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第35話 感謝したのに褒められた
「デイカー、遅いら」
「そうだね、全然来ないね」
「どうしたんだろうか?」
「また誰かに仕事を頼まれちゃったんじゃない?」
「デイカー、人がいいら」
「そうだな。いつも親身になってあげるからな」
「……何も知らないからそれができるんだけどね」
「……まあな」
「……そうら」
三人が不思議なことを言っていた。
何も知らないからってどういうことなんだろう?
「ねぇ、クード。何も知らないからってどういうこと?」
「えっ、ああ~こっちの話、こっちの話。エルは気にしないで」
「……そうなの?」
「あっ、デイカーが来ましたよ! 私、こっちに呼んできますね」
店の入り口に来ていたデイカーにシサが気づいた。
お昼のピークはとっくに過ぎて、ランチタイムの営業が終わるところだった。
開店時から来ていたコロン、クード、フェオの三人はとっくに食べ終わってデイカーが来るのを待っていた。
「すまない、遅くなってしまった」
シサに案内されて、デイカーがカウンターに来た。
「デイカー、いらっしゃい。まだランチは残っているわ。今日の日替わりランチは鶏の塩麹唐揚げよ」
「デイカー、遅かったら」
「また誰かに何か頼まれてたの?」
「何かあったのか?」
「いや、そうじゃない。呼ばれてあっちに戻っていた」
「うわ~そりゃ大変だったね。あの後行ったんだ……それに行き帰りの時間のほうが、向こうにいる時間より長いしね……」
「そうだな……。それは大変だったな……」
「船で行くのは大変ら……」
「……しょうがない」
「……そうだね。でもまぁこれも後少しのことだし」
そうだった。この国での依頼が済んだらデイカー達はラデュレラ王国に戻ってしまうのだ。
「もうすぐ終わりそうなのかしら?」
毎日来てくれた人が来なくなると寂しくなる。
「いや、まだかかるよ。なかなか駆除できないんだよね」
「S級冒険者でも大変な案件なんですね」
「でもそのおかげでまだエルのシフォンケーキやご飯が食べれるら」
「うん、うん、そうだな」
フェオが相槌を打つ。
「ああ、それは嬉しいことだ」
「うん、僕達もうすっかり常連だしね」
「いつも来てくれてありがとう」
私はみんなが毎日食べに来てくれることがとても嬉しかった。
「ところで、デイカーはどうしますか?日替わりランチで良かったですか?」
話に夢中になってしまって、デイカーの注文を聞くのをすっかり忘れてしまっていた。
「デイカー、僕“粘る大豆“を食べてみたんだけど、君もどう?」
「“粘る大豆“? そんなものがあるのか? 面白そうだな。それに味噌スープがついているなら、それにしよう」
「ついてたよ。じゃあデイカーも今日は“粘る大豆“で」
「シサ、“粘る大豆“を頼みたい」
「はーい! わかりました。“粘る大豆“ですね!」
「デイカー、大丈夫? ちょっとベタベタする大豆なんだけど……」
「ああ、でもクードは食べたんだろう?」
「そうだけど……」
「私、デイカーがどんな反応するか気になってたので、是非食べてみてくださいよ」
シサは自分が口に合わなかったのにデイカーに勧めていた。
私もデイカーが納豆を食べた時にどんな反応をするのかは気になってはいたけど……。
「エル、注文は“粘る大豆“で大丈夫だ」
「わかったわ。少し待っててね」
結局そのままデイカーは“粘る大豆“を注文した。
私はデイカーにクードと同じ“粘る大豆“セットを作った。
「できたわ。シサ、お願い」
「はーい」
シサがデイカーのところへ持って行った。
「はい、お待たせしました。“粘る大豆“のセットと調味料の醤油です!」
「ありがとう。……これはどうやって食べるものなんだ?」
「これはね、まずよく“粘る大豆“を混ぜて、調味料の醤油をかけて、ライスに載せて食べるの」
「わかった」
デイカーは私に言われた通りにして一口食べてみた。
ぱくっ
もぐもぐもぐ
「……不思議な大豆だ。エルの言う通り、少し口の中がベタつくが俺は食べれる。これはどうやって作ったんだ?」
「これは前にデイカーに作ってもらった魔道具を使って作ったのよ」
「あの麹菌を集める魔道具か。それで今度は他の菌を集めたってことだろうか?」
「さすがデイカー。察しがいいわね。その通りよ。“納豆菌“って言うものを集めてみたの」
「納豆菌……それが大豆に集まると“粘る大豆“になるんだな」
デイカーは納豆をまじまじと見た。
「デイカーも僕と一緒で大丈夫だったみたいだね」
「デイカーはいいのら。コロンは無理ら」
「俺も案外大丈夫だったから、デイカーもそうだと思ったよ」
「ダメなのは私とコロンだけでしたね。今回は見事に予想が外れてしまいましたね」
三人とシサは面白そうにデイカーの反応を見ていたが、シサだけは残念そうな顔をした。
「エル、遅くなったが、実は今日はコーヒーの実を焙煎までできる魔道具を持ってきている」
「できたのね! ありがとう。あとで見せてもらっていいかしら?」
「ああ、でも店は大丈夫だろうか?」
今のところ、残っていたお客様はデイカー達だけだった。
「大丈夫よ。シサ、ちょっとcloseにしてきてくれる?」
「はーい! わかりました」
シサが入り口に向かった。
「エル、ちょくちょく途中からcloseにしちゃっている気がするけど、お店大丈夫なの?」
クードが心配そうに聞いてきた。
「それは俺も気になってたよ。こんなにcloseにしちゃってたら売り上げは大丈夫なのか?」
フェオも聞いてくる。
行き当たりばったりでcloseにしてるようにみえたかもしれないけど、私はお願いしているものがすべて出来上がるまでの間だけだと考えていた。
それに…
「ええ、大丈夫よ。クードのおかげで」
「えっ? どう言うこと? 僕のおかげって?」
「ありがたいことにクードのおかげで女性客が増えて売上が上がっているの」
だから大丈夫なのだ。
「%&$&~」
クードがなんとも言えない声を上げる。
「クードのモテもたまには役立つら」
「そうだな。たまには役に立つもんだ」
「……まぁ、本人にとっては大変だと思うが」
デイカーだけは同情の目を向けていた。
元々お客様は女性客中心だったけど、クードがランチタイムにここに通うようになってから、より一層女性客が増えていた。
以前のように直接クードに声をかけてくるような人こそいないけど、カウンターに座っているクードを会計の時にチラチラと気にして見ている人も多かった。
「クードのおかげよ、ありがとう」
「……お礼言われたけど、僕はただエルの料理が好きで、ここが居心地がよくて、来てるだけだからね。それにエルは僕のおかげって思ってるかもしれないけど、僕はエルの料理が珍しくて美味しいから来る女性が増えてるんだと思う」
「それは大いにあるだろう」
フェオは頷いた。
「ああ。俺たちも毎日通うぐらいだからな」
デイカーは言う。
「コロンもそう思うら」
コロンもクードに賛同した。
私はクードのおかげだと思ってお礼を言っていたつもりが、私の方が褒められてしまい、恥ずかしくなってしまった。
「closeにしてきましたよ~あれ? オーナー、顔が赤い。どうしたんですか?」
シサが戻ってきた。
「ううん、なんでもないわ」
私は恥ずかしさで顔が赤くなってしまったようだ。
デイカーの食事が終わったら、持ってきてくれたコーヒーの実を焙煎までできる魔道具を見せてもらおう。
「そうだね、全然来ないね」
「どうしたんだろうか?」
「また誰かに仕事を頼まれちゃったんじゃない?」
「デイカー、人がいいら」
「そうだな。いつも親身になってあげるからな」
「……何も知らないからそれができるんだけどね」
「……まあな」
「……そうら」
三人が不思議なことを言っていた。
何も知らないからってどういうことなんだろう?
「ねぇ、クード。何も知らないからってどういうこと?」
「えっ、ああ~こっちの話、こっちの話。エルは気にしないで」
「……そうなの?」
「あっ、デイカーが来ましたよ! 私、こっちに呼んできますね」
店の入り口に来ていたデイカーにシサが気づいた。
お昼のピークはとっくに過ぎて、ランチタイムの営業が終わるところだった。
開店時から来ていたコロン、クード、フェオの三人はとっくに食べ終わってデイカーが来るのを待っていた。
「すまない、遅くなってしまった」
シサに案内されて、デイカーがカウンターに来た。
「デイカー、いらっしゃい。まだランチは残っているわ。今日の日替わりランチは鶏の塩麹唐揚げよ」
「デイカー、遅かったら」
「また誰かに何か頼まれてたの?」
「何かあったのか?」
「いや、そうじゃない。呼ばれてあっちに戻っていた」
「うわ~そりゃ大変だったね。あの後行ったんだ……それに行き帰りの時間のほうが、向こうにいる時間より長いしね……」
「そうだな……。それは大変だったな……」
「船で行くのは大変ら……」
「……しょうがない」
「……そうだね。でもまぁこれも後少しのことだし」
そうだった。この国での依頼が済んだらデイカー達はラデュレラ王国に戻ってしまうのだ。
「もうすぐ終わりそうなのかしら?」
毎日来てくれた人が来なくなると寂しくなる。
「いや、まだかかるよ。なかなか駆除できないんだよね」
「S級冒険者でも大変な案件なんですね」
「でもそのおかげでまだエルのシフォンケーキやご飯が食べれるら」
「うん、うん、そうだな」
フェオが相槌を打つ。
「ああ、それは嬉しいことだ」
「うん、僕達もうすっかり常連だしね」
「いつも来てくれてありがとう」
私はみんなが毎日食べに来てくれることがとても嬉しかった。
「ところで、デイカーはどうしますか?日替わりランチで良かったですか?」
話に夢中になってしまって、デイカーの注文を聞くのをすっかり忘れてしまっていた。
「デイカー、僕“粘る大豆“を食べてみたんだけど、君もどう?」
「“粘る大豆“? そんなものがあるのか? 面白そうだな。それに味噌スープがついているなら、それにしよう」
「ついてたよ。じゃあデイカーも今日は“粘る大豆“で」
「シサ、“粘る大豆“を頼みたい」
「はーい! わかりました。“粘る大豆“ですね!」
「デイカー、大丈夫? ちょっとベタベタする大豆なんだけど……」
「ああ、でもクードは食べたんだろう?」
「そうだけど……」
「私、デイカーがどんな反応するか気になってたので、是非食べてみてくださいよ」
シサは自分が口に合わなかったのにデイカーに勧めていた。
私もデイカーが納豆を食べた時にどんな反応をするのかは気になってはいたけど……。
「エル、注文は“粘る大豆“で大丈夫だ」
「わかったわ。少し待っててね」
結局そのままデイカーは“粘る大豆“を注文した。
私はデイカーにクードと同じ“粘る大豆“セットを作った。
「できたわ。シサ、お願い」
「はーい」
シサがデイカーのところへ持って行った。
「はい、お待たせしました。“粘る大豆“のセットと調味料の醤油です!」
「ありがとう。……これはどうやって食べるものなんだ?」
「これはね、まずよく“粘る大豆“を混ぜて、調味料の醤油をかけて、ライスに載せて食べるの」
「わかった」
デイカーは私に言われた通りにして一口食べてみた。
ぱくっ
もぐもぐもぐ
「……不思議な大豆だ。エルの言う通り、少し口の中がベタつくが俺は食べれる。これはどうやって作ったんだ?」
「これは前にデイカーに作ってもらった魔道具を使って作ったのよ」
「あの麹菌を集める魔道具か。それで今度は他の菌を集めたってことだろうか?」
「さすがデイカー。察しがいいわね。その通りよ。“納豆菌“って言うものを集めてみたの」
「納豆菌……それが大豆に集まると“粘る大豆“になるんだな」
デイカーは納豆をまじまじと見た。
「デイカーも僕と一緒で大丈夫だったみたいだね」
「デイカーはいいのら。コロンは無理ら」
「俺も案外大丈夫だったから、デイカーもそうだと思ったよ」
「ダメなのは私とコロンだけでしたね。今回は見事に予想が外れてしまいましたね」
三人とシサは面白そうにデイカーの反応を見ていたが、シサだけは残念そうな顔をした。
「エル、遅くなったが、実は今日はコーヒーの実を焙煎までできる魔道具を持ってきている」
「できたのね! ありがとう。あとで見せてもらっていいかしら?」
「ああ、でも店は大丈夫だろうか?」
今のところ、残っていたお客様はデイカー達だけだった。
「大丈夫よ。シサ、ちょっとcloseにしてきてくれる?」
「はーい! わかりました」
シサが入り口に向かった。
「エル、ちょくちょく途中からcloseにしちゃっている気がするけど、お店大丈夫なの?」
クードが心配そうに聞いてきた。
「それは俺も気になってたよ。こんなにcloseにしちゃってたら売り上げは大丈夫なのか?」
フェオも聞いてくる。
行き当たりばったりでcloseにしてるようにみえたかもしれないけど、私はお願いしているものがすべて出来上がるまでの間だけだと考えていた。
それに…
「ええ、大丈夫よ。クードのおかげで」
「えっ? どう言うこと? 僕のおかげって?」
「ありがたいことにクードのおかげで女性客が増えて売上が上がっているの」
だから大丈夫なのだ。
「%&$&~」
クードがなんとも言えない声を上げる。
「クードのモテもたまには役立つら」
「そうだな。たまには役に立つもんだ」
「……まぁ、本人にとっては大変だと思うが」
デイカーだけは同情の目を向けていた。
元々お客様は女性客中心だったけど、クードがランチタイムにここに通うようになってから、より一層女性客が増えていた。
以前のように直接クードに声をかけてくるような人こそいないけど、カウンターに座っているクードを会計の時にチラチラと気にして見ている人も多かった。
「クードのおかげよ、ありがとう」
「……お礼言われたけど、僕はただエルの料理が好きで、ここが居心地がよくて、来てるだけだからね。それにエルは僕のおかげって思ってるかもしれないけど、僕はエルの料理が珍しくて美味しいから来る女性が増えてるんだと思う」
「それは大いにあるだろう」
フェオは頷いた。
「ああ。俺たちも毎日通うぐらいだからな」
デイカーは言う。
「コロンもそう思うら」
コロンもクードに賛同した。
私はクードのおかげだと思ってお礼を言っていたつもりが、私の方が褒められてしまい、恥ずかしくなってしまった。
「closeにしてきましたよ~あれ? オーナー、顔が赤い。どうしたんですか?」
シサが戻ってきた。
「ううん、なんでもないわ」
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