けていないのかも知れない。食事すら摂らずに昼間から一度も起きなかった自身に驚かされてしまう。
クレイグを起こしてしまわないように、衣擦れの音を鳴らさずに起き上がる。めくれてしまった掛布団を、そっと元の状態に戻す。
その間、クレイグはひたすら規則正しい寝息を繰り返すばかりだった。
普段は気難しげな顔をした賢者の安らいだ寝顔を見て、思わず顔が綻びる。
ヒナリはゆっくりと身を屈めると、吐息をこぼす唇にそっと自分の唇を押し当てた。
柔らかな感触に、胸がときめく。
起き上がり、賢者の寝顔に囁きかける。
「いつも頑張ってくれてありがとう、クレイグ。これからもよろしくね」
ヒナリはベッドを揺らしてしまわないよう慎重に立ち上がると、クレイグの部屋を後にした。
「……。……なんていじらしいことをなさるんですか、貴女は……」
唇に優しい感触を覚えた瞬間にクレイグは目覚めたのだが、聖女からの思い掛けない施しに動揺してしまい、目を開くタイミングを逃してしまったのだった。
強張る体を動かして布団の中から手を出し、口付けの余韻の残る唇を指先でそっとなぞってみる。
「ああいうことをされた場合、起きてしまっても良いのだろうか……」
目を開けたときのことを想像してみる。ヒナリはきっと、顔を赤らめて逃げてしまうことだろう。
どう反応したらよかったのだろう、今回のことが落ち着いたら、どうすべきだったか皆に聞いてみよう――そんなことを考えながら、クレイグは重たいまぶたを再び下ろしたのだった。
◇◇◆◇◇
数日後。神殿からのお咎めは、女神の恩赦により正式に『一切なし』と確定した。
聖女がまるで祈りの儀のときのような光を放ち、聖女の身を通して女神から恩赦が下されたという奇跡の現象に国民が沸く一方で、王立魔法薬学研究所からクレイグに処分が下された。
特別顧問の肩書きの剥奪、一年間の自宅謹慎、そして十年間の報酬返上。研究員への処分の中では類を見ない重い処分が下されたとのことだった。
ヒナリがクレイグの部屋を訪ねると、クレイグは真剣な顔をしてペンを便箋に走らせていた。
すぐに手を止めて、ソファーを勧めてくる。ヒナリがそこに腰掛けると、クレイグもまたヒナリの横に移動してきた。
ヒナリは少し腰を持ち上げて隣に向き直ると、誰が聞いているわけでもないのにこそっとクレイグに話し掛けた。
「ねえクレイグ、報酬返上って聞いたよ。それも十年間も。だから、聖女が賢者のみんなのように褒賞金をもらえるかどうか分からないけど、もしもらえたらそれを渡すからね」
「はあ? ――ははっ」
愕然とした表情に変わったクレイグが、いきなり破顔し腹を抱えて笑い出した。
「何をおっしゃいますかヒナリ! 私は賢者がお務め終了時に頂ける褒賞金以上の蓄えが既にあるのですよ? 様々な薬の発明対価で収入が途絶えることもありませんし」
「あ、そうなんだ……」
余計な申し出をしてしまったことに気付けば、たちまち耳が熱くなる。
ヒナリが羞恥に縮こまる横で、クレイグが眼鏡を外して笑い涙を拭う。
そこまで笑わなくてもとヒナリがむくれていると、眼鏡を掛け直したクレイグがぽつりと言った。
「まあ、私の蓄えなぞ、貴女がもらえる額には到底及びませんけどね」
「えっ?」
信じられない言葉が聞こえてきて、ただただきょとんとする。
「え、え? 聖女ってそんなにもらえるものなの……!?」
「そうですよ? ああ、そういえば褒賞金について詳しくご説明差し上げたことはありませんでしたね。表現は低俗にはなりますが、まさに【一生遊んで暮らせるほどの莫大な褒賞金】がお務め終了後の聖女様には贈られます。聖女様の世界への貢献は、それほどまでに偉大なことであると、もっと自覚なさい」
「はわ……」
以前、もし聖女も褒賞金がもらえたら自由に旅行できるかもなどと、呑気に夢想したことがあった。
(旅行、本当に行けちゃうかも。でも今はお務めが終わったあとのことを考えるのは良くない気がする)
ヒナリは両手で頬を押さえると、完全浄化後に思いを馳せてしまいそうになる心を無理やり抑え付けた。
頭を切り替えて、クレイグの処分について話題を戻す。
「それにしても、一年間研究所に行けなくなっちゃうなんて大変だね」
「ええ。関係者に多大なるご迷惑をお掛けすることになるのが非常に心苦しいですね。個人でおこなっている研究の方はこの邸宅内でも進められるのですが」
ヒナリの方に振り向き、申し訳なさげな笑みを浮かべる。
「ただ、こうして普段より長く貴女のお側に在れることについてだけは、降って湧いた幸運だと言いたくなりますね。大変不謹慎ではありますが」
「そんなに嬉しい?」
「もちろんです」
「そうなんだ……」
どれだけ嬉しいのかを、もっと教えて欲しい――。
そう言葉にする変わりにまぶたを下ろせば、すぐに唇を重ねられた。
軽く触れるだけの口付けが、次第に深くなっていく。舌の絡み合う水音と、抱き締め合う衣擦れの音が、ふたりの交わりを静寂に際立たせていく。
これからもこうして、クレイグとキスできるんだ――その喜びで胸が満ちゆく中、ヒナリは夢中でクレイグの唇を求め続けたのだった。
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