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番外編~転落した者達
閑話.とあるお針子の事情⑤
何をされるのだろうか。
拷問を受けるか、それとも国外追放されるのか。
不安が過る。
せめて母だけでも守らなくてはと震えた。
そこに、乱暴な足音を立てて現れた一人の青年。
「リーナ!」
「レイモンド様、はしたないですわ」
「すまない。だが…例のお針の少女が来ていると聞いた。何処にいるんだ」
「えっ…」
現れたのは見た事もない美青年だった。
まるで聖書に描かれる聖人の如く美しく神々しい男性に見惚れてしまう。
「こちらにいらっしゃいますわ。奪われた奥様のドレスをリメイクして届けてくださいました」
「これは!」
「申し訳ありません。少々手を加えさせていただきました…ご無礼を!」
勝手にドレスのデザインを変えた事を咎めらると思い目をつぶった。
「なんと見事な…このように美しいドレスに仕上げるとは」
「はい、以前のドレスよりも美しくなっておりますし。丁寧に消毒もされておりますわ…刺繍のアイリスもさらに刺繍をしてより美しく仕上げてありますわ」
「ああ、これ程アリアに似合うドレスはない。君は天才だ。これ程の仕立て屋は帝国にいないだろう。美的センスも素晴らしい」
「えっ…私は罰を受けるのでは?」
この状況を理解できなかった。
「感謝しても咎める理由はない。君は立場上従わざるを得なかったはずだ。なのにアリアの為に心を尽くしてくれたのだろう…ハント侯爵で相当苛められたようだな」
「そんなことは!」
「その恰好を見れば解ります。貴女程の才能を持つ者は評価されるべきですわ」
「そうだ、我が公爵家のお針子にならないか?」
「はい?」
全くついていけなかった。
ハント侯爵家で解雇になった自分が今度は公爵家のお針子にならないかと言われるのだから。
「家賃補助もでますし、これぐらいは出ますわ」
「こっ…こんなに!」
「貴女の場合は技術職ですから上乗せになりますわ。ここから働き次第で給料は倍になりますが」
「えっ…は?」
状況を飲み込めない中、トントン拍子に話が進んだ。
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ハント侯爵家はその数か月後お家が取り潰しとなり、多くの使用人は解雇されるも雇ってくれる邸はなく路頭を彷徨うになったと聞かされるのだった。
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