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7薔薇の花嫁
クラリス島にある由緒正しき神殿。
そこには女神像と天使の像が飾ら、潮風により白いヴェールが風で靡く。
目の前には穏やかな表情の神父様。
「アルバシア・メンデルス。汝はこの女性、エリーゼ・マリンパレスを妻とし、幸せな時も困難な時も、共に助け合い、互いを愛すると誓いますか」
「誓います」
固い声で表情は変わらなかった。
「エリーゼ・マリンパレス。汝はこの男性、アルバシア・メンデルスを夫とし、幸せな時も困難な時も、共に助け合い、互いを愛すると誓いますか」
「……誓います」
「汝らの誓いを、我らが地上の女神アテナは聞き入れられました。互いにこれを忘れることなく、いずれ神の御許へ召されるその日まで、互いへの愛と尊敬を持って支え合いなさい」
神父様の言葉により、一輪の白薔薇をアルバシア様の手から渡される。
女神の前で白薔薇を送り、その薔薇に私の血で薔薇を赤く染める。
二人の愛の薔薇で女神に愛を誓う儀式だ。
薔薇が赤く染まった後に薔薇は私の体に入れば儀式は終わる。
「儀式は無事成功となった。これで二人は正式な夫婦となった事を女神の前で宣言する!」
風が吹き、祝福のベルが鳴る。
この日私は正式にアルシア様の妻となった。
結婚式はとても温かいものだった。
後見人として教皇様を初め神官長様に司祭様や聖職者の皆さまから聖騎士様片も多忙の中時間を作り戦後で食料も限られている中、できるかぎりの料理をふるまってくださった。
中でも私の祖国の花や果物を用意してくれた。
余興として素敵な音楽を奏で手品を見せてくださった。
「おい!何で俺が手品の生贄にされてんだよ」
「黙れマクシミリアン。貴様は黙って私の剣に刺されていればいいんだ」
「殺す気か!」
「殺しても体がバラバラでなければお前は死なん。祓魔師でもあるんだからな!」
「お前の場合体がバラバラになるんだよ!」
手品の助手を務めるのはマクシミリアン様で手品をするのがルリチェンテ様だった。
意外な趣味だわ。
「ふふっ、死んでも骨が灰にして散骨してやろう」
「ふざけんな!俺はお前にだけは殺されたくねぇんだよ。どうせならもっと胸がでかい姉ちゃん」
「燃えよ!炎の精霊院フリートよ!この不愉快な男を骨の髄まで焼き尽くせ」
「待て待て!今日は祝いの日だぞ」
最初こそ手品のはずだった。
なのにお祭り騒ぎになってしまっている。
「あの馬鹿共が」
教皇様は頭を抱えておらしたけど、とっても楽しい結婚式だった。
最初の結婚式とは真逆だったけど、きっと忘れられないだろう。
それだけ素敵な結婚式となった。
そしてその夜。
私は準備を終えて廊下を歩く。
「本当に変じゃないかしら?」
「いいえ、お美しいですわ」
「ええ、私達が念入りに磨かせていただきました」
結婚式が終わった後っもせわしなかった私は、式の後は直接を言葉を交わすこともなく。
初夜を向けることになったのだが、その準備のためだとリーチェが侍女と一緒に念入りに体を磨いてくれた。
ただし、お化粧はしないでだが。
「アルバシア様は、そのままのエリーゼ様の方が喜ばれます。ですが万一の時はこちらを」
「これは?」
ガラスの瓶に入っているのは香水かしら?
「使い方はアルバシア様の方が詳しいですから何も言わずに差し出してくださいませ」
「解ったわ」
本当に大丈夫なのかしら?
ものすごく不安だわ。
それに私は、あの事を話していないことを。
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