俺の婚約者は侯爵令嬢であって悪役令嬢じゃない!~お前等いい加減にしろよ!

ユウ

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序章.始まりの前奏曲

28.新事実

「エリオルお前は馬鹿か?」


現在庭園の神殿にて。
何故かウィルフレッド様にも馬鹿呼ばわりされていた。


「はぁ…」

「何故、弟の暴走を訴えないのだ」


何故か神殿にてお説教を受けていた。
テーブルには見たこともない程の豪華なスイーツが並び、お茶まで用意されている。


「あまり怒らないでくだしませ」

「しかしヴィオレッタ様、側室である立場を忘れこのようなことは許されません。ハムが…」

ハム?

もしかしてお父様のことだろうか?

「これだから脳筋は…」

「一番質が悪いのはそれを操っている鬼婆でしょうが」


ここまで言うか?
この二人、情け容赦がないな。


「しかし噂とは随分違うようですね」

「噂など当てになるか‥むしろ噂通りに馬鹿なのはあれだろう」

そう言いながら指さす方向では、カルメン嬢と一緒にいるマルスだった。


「仲睦まじいですね」

「お前の婚約者だろうが!何他人事のような事を言っているのだ」

「そうは言いましても、政略結婚ですし…心までは縛れませんよ」

幼い頃から婚約をさせられ自由を奪われることはどれだけ苦痛なのだろうか。

その苦しみを俺は知っている。
だからと言ってカルメン嬢のやっていることは褒められたものではないが。


「お前は被害者だろうが…」

「無駄だ、ベルン。エリオルはこういう男だ」


何故俺が哀れまれなくてはならないんだ。


「それにしても、殿下は…」

「あの、フェリス様」

「ベルンで構わない」

随分と気さくな人だな。
ウィルフレッド様もそうだけど、随分と軽い。


「それで何んだ?」

「ウィルフレッド様は王族の親戚の方でしょうか?」

「は?」


今度はポカーンと口を開けたまま驚いていた。

何故だ?


「お前、まさか知らなかったのか」

「言うな。こいつは天然だ」

「だからと言って…侯爵家に滞在している時点で気づきませんか?馬鹿です!」

何度もば馬鹿馬鹿言わないでほしいのだけど。


「まぁ、俺も改めて言わなかったが、ウィルフレッド・ヴァルハラだ」

「え?ヴァルハラ?」

「エリオル。貴方は何も知らなかったのね?無理もないわね…ずっとお屋敷に引きこもっていたのだから」

ため息をつきながらもどこか楽し気なお母様に俺は眩暈がした。


「あの、自称王子様ではなく?」

「ちゃんと王子だ。第一王子だがな?」

「第一王子殿下ぁ?」


嘘だ。


そんな偉い人のお世話をしていたの?

じゃあ、これまでのことは無礼に値するのだろうか。


もしかしたら不敬罪に…


「おい、どうした?」

「何を固まっているのだエリオル」


俺の思いなど知るはずもなく二人は俺の頬を木の枝でツンツンして遊びながら楽しんでいた。


突っ込む余裕すらない俺は頭が痛かった。



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