21 / 63
秘めた想い
しおりを挟む
アレンゼル王国の現国王陛下は王妃の子ではなく側室の子だった。
当時王妃よりも側室が先に子供を生み、王子だったことで宮廷内では騒動が起きた。
側室が王子を産んだことで王太子として将来を約束されるかと思いきや、数年後王妃が王子を出産、その数年後にまた王子を出産した。
そこで王位継承権を巡って争いが起きた。
当時王太子に望まれたのがレオンハルトだったが幼少期から聡明で争い事を好まない性格だった。
故にレオンハルトは王太子の座を兄に譲った。
だがその後も、権力を欲する貴族はレオンハルトに近づき言葉巧みに王太子の座を奪い返すように囁く。
レオンハルトは正義感が強く優しい性格故に血の繋がった兄弟で骨肉の争いはしたくなかった。
そうでなくとも母親が側室というだけで責められている兄を見るのは居たたまれず憂鬱な日々を送っていたある日。
精神的に滅入っているレオンハルトの乳母の店に遊びに行った。
そこで偶然出会った幼い令嬢が幼き頃のアレーシャだった。
「ごきげんよう」
優しく笑う少女にレオンハルトは一目惚れをした。
白銀の髪に紫の瞳は天使のようだと思った。
宮廷での暮らしはとても窮屈で憂鬱だったが、アレーシャといると心が癒された。
活発なレオンハルトは反対にアレーシャは本が好きで知識が豊富だったことで互いに足りないモノを補うことができた。
オパールに通うようになってしばらくして。
アレーシャの母、ユスティーナが病気で亡くなり父親が再婚することになったと告げられた。
意気消沈するアレーシャにレオンハルトは慰めの言葉もかけられなかった。
王子と言えどまだ無力なことでもで何もできないレオンハルトにタイミング悪く留学の話が舞い込んだ。
後に兄が王となれば補佐をするために勉強しなくてはならない。
セラフィーヌの命だったので逆らうことも叶わず国を離れなくてはならなくなった。
「アレーシャ…俺は国を出ることになった」
「‥‥いなくなるんですか」
泣きそうなアレーシャにレオンハルトは身が裂かれる思いだった。
「待ってて」
「え?」
「必ず迎えにい来るから。時間がかかるとかもしれない。でも絶対迎えに来るから待っていて」
この身一つでアレーシャを守れる男になって迎えに来る。
そう約束し、身に着けているペンダントを渡した。
「必ず迎えに来る。絶対に」
誰からも認められる男になって。
強くなって戻ってくると約束し国を出た。
だがその願いは無残に打ち砕かれる結果になった。
グランツ侯爵家とプライム伯爵家の縁談話が持ち上がった。
国王陛下の命で執り行われた縁談を止める術がなかったレオンハルトは諦めるしかなかった。
それでも心の奥底に想いを秘めながら戦場を駆ける内に英雄と呼ばれるようにまでなり若くして北の最強の騎士とまで呼ばれるようになった。
せめて遠くから愛しい人の幸せを願おうと心に決めたのだった。
当時王妃よりも側室が先に子供を生み、王子だったことで宮廷内では騒動が起きた。
側室が王子を産んだことで王太子として将来を約束されるかと思いきや、数年後王妃が王子を出産、その数年後にまた王子を出産した。
そこで王位継承権を巡って争いが起きた。
当時王太子に望まれたのがレオンハルトだったが幼少期から聡明で争い事を好まない性格だった。
故にレオンハルトは王太子の座を兄に譲った。
だがその後も、権力を欲する貴族はレオンハルトに近づき言葉巧みに王太子の座を奪い返すように囁く。
レオンハルトは正義感が強く優しい性格故に血の繋がった兄弟で骨肉の争いはしたくなかった。
そうでなくとも母親が側室というだけで責められている兄を見るのは居たたまれず憂鬱な日々を送っていたある日。
精神的に滅入っているレオンハルトの乳母の店に遊びに行った。
そこで偶然出会った幼い令嬢が幼き頃のアレーシャだった。
「ごきげんよう」
優しく笑う少女にレオンハルトは一目惚れをした。
白銀の髪に紫の瞳は天使のようだと思った。
宮廷での暮らしはとても窮屈で憂鬱だったが、アレーシャといると心が癒された。
活発なレオンハルトは反対にアレーシャは本が好きで知識が豊富だったことで互いに足りないモノを補うことができた。
オパールに通うようになってしばらくして。
アレーシャの母、ユスティーナが病気で亡くなり父親が再婚することになったと告げられた。
意気消沈するアレーシャにレオンハルトは慰めの言葉もかけられなかった。
王子と言えどまだ無力なことでもで何もできないレオンハルトにタイミング悪く留学の話が舞い込んだ。
後に兄が王となれば補佐をするために勉強しなくてはならない。
セラフィーヌの命だったので逆らうことも叶わず国を離れなくてはならなくなった。
「アレーシャ…俺は国を出ることになった」
「‥‥いなくなるんですか」
泣きそうなアレーシャにレオンハルトは身が裂かれる思いだった。
「待ってて」
「え?」
「必ず迎えにい来るから。時間がかかるとかもしれない。でも絶対迎えに来るから待っていて」
この身一つでアレーシャを守れる男になって迎えに来る。
そう約束し、身に着けているペンダントを渡した。
「必ず迎えに来る。絶対に」
誰からも認められる男になって。
強くなって戻ってくると約束し国を出た。
だがその願いは無残に打ち砕かれる結果になった。
グランツ侯爵家とプライム伯爵家の縁談話が持ち上がった。
国王陛下の命で執り行われた縁談を止める術がなかったレオンハルトは諦めるしかなかった。
それでも心の奥底に想いを秘めながら戦場を駆ける内に英雄と呼ばれるようにまでなり若くして北の最強の騎士とまで呼ばれるようになった。
せめて遠くから愛しい人の幸せを願おうと心に決めたのだった。
539
あなたにおすすめの小説
「貴女じゃ彼に不釣りあいだから別れて」と言われたので別れたのですが、呪われた上に子供まで出来てて一大事です!?
綾織季蝶
恋愛
「貴女じゃ彼に不釣りあいだから別れて」そう告げられたのは孤児から魔法省の自然管理科の大臣にまで上り詰めたカナリア・スタインベック。
相手はとある貴族のご令嬢。
確かに公爵の彼とは釣り合うだろう、そう諦めきった心で承諾してしまう。
別れる際に大臣も辞め、実家の誰も寄り付かない禁断の森に身を潜めたが…。
何故か呪われた上に子供まで出来てしまった事が発覚して…!?
余命3ヶ月と言われたので静かに余生を送ろうと思ったのですが…大好きな殿下に溺愛されました
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のセイラは、ずっと孤独の中生きてきた。自分に興味のない父や婚約者で王太子のロイド。
特に王宮での居場所はなく、教育係には嫌味を言われ、王宮使用人たちからは、心無い噂を流される始末。さらに婚約者のロイドの傍には、美しくて人当たりの良い侯爵令嬢のミーアがいた。
ロイドを愛していたセイラは、辛くて苦しくて、胸が張り裂けそうになるのを必死に耐えていたのだ。
毎日息苦しい生活を強いられているせいか、最近ずっと調子が悪い。でもそれはきっと、気のせいだろう、そう思っていたセイラだが、ある日吐血してしまう。
診察の結果、母と同じ不治の病に掛かっており、余命3ヶ月と宣言されてしまったのだ。
もう残りわずかしか生きられないのなら、愛するロイドを解放してあげよう。そして自分は、屋敷でひっそりと最期を迎えよう。そう考えていたセイラ。
一方セイラが余命宣告を受けた事を知ったロイドは…
※両想いなのにすれ違っていた2人が、幸せになるまでのお話しです。
よろしくお願いいたします。
他サイトでも同時投稿中です。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
【完結】結婚して12年一度も会った事ありませんけど? それでも旦那様は全てが欲しいそうです
との
恋愛
結婚して12年目のシエナは白い結婚継続中。
白い結婚を理由に離婚したら、全てを失うシエナは漸く離婚に向けて動けるチャンスを見つけ・・
沈黙を続けていたルカが、
「新しく商会を作って、その先は?」
ーーーーーー
題名 少し改変しました
【完結】離縁王妃アデリアは故郷で聖姫と崇められています ~冤罪で捨てられた王妃、地元に戻ったら領民に愛され「聖姫」と呼ばれていました~
猫燕
恋愛
「――そなたとの婚姻を破棄する。即刻、王宮を去れ」
王妃としての5年間、私はただ国を支えていただけだった。
王妃アデリアは、側妃ラウラの嘘と王の独断により、「毒を盛った」という冤罪で突然の離縁を言い渡された。「ただちに城を去れ」と宣告されたアデリアは静かに王宮を去り、生まれ故郷・ターヴァへと向かう。
しかし、領地の国境を越えた彼女を待っていたのは、驚くべき光景だった。
迎えに来たのは何百もの領民、兄、彼女の帰還に歓喜する侍女たち。
かつて王宮で軽んじられ続けたアデリアの政策は、故郷では“奇跡”として受け継がれ、領地を繁栄へ導いていたのだ。実際は薬学・医療・農政・内政の天才で、治癒魔法まで操る超有能王妃だった。
故郷の温かさに癒やされ、彼女の有能さが改めて証明されると、その評判は瞬く間に近隣諸国へ広がり──
“冷徹の皇帝”と恐れられる隣国の若き皇帝・カリオンが現れる。
皇帝は彼女の才覚と優しさに心を奪われ、「私はあなたを守りたい」と静かに誓う。
冷徹と恐れられる彼が、なぜかターヴァ領に何度も通うようになり――「君の価値を、誰よりも私が知っている」「アデリア・ターヴァ。君の全てを、私のものにしたい」
一方その頃――アデリアを失った王国は急速に荒れ、疫病、飢饉、魔物被害が連鎖し、内政は崩壊。国王はようやく“失ったものの価値”を理解し始めるが、もう遅い。
追放された王妃は、故郷で神と崇められ、最強の溺愛皇帝に娶られる!「あなたが望むなら、帝国も全部君のものだ」――これは、誰からも理解されなかった“本物の聖女”が、
ようやく正当に愛され、報われる物語。
※「小説家になろう」にも投稿しています
【完結】婚約者の義妹と恋に落ちたので婚約破棄した処、「妃教育の修了」を条件に結婚が許されたが結果が芳しくない。何故だ?同じ高位貴族だろう?
つくも茄子
恋愛
国王唯一の王子エドワード。
彼は婚約者の公爵令嬢であるキャサリンを公の場所で婚約破棄を宣言した。
次の婚約者は恋人であるアリス。
アリスはキャサリンの義妹。
愛するアリスと結婚するには「妃教育を修了させること」だった。
同じ高位貴族。
少し頑張ればアリスは直ぐに妃教育を終了させると踏んでいたが散々な結果で終わる。
八番目の教育係も辞めていく。
王妃腹でないエドワードは立太子が遠のく事に困ってしまう。
だが、エドワードは知らなかった事がある。
彼が事実を知るのは何時になるのか……それは誰も知らない。
他サイトにも公開中。
公爵令嬢は結婚式当日に死んだ
白雲八鈴
恋愛
今日はとある公爵令嬢の結婚式だ。幸せいっぱいの公爵令嬢の前に婚約者のレイモンドが現れる。
「今日の結婚式は俺と番であるナタリーの結婚式に変更だ!そのドレスをナタリーに渡せ!」
突然のことに公爵令嬢は何を言われたのか理解できなかった。いや、したくなかった。
婚約者のレイモンドは番という運命に出逢ってしまったという。
そして、真っ白な花嫁衣装を脱がされ、そのドレスは番だという女性に着させられる。周りの者達はめでたいと大喜びだ。
その場所に居ることが出来ず公爵令嬢は外に飛び出し……
生まれ変わった令嬢は復讐を誓ったのだった。
婚約者とその番という女性に
『一発ぐらい思いっきり殴ってもいいですわね?』
そして、つがいという者に囚われた者の存在が現れる。
*タグ注意
*不快であれば閉じてください。
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
私は、夫にも子供にも選ばれなかった。
その事実だけを抱え、離縁を突きつけ、家を出た。
そこで待っていたのは、最悪の出来事――
けれど同時に、人生の扉がひらく瞬間でもあった。
夫は愛人と共に好きに生きればいい。
今さら「本当に愛していたのは君だ」と言われても、裏切ったあなたを許すことはできない。
でも、子供たちの心だけは、必ず取り戻す。
妻にも母にもなれなかった伯爵夫人イネス。
過去を悔いながらも、愛を手に入れることを決めた彼女が辿り着いた先には――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる