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第三部.栄光と失墜
8.破滅への始まり
学園にいた時から一部の生徒以外は、ジェネットの振る舞いに対して嫌悪感を抱ていた。
キャサリンもそのうちの一人だった。
一切の努力もせず、貴族令嬢としての礼儀を弁えず、病弱だから仕方ない。
病弱だから人のモノを奪うことが当たり前であるジェネットに対していい感情を抱くはずがない。
表向きは大人しくしていたのは、身分をひけらかして脅して来たから。
何かあるたびに取り巻きに、悲劇のヒロインぶって泣きつき、被害者は加害者にされ、学園を追い出された者も多かった。
特に許せなかったのは婚約者のいる男性に親しくして、保護欲をそそられるような振る舞いをしていた。
騎士道を忠実に守る貴族は身分の高い女性に尽くしたり、非力な女性に紳士的にするのが当然という考えがある。
キャサリンの婚約者は騎士道故に、ジェネットの我儘に振り回されていた。
とは言え、なびいたわけではないが、ジェネットが勝手に自分に懸想していると思い込み、付きまとわれている等と社交界で声高らかに言い放ち、恥をかかせられてしまった所為で王都にいれなくなった。
王都から入れないように仕組んだのはカーネルだった。
彼からすれば、ジェネットの我儘に振り回され、念願の夢を奪われてしまった。
なのにジェネットは自分のしでかしたことすら理解していない。
幸いにも、キャサリンの婚約者は王都離れたおかげで噂は偽りだと収まるようになった。
その理由が、ジェネットに振り回された男性が複数いたからだった。
婚約者が地獄に叩落とされ嘆く令嬢も多かったということになる。
キャサリンは大切な婚約者に恥をかかせたことを今でも忘れていないが、本人はキャサリンのことすら全く思えていなかった。
それが、さらにキャサリンの復讐心を強くさせた。
***
「本当に頭が悪い人…既に本家から支援を絶ち切られているのに」
「そんなはずはありませんわ!」
クスッと笑みを浮かべながら思い出したように告げる。
「既にアスガルト伯爵家は、道を踏み外した者として国外でも噂になってますわ。姉君の婚約者を奪い、姉君を殺そうとしたと…怖いですわね?姉を殺そうとするなんて」
「なっ…何を言っているのよ!」
「そんなこと!」
ありえないと二人は言い放つも、キャサリンは新聞を見せる。
「ではご覧になられます?」
そういいながら新聞を見せる。
「これは…」
「お父様?どうせデマでしょう?気にすることはありませんわ」
新聞を読むカーネルは絶句した。
見開きのページには学園内での出来事がしっかり書かれていた。
「姉の婚約者を奪った最低最悪の悪女…我らの聖女を汚し悪しき魔女が君臨した。ジェネット・アスガルトは数多の男と肉体関係を持つ娼婦だった」
「は?」
「婚約者のシュナイダーと共に姉を暗殺し財産を奪う為に卑怯な真似をした。犯罪者…」
「何だと!」
真っ青になりながら新聞を読み上げるカーネルは震えていた。
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追記
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