自称悪役令嬢は嫌われるべく暗躍する！皆の幸福の為に嫌われるはずが、何故か愛されてしまいました。

第一章

１６失敗

完全に誤解を与えてしまった
私も悪いと思うけど、何でこうなるかな？
ない頭を絞っても良い考えが浮かばない私は泣いてしまった私に優しい友人はお茶とお菓子を振舞ってくれた。


「レティシア様、さぁどうぞ」

「お茶もありますわ」


完全に誤解をされている！


「図書館での騒動は聞きましたわ」

「え？」

騒動って何だ。


「例の迷惑令嬢が、レティシア様が不貞行為をしたと」

「ふてーこーい」


そんな噂が流れているのか？
私は悪役令嬢を目指していても、そんなものは望んでいない。


「私、そんなことした覚えは」

「ありえませんわ。レティシア様が不貞行為の意味を理解しているとは考えにくいですもの」


「そーですか」


慰めてくれているんですよね、フレデリカ様。

私は不貞行為の意味ぐらい知っていますとも。


前世でお祖母ちゃんが言っていた。
恋人がいるのに他の男の人と恋人的な事をすることよね？

現実では知らない。
だって田舎育ちだもん。

そんでもって初恋は爺ちゃんでそれ以降は恋人なんていたことないもん。


「では質問です」

「はい？」

「アンネローゼ様の教育指導の時間ですわね」


何故か家庭教師バージョンになるアンネローゼ様。


「不貞行為とは？」

「その名の通り、不貞を働く…結婚している旦那様が他の女性と恋愛関係を持つ」

「正解です。ちゃんと勉強されていますが、少し惜しいですわ」


恋人関係を持つ事じゃダメなのか？
惜しいと言う事は正しい答えに近いという事なのだと思ったけど。




「正確にはキスまでは問題無しなのですわ」

「は？」


キスまでは良い？
いやいや、ないだろ？
奥さんいるのに他の女性とだなんてアウトに決まっている！


なのにアンネローゼ様にあっさりと否定されてしまった。


「嘘です！キスはアウトです！」

「いいえ、問題なしです。正確には一線を二度超えるです」

「いっせ…」


何処までが大丈夫なのか？
正直この手の事は疎い私はさっぱりだ。


「やはり後で保健の勉強が必要ですわね」


「殿下…何をしていたのかしら」

「あの使えない馬鹿殿が」

三人がこんな会話をされていた事は知らない。



この後私は友人に囲まれて男女の機微を学ぶべく図書館で恋愛小説や大人の恋なるものを読まされる羽目になった後に。


風の噂でお父様が失神したと聞かされたのだった。