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第三部.栄光と失墜
7.元同級生
ムルソー伯爵家から追い出された後、アスガルト伯爵家一行は歩きで邸まで帰る羽目になっていた。
帰りの馬車を手配していなかったからだ。
通常、夜会等に招待された時は、帰りの馬車を用意してもらっていた。
‥‥というか、これまでは当たり前のように馬車を用意してもらっていた。
なのに、無理矢理追い出されてしまったことで、道端で馬車を探そうとしても貴族専用の馬車は止まることもない。
そこで、取った行動はもはや子供以下だった。
「これ、止まりなさい」
「はい?」
貴族の馬車を引く御者を呼び止める。
「私達を乗せなさい」
「は?」
「何をぐずぐずしているのです!聞こえませんの?」
「そう申されましても…」
いきなり声をかけられた御者は、厄介だと思った。
「何をしてますの!」
「申しわけありませんが、こちらの馬車はお貴族様の馬車でございます。一般用の馬車ではございませんのでお乗せ出来ません」
「は?」
「仮にも貴族様をお乗せする馬車に…不相応な方を乗せるわけには参りません」
御者は丁寧な口調でありながらも見下したような言い回しで、しかも一般用の馬車をとして指定したのは…
幌馬車だった。
「貴様!無礼だぞ!」
シュナイダーが耐えきれず声を上げようとしていた時だった。
「なんの騒ぎですの?」
「お嬢様、出て来てはなりません。危険です」
馬車の中から声が聞こえ、御者は出てこないように言うも、扉が開かれる。
「あら…シュナイダー様?」
「キャサリン嬢…」
美しいドレスを見に纏う令嬢は同じ学園に通う、人物だった。
家格は子爵家であるが、実家は大きな商会をしており、食器の輸入を生業としており、資産家だった。
「物乞いかと思いましたわ」
「なっ…無礼な」
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「フッ…クスクス。可笑しいですわ」
「何を笑ってますの!無礼者!ただで済むと思ってますの?」
ジェネットは、キャサリンが自分より格下の貴族の娘と思い激怒した。
格下の分際でなんて傲慢な態度なのだろうかと、ヒステリックに叫んでいたが…
「道端で物乞いのような真似を…いいえ、物乞いの方がまだ常識を弁えていますわね?他人が乗っている馬車を止めて自分を乗せろだなんて…非常識極まりありませんわ」
「何が悪いのよ!」
「まぁ、本気で言ってますの?第一、この馬車は貴族御用達ですのよ?彼等だってお客を選びますわ」
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貴族令嬢所か、平民でももう少し真面な身なりをしている。
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