令嬢は大公に溺愛され過ぎている。

ユウ

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筆頭女官

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翌日、レオンハルトの言う通り宮廷では、長らく国を空けていた英雄が戻るとのことで令嬢や侍女は浮足立っていた。

「聞きまして?大公殿下がお戻りになるそうですわね」

「ええ、今度の舞踏会は大公様の帰還を祝うのと同時にお妃様選びをする為だとか!」

「聞けば大公殿下は、まだ独身。陛下もそろそろ良き伴侶をとお考えのようですわね」

きゃっきゃっと黄色い声をあげる令嬢や侍女達。
舞踏会には名のある貴族だけでなく身分が低い貴族も招待されている。

「でも、あの方には関係ありませんわね」

「ええ…クスッ」

せっせと仕事をするアレーシャを見下す侍女。

「何を油を売っているのです!」

「筆頭女官様!!」

「申し訳ありません!」

宮廷の筆頭女官は宮廷の侍女、女中、女官を取り仕切る役割を持つ。

前王妃の専属侍女を務め現在は王の秘書もしているため、格式だけの貴族よりも影響力がある。

「仕事をサボって何をしているんです」

「申し訳ありません」

筆頭女官に睨まれ何も言えずぐっと拳を握る。

「それからアレーシャ」


「はっ…はい」

「貴女も舞踏会には必ず参加なさい。貴女にもその権利があるのだから」

「「なっ!!」」

傍にいた令嬢や侍女が声をあげる。

「何を驚いているのです?それとも何か問題が?」

「ですが…」

「陛下の決定にもしや意見しようと言うのですか?ならばこの場でお言いなさい。聞いてあげましょう」

扇を片手に見据える。
不敵に笑みを浮かべるも、背後からオーラを感じる。

鬼軍曹とも呼ばれる筆頭女官アンジェリーナ。
彼女を言い負かすことができる令嬢などそういない。

「仕事に戻りなさい」

「「はい‥‥」」

宮廷の鬼軍曹に言われては仕方ないと諦めその場を去って行く。

「貴女には他の仕事を頼みます」

「はっ…はい!」


いそいそと部屋を出て行った。
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