自称悪役令嬢は嫌われるべく暗躍する!皆の幸福の為に嫌われるはずが、何故か愛されてしまいました。

ユウ

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第二章

23断罪

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「私はヒロインよ!私は間違っていない!」



抑え込まれ連行される彼女を見て私は頭の中がパンクする寸前だった。


「罪人を連行しろ」

「ハッ!」


騎士団が彼女を連行した後にすべてを聞かされた。


ヒロイン事ユリティアさんがいた孤児院にて事故で亡くなった少女。
彼女の事故は表向きは不幸な事故だったそうだ。


下町で馬車に引かれてしまったが、その馬車に細工がされていた。
当時は事故として片付けられたが、その少女に成り代わったとか。

引き取った父親も形見であるペンダントを思っていた事や、亡くなったその少女と髪の色と目の色が同じだった事で引き取ったそうだ。


鑑定もあやふやだった。
もっとちゃんと調べていれば違ったのか。


でも、何処で間違った?
私とヒロインの立場が入れ違いになる前に、ヒロインが入違った?



私の疑問は解消されなかったけど。


もし彼女は私と同じように前世の記憶を持っていてヒロインと思っていたら?


なのに、もし…なんて考えも仕方ない。


何より驚いたのは、彼女が既に光の魔力を失っていた事。
そして闇の精霊の宿主になっていたかもしれないということや、他のライバル令嬢達を脅かそうとしていた事だ。



「いや…ちょっと待てよ」


私はこれからどうなるんだ?
ヒロインがいなくなったという事は、悪役令嬢の立場は?



「お嬢様!大丈夫ですか!」


「うう…どうしよう」


「まだ体がよろしくないのですね」


現在学生寮の私の部屋にて。
儀式は混乱の中、ルクシオン様が指揮ったおかげで表向きは問題ないようだったが、攻略対象。


側近の皆は死んだ顔をしていたとか。


「あのような事があった後ですもの」


「いや…なんというか」


ヒロインもどきさんが私に嫌がらせや毒物を食べ物に入れていたそうだ。


知らなかった。
余談であるが他の人に間違えて毒物を入れた事もあり、証拠となった。


そして何より彼女が光の精霊の加護を完全に牛なったと同時に彼女に好意を寄せていた生徒はあっさりしたもので彼女を庇う事はしなかった。


ただし公の場で私を責めた事や、婚約者を粗末に扱った事で婚約破棄をされたそうだ。


そこは同情の余地はないのだけど。


「最初からおかしいと思っていました」

「ええ、王族の裏事情にも詳し過ぎましたからね」


カンナは最初からヒロインを怪しんでいた。
グレスティア様に至っては、ただの世間知らずではないと思っていたらしい。



乙女ゲームの世界と言ってもここは現実だということを私も忘れていた。


ヒロインと私の違いはきっと。


傍で支えてくれる人がいるかいないかだったのかもしれない。


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