自称悪役令嬢は嫌われるべく暗躍する!皆の幸福の為に嫌われるはずが、何故か愛されてしまいました。

ユウ

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第一章

1気合

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悪役令嬢に転生して5年。
ようやく運命の日がやって来たわ。


「今日この日を迎えられたわ」

「お嬢様、私も嬉しゅうございます」


「ぐずっ…無事に学園に受かって良かった」


そうなのだ。
私はあれから五年、血のにじむような努力。
正確には家庭教師がだけど、勉強を必死に頑張りなんとか学園に入る事が叶った。


「合格する確率が低かったから危なかったわ」

「お嬢様、補欠でも合格は合格です!誇ってよいのです。お嬢様の学力では地方の貴族院でも危なかったのですが、努力は裏切らないというのは本当ですね」


「泣いていい?」


前世の頃から勉強は苦手だった。
けっしてサボっていたわけではないが苦手な事は本当にダメで試験前は一夜漬けなんてしたことはない。


試験一か月前に先生に呼ばれては特別指導と言う名の補修を受ける程のお馬鹿。
悪役令嬢に転生したら普通は優秀な令嬢になるはずなのに、スキルはない。


勉強が苦手な私にアンネローゼ様や社交界で知り合った親切ご令嬢が丁寧に勉強を見てくれたおかげで浪人しなくてすんだわ。


「これで今日から枕を高くして寝れるわ」

「お嬢様、学園には私も同行いたしますが用心してくださいね」

「任せて置いて、今日からで正式なデビューよ」

「はい?」


社交界で悪役令嬢を発揮するもやはり子供だという事で認識は薄い。
でも仕方ないわ。

悪役令嬢はヒロインがいないと影が薄いわ。


「今日から悪役令嬢!」

「はぁ…」

「そしてヒロインが学園に来るはずよ」

「お嬢様…」


可哀想な目で見るのは止めて欲しんだけど。

でも今日から頑張らないと。


「ああ、そろそろ時間だわ!アンネローゼ様を迎えに行かないと」

「既に馬車の準備はできておりますわ」


「流石カンナ!」


学園に行く際にはアンネローゼ様と一緒に行くべく迎えに行くと言っている。
最初が肝心なんだから。



「アンネローゼ様!ごきげんよう!」

「ごきげんようレティシア様。迎えに来ていただき申し訳ありません」

「当然ですわ!登校中に襲われたら大変ですから…ですが私が撃退しますのでご心配なく」


袖を捲り腕を見せるも。

「お嬢様、学園ではくれぐれも」

「大丈夫よ!」


この五年遊んでいたわけではないわ。
淑女教育と一緒に嗜みとして剣術の稽古も怠らなかったわ。


私は剣道派だからフェンシングは初めて中々上達しなかったけど。



「君を守るのは私の役目なのだけどね」

「ルクシオン様、どうなさったのですか」


生徒会に入っているルクシオン様は何故?


「君を迎えに来たんだよ」

「はい?」

「思っている事が筒抜けだ」


なんということだ。
メインヒーローは読心術を使えるのか!


なんたる不公平。
悪役令嬢に転生した私はまったくスキルはないのに。


「アンネローゼ嬢、学園では頼んだよ」

「お任せください」


私は一人勘違いをしている中、ルクシオン様とアンネローゼ様は手を取り合っている事など知る由もない。


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