14 / 77
第一章
1気合
しおりを挟む
悪役令嬢に転生して5年。
ようやく運命の日がやって来たわ。
「今日この日を迎えられたわ」
「お嬢様、私も嬉しゅうございます」
「ぐずっ…無事に学園に受かって良かった」
そうなのだ。
私はあれから五年、血のにじむような努力。
正確には家庭教師がだけど、勉強を必死に頑張りなんとか学園に入る事が叶った。
「合格する確率が低かったから危なかったわ」
「お嬢様、補欠でも合格は合格です!誇ってよいのです。お嬢様の学力では地方の貴族院でも危なかったのですが、努力は裏切らないというのは本当ですね」
「泣いていい?」
前世の頃から勉強は苦手だった。
けっしてサボっていたわけではないが苦手な事は本当にダメで試験前は一夜漬けなんてしたことはない。
試験一か月前に先生に呼ばれては特別指導と言う名の補修を受ける程のお馬鹿。
悪役令嬢に転生したら普通は優秀な令嬢になるはずなのに、スキルはない。
勉強が苦手な私にアンネローゼ様や社交界で知り合った親切ご令嬢が丁寧に勉強を見てくれたおかげで浪人しなくてすんだわ。
「これで今日から枕を高くして寝れるわ」
「お嬢様、学園には私も同行いたしますが用心してくださいね」
「任せて置いて、今日からで正式なデビューよ」
「はい?」
社交界で悪役令嬢を発揮するもやはり子供だという事で認識は薄い。
でも仕方ないわ。
悪役令嬢はヒロインがいないと影が薄いわ。
「今日から悪役令嬢!」
「はぁ…」
「そしてヒロインが学園に来るはずよ」
「お嬢様…」
可哀想な目で見るのは止めて欲しんだけど。
でも今日から頑張らないと。
「ああ、そろそろ時間だわ!アンネローゼ様を迎えに行かないと」
「既に馬車の準備はできておりますわ」
「流石カンナ!」
学園に行く際にはアンネローゼ様と一緒に行くべく迎えに行くと言っている。
最初が肝心なんだから。
「アンネローゼ様!ごきげんよう!」
「ごきげんようレティシア様。迎えに来ていただき申し訳ありません」
「当然ですわ!登校中に襲われたら大変ですから…ですが私が撃退しますのでご心配なく」
袖を捲り腕を見せるも。
「お嬢様、学園ではくれぐれも」
「大丈夫よ!」
この五年遊んでいたわけではないわ。
淑女教育と一緒に嗜みとして剣術の稽古も怠らなかったわ。
私は剣道派だからフェンシングは初めて中々上達しなかったけど。
「君を守るのは私の役目なのだけどね」
「ルクシオン様、どうなさったのですか」
生徒会に入っているルクシオン様は何故?
「君を迎えに来たんだよ」
「はい?」
「思っている事が筒抜けだ」
なんということだ。
メインヒーローは読心術を使えるのか!
なんたる不公平。
悪役令嬢に転生した私はまったくスキルはないのに。
「アンネローゼ嬢、学園では頼んだよ」
「お任せください」
私は一人勘違いをしている中、ルクシオン様とアンネローゼ様は手を取り合っている事など知る由もない。
ようやく運命の日がやって来たわ。
「今日この日を迎えられたわ」
「お嬢様、私も嬉しゅうございます」
「ぐずっ…無事に学園に受かって良かった」
そうなのだ。
私はあれから五年、血のにじむような努力。
正確には家庭教師がだけど、勉強を必死に頑張りなんとか学園に入る事が叶った。
「合格する確率が低かったから危なかったわ」
「お嬢様、補欠でも合格は合格です!誇ってよいのです。お嬢様の学力では地方の貴族院でも危なかったのですが、努力は裏切らないというのは本当ですね」
「泣いていい?」
前世の頃から勉強は苦手だった。
けっしてサボっていたわけではないが苦手な事は本当にダメで試験前は一夜漬けなんてしたことはない。
試験一か月前に先生に呼ばれては特別指導と言う名の補修を受ける程のお馬鹿。
悪役令嬢に転生したら普通は優秀な令嬢になるはずなのに、スキルはない。
勉強が苦手な私にアンネローゼ様や社交界で知り合った親切ご令嬢が丁寧に勉強を見てくれたおかげで浪人しなくてすんだわ。
「これで今日から枕を高くして寝れるわ」
「お嬢様、学園には私も同行いたしますが用心してくださいね」
「任せて置いて、今日からで正式なデビューよ」
「はい?」
社交界で悪役令嬢を発揮するもやはり子供だという事で認識は薄い。
でも仕方ないわ。
悪役令嬢はヒロインがいないと影が薄いわ。
「今日から悪役令嬢!」
「はぁ…」
「そしてヒロインが学園に来るはずよ」
「お嬢様…」
可哀想な目で見るのは止めて欲しんだけど。
でも今日から頑張らないと。
「ああ、そろそろ時間だわ!アンネローゼ様を迎えに行かないと」
「既に馬車の準備はできておりますわ」
「流石カンナ!」
学園に行く際にはアンネローゼ様と一緒に行くべく迎えに行くと言っている。
最初が肝心なんだから。
「アンネローゼ様!ごきげんよう!」
「ごきげんようレティシア様。迎えに来ていただき申し訳ありません」
「当然ですわ!登校中に襲われたら大変ですから…ですが私が撃退しますのでご心配なく」
袖を捲り腕を見せるも。
「お嬢様、学園ではくれぐれも」
「大丈夫よ!」
この五年遊んでいたわけではないわ。
淑女教育と一緒に嗜みとして剣術の稽古も怠らなかったわ。
私は剣道派だからフェンシングは初めて中々上達しなかったけど。
「君を守るのは私の役目なのだけどね」
「ルクシオン様、どうなさったのですか」
生徒会に入っているルクシオン様は何故?
「君を迎えに来たんだよ」
「はい?」
「思っている事が筒抜けだ」
なんということだ。
メインヒーローは読心術を使えるのか!
なんたる不公平。
悪役令嬢に転生した私はまったくスキルはないのに。
「アンネローゼ嬢、学園では頼んだよ」
「お任せください」
私は一人勘違いをしている中、ルクシオン様とアンネローゼ様は手を取り合っている事など知る由もない。
88
あなたにおすすめの小説
【完結】仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが
ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。
定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない
そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──
婚約者の幼馴染って、つまりは赤の他人でしょう?そんなにその人が大切なら、自分のお金で養えよ。貴方との婚約、破棄してあげるから、他
猿喰 森繁
恋愛
完結した短編まとめました。
大体1万文字以内なので、空いた時間に気楽に読んでもらえると嬉しいです。
不貞の子を身籠ったと夫に追い出されました。生まれた子供は『精霊のいとし子』のようです。
桧山 紗綺
恋愛
【完結】嫁いで5年。子供を身籠ったら追い出されました。不貞なんてしていないと言っても聞く耳をもちません。生まれた子は間違いなく夫の子です。夫の子……ですが。 私、離婚された方が良いのではないでしょうか。
戻ってきた実家で子供たちと幸せに暮らしていきます。
『精霊のいとし子』と呼ばれる存在を授かった主人公の、可愛い子供たちとの暮らしと新しい恋とか愛とかのお話です。
※※番外編も完結しました。番外編は色々な視点で書いてます。
時系列も結構バラバラに本編の間の話や本編後の色々な出来事を書きました。
一通り主人公の周りの視点で書けたかな、と。
番外編の方が本編よりも長いです。
気がついたら10万文字を超えていました。
随分と長くなりましたが、お付き合いくださってありがとうございました!
「君の為の時間は取れない」と告げた旦那様の意図を私はちゃんと理解しています。
あおくん
恋愛
憧れの人であった旦那様は初夜が終わったあと私にこう告げた。
「君の為の時間は取れない」と。
それでも私は幸せだった。だから、旦那様を支えられるような妻になりたいと願った。
そして騎士団長でもある旦那様は次の日から家を空け、旦那様と入れ違いにやって来たのは旦那様の母親と見知らぬ女性。
旦那様の告げた「君の為の時間は取れない」という言葉はお二人には別の意味で伝わったようだ。
あなたは愛されていない。愛してもらうためには必要なことだと過度な労働を強いた結果、過労で倒れた私は記憶喪失になる。
そして帰ってきた旦那様は、全てを忘れていた私に困惑する。
※35〜37話くらいで終わります。
結婚5年目のお飾り妻は、空のかなたに消えることにした
三崎こはく
恋愛
ラフィーナはカールトン家のお飾り妻だ。
書類上の夫であるジャンからは大量の仕事を押しつけられ、ジャンの愛人であるリリアからは見下され、つらい毎日を送っていた。
ある日、ラフィーナは森の中で傷ついたドラゴンの子どもを拾った。
屋敷に連れ帰って介抱すると、驚いたことにドラゴンは人の言葉をしゃべった。『俺の名前はギドだ!』
ギドとの出会いにより、ラフィーナの生活は少しずつ変わっていく――
※他サイトにも掲載
※女性向けHOT1位感謝!7/25完結しました!
婚約破棄されたので、前世の知識で無双しますね?
ほーみ
恋愛
「……よって、君との婚約は破棄させてもらう!」
華やかな舞踏会の最中、婚約者である王太子アルベルト様が高らかに宣言した。
目の前には、涙ぐみながら私を見つめる金髪碧眼の美しい令嬢。確か侯爵家の三女、リリア・フォン・クラウゼルだったかしら。
──あら、デジャヴ?
「……なるほど」
何年も相手にしてくれなかったのに…今更迫られても困ります
Karamimi
恋愛
侯爵令嬢のアンジュは、子供の頃から大好きだった幼馴染のデイビッドに5度目の婚約を申し込むものの、断られてしまう。さすがに5度目という事もあり、父親からも諦める様言われてしまった。
自分でも分かっている、もう潮時なのだと。そんな中父親から、留学の話を持ち掛けられた。環境を変えれば、気持ちも落ち着くのではないかと。
彼のいない場所に行けば、彼を忘れられるかもしれない。でも、王都から出た事のない自分が、誰も知らない異国でうまくやっていけるのか…そんな不安から、返事をする事が出来なかった。
そんな中、侯爵令嬢のラミネスから、自分とデイビッドは愛し合っている。彼が騎士団長になる事が決まった暁には、自分と婚約をする事が決まっていると聞かされたのだ。
大きなショックを受けたアンジュは、ついに留学をする事を決意。専属メイドのカリアを連れ、1人留学の先のミラージュ王国に向かったのだが…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる