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第6話
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目を開いた途端、テレシュナは自分が横座りの姿勢できつく誰かに抱きしめられていることに気付いた。他人と接する機会が極端に少ないテレシュナは、自分以外の体温を感じるのはドラヒポ以外は初めてだった。必死に身をよじって抵抗する。
「いやっ、離して、離して……!」
「なんでそんなに嫌がるんだよ」
聞き覚えのある声。見上げると、吐息が触れるほどそばに淫魔の顔があった。その表情は、切なげにしかめられている。
テレシュナは、惜しみなく色気をふりまく顔面からあたふたと顔を背けると、淫魔の胸をぎゅうぎゅうと押して距離を取ろうとした。
「離してくださいってば……! ダメなんです、こういうの!」
「何がダメなんだよ」
「気色悪いんです!」
「そんなに悪魔が嫌いかよ」
「違います! 私の方が、気色悪いんです!」
「……へ?」
間の抜けた声が聞こえて来たかと思えば、強引に顎をすくわれて視線を絡められた。眼鏡のレンズ越しに見上げた瞳は、真剣そのものだった。
「あんた、自分で自分のこと気色悪いって思ってんの?」
「そうです!」
「誰かにそう言われたのか? 誰だよ、そんなありえねえこと言ったのは。教えろ、そいつのことぶん殴ってくるから」
「あの、誰にも言われては、ないです……」
「じゃあなんで、そう思う」
「それは……」
きっかけを思い出そうとすれば、視線が下がっていく。
まだ魔女として独り立ちしたばかりの頃の、二度と思い出したくない記憶。胃の辺りがぎゅっとなり、苦しさに呼吸が浅くなる。
うつむいたまま、視線を辺りにさまよわせる。今テレシュナがいるのは、人間界と使い魔の住む世界の中間地点である、【中間層】と呼ばれる場所だった。人間界の生き物は、ここから先、精霊界や魔界へは行くことができない。
初めて訪れる場所に若干興味をひかれつつも、テレシュナが何も言えずにいると、突然頭の上に手を置かれた。慣れない感覚に、びくっと背が跳ねる。
固まるテレシュナを安心させるかのように、淫魔はテレシュナの髪を何度もそっと撫で始めた。その手付きは、乱暴な口調からは想像もつかないほどに、優しさに満ちあふれていた。
「悪ぃ、無理やり話させようとしちまって。でも、俺、さっき言いかけたこと、ホントだから。あんたに惚れちまったんだ。あんたが苦しんでるなら、放っておけない。ちょっとずつでいいから、聞かせてくれねえか」
「……笑ったり、しませんか」
「もちろん」
即答に視線を返せば、淫魔の顔からは笑みが消えていた。真剣に耳を傾けてくれようとしている、悪魔の意外な態度に驚きを覚えつつ、思い切って自身について語り出す。
「……私、魔法が好きで好きでたまらなくて、一生懸命魔法の練習をしてたんです」
「へえ? 魔女にしちゃ珍しいな」
魔女という生き物は元来、享楽的な生き物である。なぜなら元から持ち合わせた能力だけで生きていけるため、努力というものをする必要がないからだ。
人間には決して作ることのできない魔法薬や魔道具を時折作って売るだけで、暮らしていける金を稼げる。そのため、少しだけ仕事に該当する作業をしておけば、それ以外の時間は遊びほうけていたとしても困ることはない。
魔法の鍛錬に明け暮れていたある日、突如として体に現れた変化。それに対応する術は、魔女に関する書物のどれを見ても載っていなかった。
「魔女が鍛錬に励むなんて、珍しい、ですよね。それで、気付いたら、いつの間にかこうなってたんです。お見せするのは心苦しいですけど……」
と言って、淫魔の腕の中で、おずおずと手を持ち上げて、丸眼鏡に指先を添える。それを外してみせたときの相手の反応を想像すれば、手が震えだす。
すると、またテレシュナの頭が大きな手のひらに撫でられだした。その優しい感触に促されて、勇気を出して眼鏡を外す。
裸眼で淫魔を見上げる。赤い目は、大きく見開かれていた。
「目が、虹色……? に、なってるのか……?」
淫魔のつぶやきが聞こえてきた瞬間、テレシュナは慌てて眼鏡を掛け直してそっぽを向いた。
「す、すみません気色悪いものをお見せしちゃって!」
「気色悪い? どこが」
「だって、街に出たとき、街の人たちが一斉に私のことをじろじろ見てきて眉をひそめてたんですよ! きっと不気味だって思われたに違いないです。だから私は、こうして魔道具の眼鏡を自作して、目が虹色だって気付かれないようにしてるんです」
「認識阻害魔法を掛けてあるのか。それで、眼鏡を掛けると濃い灰色に見えるんだな」
「はい。こうして初めから不気味な色に見えるようにしておけば、気味悪がられても当然って思えるから……」
「……俺は、好きだぜ、あんたの瞳」
「ほえ!?」
完全に予想外の返答に、テレシュナは声がひっくり返ってしまった。
おっかなびっくり視線を返す。淫魔は、まるで綺麗な景色でも見るかのようなうっとりとした眼差しで、テレシュナの瞳を覗き込んできていた。
「……ああ、本当に、綺麗だ。あんたの瞳。いつまでも見ていられる」
「あ、悪趣味、ですね」
「悪趣味上等。俺は、自分でいいって思ったものは、胸を張って好きだと宣言する。あんたの虹色の瞳も、眼鏡を掛けたときの灰色の瞳も、どっちも好きだ」
「……!」
さっきまでのおどけた口調が噓のような、切々と語る低い声。
とくん、とくんと心臓が脈打ち始める。
高鳴る鼓動に息が詰まる。
息苦しさは、次第に強くなっていった。
「苦しい、です……」
全身で息を吸い込み、深く吐き出す。何度繰り返しても、胸苦しさはなくならない。
次第に頭も朦朧としてきた。
「あれ、おかしいな。なんでしょう、この感じ……」
小声でつぶやいた途端、淫魔がはっと目を見開いた。
「やべ、いつまでもここにいちゃマズいんだよな。俺も苦しくなってきた」
「あ、そっか、ここって中間層でした……」
話に夢中ですっかり忘れていた――今いる場所は、人間界と異界の狭間である緩衝地帯だ。別の世界の生き物が、他の世界へと飛ぶのを阻む空間。空気があり、地面もあり、即死こそしなくても、長居していたらいつしか死に至る――。テレシュナは以前、そういった知識を書物から得ていた。
息苦しさにふらつくテレシュナの背が、淫魔に支えられる。
「なあ。俺も、あんたのところに、ついていってもいいか」
「……。はい、来てください。さっきは突き返そうとしちゃってすみませんでした」
もう、自分の方こそ、この淫魔から離れたくない――。自分の心境の変化に驚きつつ、顔を上げてうなずいてみせれば、満面の笑みを返される。
(どうして、そんな嬉しそうなんですか)
その疑問は、口にできなかった。息苦しさが増す。空間全体が、存在を咎めてくる。
不意に、膝裏をすくいあげられる。その勢いのまま立ち上がった淫魔が、勢いよく地面を蹴った。
「いやっ、離して、離して……!」
「なんでそんなに嫌がるんだよ」
聞き覚えのある声。見上げると、吐息が触れるほどそばに淫魔の顔があった。その表情は、切なげにしかめられている。
テレシュナは、惜しみなく色気をふりまく顔面からあたふたと顔を背けると、淫魔の胸をぎゅうぎゅうと押して距離を取ろうとした。
「離してくださいってば……! ダメなんです、こういうの!」
「何がダメなんだよ」
「気色悪いんです!」
「そんなに悪魔が嫌いかよ」
「違います! 私の方が、気色悪いんです!」
「……へ?」
間の抜けた声が聞こえて来たかと思えば、強引に顎をすくわれて視線を絡められた。眼鏡のレンズ越しに見上げた瞳は、真剣そのものだった。
「あんた、自分で自分のこと気色悪いって思ってんの?」
「そうです!」
「誰かにそう言われたのか? 誰だよ、そんなありえねえこと言ったのは。教えろ、そいつのことぶん殴ってくるから」
「あの、誰にも言われては、ないです……」
「じゃあなんで、そう思う」
「それは……」
きっかけを思い出そうとすれば、視線が下がっていく。
まだ魔女として独り立ちしたばかりの頃の、二度と思い出したくない記憶。胃の辺りがぎゅっとなり、苦しさに呼吸が浅くなる。
うつむいたまま、視線を辺りにさまよわせる。今テレシュナがいるのは、人間界と使い魔の住む世界の中間地点である、【中間層】と呼ばれる場所だった。人間界の生き物は、ここから先、精霊界や魔界へは行くことができない。
初めて訪れる場所に若干興味をひかれつつも、テレシュナが何も言えずにいると、突然頭の上に手を置かれた。慣れない感覚に、びくっと背が跳ねる。
固まるテレシュナを安心させるかのように、淫魔はテレシュナの髪を何度もそっと撫で始めた。その手付きは、乱暴な口調からは想像もつかないほどに、優しさに満ちあふれていた。
「悪ぃ、無理やり話させようとしちまって。でも、俺、さっき言いかけたこと、ホントだから。あんたに惚れちまったんだ。あんたが苦しんでるなら、放っておけない。ちょっとずつでいいから、聞かせてくれねえか」
「……笑ったり、しませんか」
「もちろん」
即答に視線を返せば、淫魔の顔からは笑みが消えていた。真剣に耳を傾けてくれようとしている、悪魔の意外な態度に驚きを覚えつつ、思い切って自身について語り出す。
「……私、魔法が好きで好きでたまらなくて、一生懸命魔法の練習をしてたんです」
「へえ? 魔女にしちゃ珍しいな」
魔女という生き物は元来、享楽的な生き物である。なぜなら元から持ち合わせた能力だけで生きていけるため、努力というものをする必要がないからだ。
人間には決して作ることのできない魔法薬や魔道具を時折作って売るだけで、暮らしていける金を稼げる。そのため、少しだけ仕事に該当する作業をしておけば、それ以外の時間は遊びほうけていたとしても困ることはない。
魔法の鍛錬に明け暮れていたある日、突如として体に現れた変化。それに対応する術は、魔女に関する書物のどれを見ても載っていなかった。
「魔女が鍛錬に励むなんて、珍しい、ですよね。それで、気付いたら、いつの間にかこうなってたんです。お見せするのは心苦しいですけど……」
と言って、淫魔の腕の中で、おずおずと手を持ち上げて、丸眼鏡に指先を添える。それを外してみせたときの相手の反応を想像すれば、手が震えだす。
すると、またテレシュナの頭が大きな手のひらに撫でられだした。その優しい感触に促されて、勇気を出して眼鏡を外す。
裸眼で淫魔を見上げる。赤い目は、大きく見開かれていた。
「目が、虹色……? に、なってるのか……?」
淫魔のつぶやきが聞こえてきた瞬間、テレシュナは慌てて眼鏡を掛け直してそっぽを向いた。
「す、すみません気色悪いものをお見せしちゃって!」
「気色悪い? どこが」
「だって、街に出たとき、街の人たちが一斉に私のことをじろじろ見てきて眉をひそめてたんですよ! きっと不気味だって思われたに違いないです。だから私は、こうして魔道具の眼鏡を自作して、目が虹色だって気付かれないようにしてるんです」
「認識阻害魔法を掛けてあるのか。それで、眼鏡を掛けると濃い灰色に見えるんだな」
「はい。こうして初めから不気味な色に見えるようにしておけば、気味悪がられても当然って思えるから……」
「……俺は、好きだぜ、あんたの瞳」
「ほえ!?」
完全に予想外の返答に、テレシュナは声がひっくり返ってしまった。
おっかなびっくり視線を返す。淫魔は、まるで綺麗な景色でも見るかのようなうっとりとした眼差しで、テレシュナの瞳を覗き込んできていた。
「……ああ、本当に、綺麗だ。あんたの瞳。いつまでも見ていられる」
「あ、悪趣味、ですね」
「悪趣味上等。俺は、自分でいいって思ったものは、胸を張って好きだと宣言する。あんたの虹色の瞳も、眼鏡を掛けたときの灰色の瞳も、どっちも好きだ」
「……!」
さっきまでのおどけた口調が噓のような、切々と語る低い声。
とくん、とくんと心臓が脈打ち始める。
高鳴る鼓動に息が詰まる。
息苦しさは、次第に強くなっていった。
「苦しい、です……」
全身で息を吸い込み、深く吐き出す。何度繰り返しても、胸苦しさはなくならない。
次第に頭も朦朧としてきた。
「あれ、おかしいな。なんでしょう、この感じ……」
小声でつぶやいた途端、淫魔がはっと目を見開いた。
「やべ、いつまでもここにいちゃマズいんだよな。俺も苦しくなってきた」
「あ、そっか、ここって中間層でした……」
話に夢中ですっかり忘れていた――今いる場所は、人間界と異界の狭間である緩衝地帯だ。別の世界の生き物が、他の世界へと飛ぶのを阻む空間。空気があり、地面もあり、即死こそしなくても、長居していたらいつしか死に至る――。テレシュナは以前、そういった知識を書物から得ていた。
息苦しさにふらつくテレシュナの背が、淫魔に支えられる。
「なあ。俺も、あんたのところに、ついていってもいいか」
「……。はい、来てください。さっきは突き返そうとしちゃってすみませんでした」
もう、自分の方こそ、この淫魔から離れたくない――。自分の心境の変化に驚きつつ、顔を上げてうなずいてみせれば、満面の笑みを返される。
(どうして、そんな嬉しそうなんですか)
その疑問は、口にできなかった。息苦しさが増す。空間全体が、存在を咎めてくる。
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