令嬢は大公に溺愛され過ぎている。

ユウ

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兄と弟

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長い廊下を渡ると大きな部屋に到着する。

「少し休んでくれ」

「よし、俺がお茶を…」

「え!」

やる気に満ち溢れたエンディミオン。
だがアレーシャは知っていた。

天才肌のエンディミオンだが万能ではない。

「まぁ、叔父様が」

「楽しみです」

期待を込める王女と王子は幼さゆえに知らなかった。

エンディミオンがお茶を淹れるとどうなるか。


「まずい!!」

「ぐっ!!」

二人は早々に苦しみ出した。

「飲むな」

「ですが…」

「体調が悪いのにあんなまずいお茶を飲んだから悪化する」

(さりげなく酷いわ)

いくら何でも言い過ぎでは?と思うも王弟殿下に対してこの態度は一歩間違えれば不敬罪になるのはずだが普通だった。

「こんなお茶を彼女に飲ませるな」

「酷いですね」

「事実だ。お茶もまともに淹れられないのか…いや、俺も得意ではないが」


二人のやり取りはとにかくフランクだった。

「私が淹れ直します」

なんとか復活したルーファスが代わりにお茶を用意する。

「そんな!王太子殿下に」

「これ以上こんなまずい茶は飲みたくないからな」

慣れた手つきお茶を淹れ直す。

「なんだかダメな大人だと言われている気分だな」

「実際そうだろうが」

「哀しい」

泣きマネをするエンディミオンをもし貴族の令嬢が見たらがっかりするだろうがこれが素だった。

「ですが、エディー様。レオンハルト様とはどういう御関係ですか?」

「ん?聞いてないのか?」

「はい?」

聞いてないとはどういうことだろう?

「は?兄上!何も言ってなかったんですか」

(兄上…?)

気のせいか熱で幻聴が聞こえたのだろうか?


「アレーシャ。レオンハルト叔父上は父の弟君だ」

「へ…はぁ?」

「私も直にお会いするのは数年ぶりだわ。貴族でも限られた方しか顔を知らないでしょうから」


カップを持ったまま固まってしまった。


蘇る数々の無礼に眩暈がした。


(私は‥‥なんてことを!!)


穴があったら今すぐはいりたい。


「すまないアレーシャ。騙す気は無かったんだ」

「ご無礼を…」

「頼むから謝らないでくれ。俺が意図的に隠した。言うつもりもなかったんだ」

言うつもりはなかった。
それはどういう意味か解らなかった。



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