寵妃にすべてを奪われ下賜された先は毒薔薇の貴公子でしたが、何故か愛されてしまいました!

ユウ

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切り替えをしなくては。
いなくなった人間を思っても仕方ない。

何よりエリーゼはもうこの国の人間ではない。


それにこの国の王妃はアラクネだ。


「陛下、どちらに」

「急ぎの問題がある。アラクネの元に向かう」

「お待ちください陛下!」


国民の心が離れているのは私の所為ではない。
聖女への尊敬の念が離れていることが原因のはずだ。

ならば、問題はアラクネにあるはずだ。


とにかく今は国民に聖女の存在を今一度見せつける必要がある。



王妃宮に向かうと侍女が驚いた表情をしていた。


「陛下、どうされたのですか」


「アラクネはいるな」

「はい…ですが、アラクネ様は今はお祈りの最中です」

「大事な用事だ。今すぐ祈りを中断させてくれ」


「ですが…」


国王は来たのだ。
本来なら祈りを中断して呼ぶのが当たり前なのに!


真面に仕事もできないのか!


「とにかく今すぐ呼べ!」

「申し訳ありません。王妃陛下は祈りの最中です。その間はどんな高貴な方でもお通しすることはできません」


「何だと!王命だ!」


今すぐにアラクネと話をしなくては。
聖女としての仕事を真面できず、王妃の執務もこなしていない。


「今すぐアラクネに合わせろ!」


「なりません。アラクネ様は今…」

「お前は侍女だろう!私の命令に逆らうというのか!」


どいつもこいつも真面に役目を果たすことができないのか。


「私はアラクネ様の侍女でございます。侯爵家からアラクネ様をお守りするようにと命じられております」

「だから何だ!妻の侍女ならな、夫である私の侍女だろう」


何を言っているのか意味が解らない。
王宮に努めている侍女ならば王の命令に従うのが当然だ。


「私は王だ!」


「例え王命であっても私の主はアラクネ様です。今アラクネ様は苦しいお立場にございます…なのに陛下は更に追い詰められるのですか」

「苦しい立場だと?身から出た錆だろ…聖女の役目を放棄し、王妃の役目も果たせずにいる癖に!」


「なんて事を…」


私は一日でどれだけのスケジュールをこなしていると思っているんだ。
それに引き換え王妃の仕事なんて大した仕事じゃない。

聖女の仕事だってただ何も考えずに祈ればいいだけ。


「祈っているだけで楽をしているくせに」

「なんて非道な…あんまりです!」


これ以上の言い合いは時間の無駄だ。
護衛騎士を連れて来るべきだったかと後悔した。
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