7 / 63
過小評価
レオンハルトは整った顔立ちをしている。
仕草も洗練されており貴族の令息として申し分もない。
貴族の令嬢が見れば一瞬で虜になる程に。
ただ男性経験が皆無なアレーシャには刺激が強かった。
今迄対応したのは年配の男性ぐらいだ。
後は近づいて来ると言えばプライム家の財産目当てか、カテリーナ目当てだ。
「レオンハルト様、近いです」
「ええ」
(ええじゃない!)
自覚があるならいい、ないなら質が悪い。
「アレーシャ様は美しい」
「え!」
そっと手の甲にキスをされ顔が火照りそうだったが、なけなしの理性で耐え忍ぶ。
「貴女のような方が王女殿下の教育係であれば国も安泰でしょうね」
「そのようなことは」
「貴女はご自身の価値を解っていらっしゃいませんね」
レオンハルトの言葉が良く解らなかった。
これまで冷遇されて来たのに今更価値なんて見い出せない。
「私は価値がありません。それに貴族でいるのも後少しですから」
「何故?」
「私の噂は社交界に知れ渡るでしょう‥‥そうなれば伯爵家の娘としての役割を果たせません」
ぐっと唇をかみ締めながら話す。
「王女殿下も成人なされば私の役目は終わります。そうなれば私は…」
王都にいることはできない。
カテリーナがプライム家にいる以上、追い出されるのは確実。
父もアレーシャに関心など無いならば自動的にそうなる。
「貴女が嫁ぐと言うことは?」
「ありえません。好き好んで傷物令嬢を…灰かぶり姫を嫁にもらうというのでしょうか?」
それこそありえないのだ。
いくらプライム家が財産持ちでもメリットが少ない。
「貴女は王族に嫁ぐことも可能な身分なのに」
「私がですか?ありえません」
「そんなことはないでしょう?大公殿下は未だ独身ですし、王弟殿下もしかり」
確かに王族の直系である王の弟は上王と王太后の実子。
本来ならば王位に就くはずだったが兄に王位を譲ったとされる。
現在は国を離れ戦場をかけているとのことだ。
実際アレーシャも会ったことはないのだが、英雄と呼ばれる程の王族だった。
「ありえませんよ。私などが」
「この世に絶対なんてことはありませんよ」
そんな雲の上の存在の人の元に嫁ぐなんてありえないと思っていた。
思っていたのだが‥‥
一週間後、開催される舞踏会に招かれてしまった。
しかもその舞踏会では大公妃を選ぶためのパーティーだと知らされる。
(どうせ私は選ばれないわ)
当て馬か数合わせかと思い期待することはなかった。
仕草も洗練されており貴族の令息として申し分もない。
貴族の令嬢が見れば一瞬で虜になる程に。
ただ男性経験が皆無なアレーシャには刺激が強かった。
今迄対応したのは年配の男性ぐらいだ。
後は近づいて来ると言えばプライム家の財産目当てか、カテリーナ目当てだ。
「レオンハルト様、近いです」
「ええ」
(ええじゃない!)
自覚があるならいい、ないなら質が悪い。
「アレーシャ様は美しい」
「え!」
そっと手の甲にキスをされ顔が火照りそうだったが、なけなしの理性で耐え忍ぶ。
「貴女のような方が王女殿下の教育係であれば国も安泰でしょうね」
「そのようなことは」
「貴女はご自身の価値を解っていらっしゃいませんね」
レオンハルトの言葉が良く解らなかった。
これまで冷遇されて来たのに今更価値なんて見い出せない。
「私は価値がありません。それに貴族でいるのも後少しですから」
「何故?」
「私の噂は社交界に知れ渡るでしょう‥‥そうなれば伯爵家の娘としての役割を果たせません」
ぐっと唇をかみ締めながら話す。
「王女殿下も成人なされば私の役目は終わります。そうなれば私は…」
王都にいることはできない。
カテリーナがプライム家にいる以上、追い出されるのは確実。
父もアレーシャに関心など無いならば自動的にそうなる。
「貴女が嫁ぐと言うことは?」
「ありえません。好き好んで傷物令嬢を…灰かぶり姫を嫁にもらうというのでしょうか?」
それこそありえないのだ。
いくらプライム家が財産持ちでもメリットが少ない。
「貴女は王族に嫁ぐことも可能な身分なのに」
「私がですか?ありえません」
「そんなことはないでしょう?大公殿下は未だ独身ですし、王弟殿下もしかり」
確かに王族の直系である王の弟は上王と王太后の実子。
本来ならば王位に就くはずだったが兄に王位を譲ったとされる。
現在は国を離れ戦場をかけているとのことだ。
実際アレーシャも会ったことはないのだが、英雄と呼ばれる程の王族だった。
「ありえませんよ。私などが」
「この世に絶対なんてことはありませんよ」
そんな雲の上の存在の人の元に嫁ぐなんてありえないと思っていた。
思っていたのだが‥‥
一週間後、開催される舞踏会に招かれてしまった。
しかもその舞踏会では大公妃を選ぶためのパーティーだと知らされる。
(どうせ私は選ばれないわ)
当て馬か数合わせかと思い期待することはなかった。
あなたにおすすめの小説
『「君の役目は妹で足りる」と婚約破棄されたので辺境へ去りましたが、滅びかけた王国より先に私の領地が大陸最強になっていました』
常陸之介寛浩📚️書籍・本能寺から始める
恋愛
あらすじ
王太子アルベルトの婚約者として、王都の政務と社交を陰から支えてきた公爵令嬢レティシア。
だが華やかで愛らしい妹エミリアに心を奪われた王太子は、公衆の面前で婚約破棄を宣言する。
「君の役目は妹で足りる」
その言葉に、レティシアは微笑んでうなずいた。
婚約者も、地位も、名誉も、王都での役目も――すべて妹に譲って、王国最北の荒れ果てた辺境領へ去る。
誰もが彼女の没落を信じた。
辺境は痩せた土地、尽きかけた鉱脈、荒れる街道、魔物被害、疲弊した民。
とても令嬢ひとりに立て直せる土地ではない。
……はずだった。
だが、王都で“地味な婚約者”と蔑まれていた彼女こそ、財務、兵站、外交、治水、徴税、流通、貴族調整まで一手に回していた真の実務者だった。
水路を引き、街道を繋ぎ、鉱山を再生し、魔物を退け、辺境諸族と盟約を結ぶ。
やがて小さな辺境領は、富も軍も人も集まる巨大勢力へと変貌していく。
一方、レティシアを失った王都では、妹と元婚約者による“華やかな政治”が破綻を始めていた。
崩れる財政、乱れる社交、反発する諸侯、迫る凶作、忍び寄る隣国の影。
今さら「戻ってきてほしい」と言われても、もう遅い。
これは、
すべてを奪われたはずの令嬢が辺境から国を超える力を築き、
やがて滅びかけた王国と大陸の秩序そのものを塗り替えていく、
婚約破棄から始まる超大作ファンタジー。
婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました
由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。
彼女は何も言わずにその場を去った。
――それが、王太子の終わりだった。
翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。
裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。
王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。
「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」
ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。
婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。
死に物狂いで支えた公爵家から捨てられたので、回帰後は全財産を盗んで消えてあげます 〜今さら「戻れ」と言われても、私は隣国の皇太子妃ですので〜
しょくぱん
恋愛
「お前のような無能、我が公爵家の恥だ!」
公爵家の長女エルゼは、放蕩者の父や無能な弟に代わり、寝る間も惜しんで領地経営と外交を支えてきた。しかし家族は彼女の功績を奪った挙句、政治犯の濡れ衣を着せて彼女を処刑した。
死の間際、エルゼは誓う。 「もし次があるのなら――二度と、あいつらのために働かない」
目覚めると、そこは処刑の二年前。 再び「仕事」を押し付けようとする厚顔無恥な家族に対し、エルゼは優雅に微笑んだ。
「ええ、承知いたしました。ただし、これからは**『代金』**をいただきますわ」
隠し金庫の鍵、領地の権利書、優秀な人材、そして莫大な隠し資産――。 エルゼは公爵家のすべてを自分名義に書き換え、着々と「もぬけの殻」にしていく。
そんな彼女の前に、隣国の冷徹な皇太子シオンが現れ、驚くべき提案を持ちかけてきて……?
「君のような恐ろしい女性を、独り占めしたくなった」
資産を奪い尽くして亡命した令嬢と、彼女を溺愛する皇太子。 一方、すべてを失った公爵家が泣きついてくるが、もう遅い。 あなたの家の金庫も、土地も、働く人間も――すべて私のものですから。
妹がいなくなった
アズやっこ
恋愛
妹が突然家から居なくなった。
メイドが慌ててバタバタと騒いでいる。
お父様とお母様の泣き声が聞こえる。
「うるさくて寝ていられないわ」
妹は我が家の宝。
お父様とお母様は妹しか見えない。ドレスも宝石も妹にだけ買い与える。
妹を探しに出掛けたけど…。見つかるかしら?
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
王妃の寝間着を渡すだけの仕事ですの?と笑った義妹、宮廷を追放されました
富士山麓
恋愛
モンフォール公爵家の嫡女アデルは、王宮で王妃クシェという名誉職を務めていた。
王妃の就寝の儀礼で寝間着を差し出す――ただそれだけの役目。
しかしそれは、王妃の私室に入ることを許された宮廷で最も名誉ある地位の一つだった。
かつてアデルは王太子の婚約者だったが、側室の娘である義妹カミーユが甘い言葉で王太子を誘惑。
婚約は奪われ、アデルは宮廷で静かにクシェの役目を続けることになる。
だがある日、義妹は新たに与えられた王妃の朝の儀礼――ルヴェを聞いて嘲笑した。
「王妃の着替え係?そんなのメイドの仕事でしょう」
その一言で宮廷は凍りつく。
ルヴェとクシェは、王や王妃の私室に入ることを許された最高の名誉職。
それを侮辱することは、王妃そのものを侮辱することと同じだった。
結果――
義妹は婚約破棄。
王太子は儀礼軽視を理由に廃太子。
そして義妹は宮廷から追放される。
すべてを失った義妹は、やがて姉の地位を奪おうと画策するが――。
一方、王妃の最側近として静かに宮廷に立つアデル。
クシェという「王妃に最も近い名誉職」が、やがて王国の運命を動かしていく。
これは、宮廷儀礼を知らなかった者が転落し、
その意味を理解していた者が静かに勝つ物語。
「君は有能すぎて可愛げがない」と婚約破棄されたので、一晩で全ての魔法結界を撤去して隣国へ行きます。あ、維持マニュアルは燃やしました。
しょくぱん
恋愛
「君の完璧主義には反吐が出る」――婚約者の第一王子にそう告げられ、国外追放を命じられた聖女エルゼ。彼女は微笑み、一晩で国中の魔法結界を撤去。さらに「素人でも直せる」と嘘を吐かれた維持マニュアルを全て焼却処分した。守護を失いパニックに陥る母国を背に、彼女は隣国の軍事帝国へ。そこでは、彼女の「可愛くない」技術を渇望する皇帝が待っていた。