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閑話2.過去編ヴィオレット
静かな雨が降る。
まるで天が泣いているかのようだった。
「フィディオ様…」
「この声はヴィオレット様ですね」
既に起き上がる事も出来ない中、横たわるフィディオは面会を拒否していた。
許された者以外は。
「私も天に召される時が来ました」
「何を…まだ行けませんわ」
泣きそうな表情をするヴイオレットの涙を拭いながらも穏やかに微笑む。
「きっと雨は何時か止みます。貴女がいるから私は何の迷いもなく逝けましょう」
「でも…」
「既に私の心はこの世にいないのです」
悲しくも美しい笑みを浮かべる。
「一人で逝かせてしまいました。寒かったでしょうに…怖かったでしょうに」
「行けません猊下!」
「私は彼女を救えたかもしれない。なのに…なんと無力なのか」
この世で最も愛する人を不幸に導いてしまった事を悔やんでも悔やみきれない。
「どうかこの鍵を…お願いがあります」
「なんでしょう」
「 」
小さく囁かれた言葉だったがはっきりと耳に入り目を見開く。
「それが猊下の望みなのですね」
「私の願いです」
「承知いたしました」
ヴィオレットは受け入れるしかない。
そしてその後の事は自分がするしかないと覚悟を決めた。
「彼女に再会したらお伝えください。勝負は私の勝ちだと…天国で私が活躍するのを見て悔しがりなさいと…そしてもう一つ」
「はい…」
「貴女の事はやっぱり嫌いだと」
最後の最後まで素直になれないヴィオレットの言葉に笑顔を浮かべる。
「必ず伝えます。貴女が彼女を好きだったことを」
「最後まで意地悪ですわ」
こんな時まで素直になれなず憎まれ口を叩いて素直になれない自分が憎らしく感じるも。
「次はどうかお幸せに」
「ありがとうございます」
「御機嫌よう猊下」
最後の最後まで泣くことはしない。
笑顔で別れを告げ部屋を去って行くヴィオレッタは部屋を出て行きながら。
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その場にしゃがみ込み涙を流した。
声を殺しながら泣き続けた。
そして一時間後。
向かったのはこっそり建てられたシェリラの墓だった。
そこにはラインハルトと出家した侍女のシロカが祈りを捧げていた。
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