寵妃にすべてを奪われ下賜された先は毒薔薇の貴公子でしたが、何故か愛されてしまいました!

ユウ

文字の大きさ
25 / 133

7薔薇の花嫁




クラリス島にある由緒正しき神殿。
そこには女神像と天使の像が飾ら、潮風により白いヴェールが風で靡く。

目の前には穏やかな表情の神父様。

「アルバシア・メンデルス。汝はこの女性、エリーゼ・マリンパレスを妻とし、幸せな時も困難な時も、共に助け合い、互いを愛すると誓いますか」

「誓います」

固い声で表情は変わらなかった。

「エリーゼ・マリンパレス。汝はこの男性、アルバシア・メンデルスを夫とし、幸せな時も困難な時も、共に助け合い、互いを愛すると誓いますか」

「……誓います」


「汝らの誓いを、我らが地上の女神アテナは聞き入れられました。互いにこれを忘れることなく、いずれ神の御許へ召されるその日まで、互いへの愛と尊敬を持って支え合いなさい」


神父様の言葉により、一輪の白薔薇をアルバシア様の手から渡される。


女神の前で白薔薇を送り、その薔薇に私の血で薔薇を赤く染める。
二人の愛の薔薇で女神に愛を誓う儀式だ。


薔薇が赤く染まった後に薔薇は私の体に入れば儀式は終わる。



「儀式は無事成功となった。これで二人は正式な夫婦となった事を女神の前で宣言する!」


風が吹き、祝福のベルが鳴る。
この日私は正式にアルシア様の妻となった。


結婚式はとても温かいものだった。
後見人として教皇様を初め神官長様に司祭様や聖職者の皆さまから聖騎士様片も多忙の中時間を作り戦後で食料も限られている中、できるかぎりの料理をふるまってくださった。


中でも私の祖国の花や果物を用意してくれた。
余興として素敵な音楽を奏で手品を見せてくださった。

「おい!何で俺が手品の生贄にされてんだよ」

「黙れマクシミリアン。貴様は黙って私の剣に刺されていればいいんだ」

「殺す気か!」

「殺しても体がバラバラでなければお前は死なん。祓魔師でもあるんだからな!」

「お前の場合体がバラバラになるんだよ!」


手品の助手を務めるのはマクシミリアン様で手品をするのがルリチェンテ様だった。
意外な趣味だわ。


「ふふっ、死んでも骨が灰にして散骨してやろう」

「ふざけんな!俺はお前にだけは殺されたくねぇんだよ。どうせならもっと胸がでかい姉ちゃん」

「燃えよ!炎の精霊院フリートよ!この不愉快な男を骨の髄まで焼き尽くせ」

「待て待て!今日は祝いの日だぞ」


最初こそ手品のはずだった。
なのにお祭り騒ぎになってしまっている。


「あの馬鹿共が」


教皇様は頭を抱えておらしたけど、とっても楽しい結婚式だった。
最初の結婚式とは真逆だったけど、きっと忘れられないだろう。


それだけ素敵な結婚式となった。




そしてその夜。
私は準備を終えて廊下を歩く。


「本当に変じゃないかしら?」

「いいえ、お美しいですわ」

「ええ、私達が念入りに磨かせていただきました」



結婚式が終わった後っもせわしなかった私は、式の後は直接を言葉を交わすこともなく。
初夜を向けることになったのだが、その準備のためだとリーチェが侍女と一緒に念入りに体を磨いてくれた。


ただし、お化粧はしないでだが。



「アルバシア様は、そのままのエリーゼ様の方が喜ばれます。ですが万一の時はこちらを」

「これは?」

ガラスの瓶に入っているのは香水かしら?


「使い方はアルバシア様の方が詳しいですから何も言わずに差し出してくださいませ」

「解ったわ」


本当に大丈夫なのかしら?

ものすごく不安だわ。
それに私は、あの事を話していないことを。


感想 123

あなたにおすすめの小説

幼馴染しか見えない婚約者と白い結婚したので、夜明け前にさよならしました

ゆぷしろん
恋愛
公爵令嬢レティシアは、家同士の都合で伯爵アルフレッドに嫁ぐ。 けれど夫は結婚後もずっと幼馴染のシルヴィばかりを優先し、婚礼の夜から夫婦として触れ合おうともしなかった。名ばかりの妻として伯爵家を支え、領地経営まで立て直しても、彼にとってレティシアは“都合のいい伯爵夫人”でしかない。 やがて結婚一周年の夜、アルフレッドが自分を手放す気はない一方で、幼馴染を屋敷に迎え入れようとしている会話を聞いてしまったレティシアは、ついに決意する。 ――もう、この結婚には見切りをつけよう。 夜明け前、彼女は離縁の準備を整え、伯爵邸を出奔。 身を寄せた北の港町で薬舗を手伝いながら、自分の力で生きる穏やかな日々を手に入れていく。そこで出会ったのは、身分ではなく一人の女性として彼女を尊重してくれる青年医師ノアだった。 一方、都合よく尽くしてくれる妻を失ったアルフレッドは、ようやく自分が何を失ったのかを思い知ることになる。 幼馴染ばかりを優先する婚約者との白い結婚に終止符を打ち、傷ついた公爵令嬢が新天地で本当の幸せを掴む、離縁から始まる逆転ラブストーリー。

結婚初夜、「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と夫に言われました

ましゅぺちーの
恋愛
侯爵令嬢のアリサは婚約者だった王太子テオドールと結婚した。 ちょうどその半年前、アリサの腹違いの妹のシアは不慮の事故で帰らぬ人となっていた。 王太子が婚約者の妹のシアを愛していたのは周知の事実だった。 そんな彼は、結婚初夜、アリサに冷たく言い放った。 「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と。

旦那様、そんなに彼女が大切なら私は邸を出ていきます

おてんば松尾
恋愛
彼女は二十歳という若さで、領主の妻として領地と領民を守ってきた。二年後戦地から夫が戻ると、そこには見知らぬ女性の姿があった。連れ帰った親友の恋人とその子供の面倒を見続ける旦那様に、妻のソフィアはとうとう離婚届を突き付ける。 if 主人公の性格が変わります(元サヤ編になります) ※こちらの作品カクヨムにも掲載します

【完結】私を捨てた皆様、どうぞその選択を後悔なさってください 〜婚約破棄された令嬢の、遅すぎる謝罪はお断りです〜

くろねこ
恋愛
王太子の婚約者として尽くしてきた公爵令嬢エリシアは、ある日突然、身に覚えのない罪で断罪され婚約破棄を言い渡される。 味方だと思っていた家族も友人も、誰一人として彼女を庇わなかった。 ――けれど、彼らは知らなかった。 彼女こそが国を支えていた“本当の功労者”だったことを。 すべてを失ったはずの令嬢が選んだのは、 復讐ではなく「関わらない」という選択。 だがその選択こそが、彼らにとって最も残酷な“ざまぁ”の始まりだった。

お姉さまに婚約者を奪われたけど、私は辺境伯と結ばれた~無知なお姉さまは辺境伯の地位の高さを知らない~

マルローネ
恋愛
サイドル王国の子爵家の次女であるテレーズは、長女のマリアに婚約者のラゴウ伯爵を奪われた。 その後、テレーズは辺境伯カインとの婚約が成立するが、マリアやラゴウは所詮は地方領主だとしてバカにし続ける。 しかし、無知な彼らは知らなかったのだ。西の国境線を領地としている辺境伯カインの地位の高さを……。 貴族としての基本的な知識が不足している二人にテレーズは失笑するのだった。 そしてその無知さは取り返しのつかない事態を招くことになる──。

公爵家の養女は静かに爪を研ぐ 〜元々私のものですので、全て返していただきます〜

しましまにゃんこ
恋愛
リヴィエール公爵家に養女として引き取られた少女、アリサ・リヴィエール。 彼女は華やかな公爵家の嫡子マリアとは対照的に、家でも学園でもひっそりと息を潜めて生きていた。 養女とは言っても、成人と同時に修道院へ入ることが決まっており、アリサに残された時間は僅かだった。 アリサはただ静かに耐えていた。 ——すべてを取り戻す、その時まで。 実は彼女こそが、前公爵が遺した真の娘であり、水の加護を持つリヴィエール公爵家の正統なる後継者だった。不当に奪い取られた地位と立場。 アリサは静かに時を待つ。 一方、王太子リュシアン・ルミエールは、傲慢な婚約者マリアに違和感を抱きつつ、公爵家に隠された不正の匂いを嗅ぎ取っていく。 やがて二人の思惑は重なり、運命の卒業パーティーが幕を開ける。 奪われた名前も、地位も、誇りも—— 元々、私のものなので。まとめて返してもらいます。 静かに爪を研いできた養女の、逆転ざまぁと溺愛ロマンス。 完結保証&毎日2話もしくは3話更新。 最終話まで予約投稿済み。

愚かな側妃と言われたので、我慢することをやめます

天宮有
恋愛
私アリザは平民から側妃となり、国王ルグドに利用されていた。 王妃のシェムを愛しているルグドは、私を酷使する。 影で城の人達から「愚かな側妃」と蔑まれていることを知り、全てがどうでもよくなっていた。 私は我慢することをやめてルグドを助けず、愚かな側妃として生きます。

お父様、お母様、わたくしが妖精姫だとお忘れですか?

サイコちゃん
恋愛
リジューレ伯爵家のリリウムは養女を理由に家を追い出されることになった。姉リリウムの婚約者は妹ロサへ譲り、家督もロサが継ぐらしい。 「お父様も、お母様も、わたくしが妖精姫だとすっかりお忘れなのですね? 今まで莫大な幸運を与えてきたことに気づいていなかったのですね? それなら、もういいです。わたくしはわたくしで自由に生きますから」 リリウムは家を出て、新たな人生を歩む。一方、リジューレ伯爵家は幸運を失い、急速に傾いていった。