令嬢は大公に溺愛され過ぎている。

ユウ

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至高の宝珠

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上品なドレスに着替え、隣にはレオンハルトが微笑む。

「あっ…あの、レオンハルト様」

「ああ、本当によく似合っている」

露出度はできるだけ少なく上品な白のドレスに身を包み首元にはアクセントにペンダントをつけている。

真珠のイヤリングが美しさが増している。


「人魚姫の涙と言われる真珠だ」

何気なく言われたが、人魚姫の涙とは100年に一度しか取ることができない七色に輝く真珠でダイヤモンドよりもずっと価値がある。

値段がつけられない程高価な真珠だった。

「レオンハルト様‥‥」

「隣国の王族から譲り受けたんだ。アレーシャに贈ろうと決めていたんだ」

人魚姫の涙。
この国には数多の精霊が信仰されており、中でも神様のように慕われる四大精霊の中の一人。

水の精霊だった。
元は人魚だと言われており真珠には人魚の加護がこめられている。

中でも最も価値のある真珠は七色の真珠だった。


「結婚式の日にこれをつけて欲しい」

「ですがこんな高価なイヤリングを」

「俺には最高の宝石が目の前にいる。真珠など霞んでしまう」

「えっ…あの」


恥ずかしいセリフを真面目に言われて真っ赤になる。

「どうした?やはり熱が下がっていないのではないか?」

(貴方の所為です‥‥)

レオンハルトはとにかく自覚がなかった。
愛されていないと思い込んで育ったアレーシャは戸惑う事ばかりだった。

あげくに男性には酷い言われようだった。
派手なカテリーナに対して地味な姉だと言われて来たのだから無理もない。

「あれには苛立つが感謝しなくてはならない」

「感謝?」

あれ呼ばわりのレオンハルト。
既に名前で呼ぶことしら嫌らしい。

「ああ、他の男を引きつけてくれたおかげで悪い虫がつかなくて済んだ。そうでなければその男を殺してしまいそうだ」

「そんな…大袈裟な」

「大袈裟ではない。グランツの次男が貴方に手を出したあかつきには宮廷の旗にくし刺しだ」

(笑えません…)

冗談に聞こえないので冷や汗をかく。

「だから俺以外の男を見ないでくれ」

「レオンハルト様…んっ!!」

強引にキスをされる。
遠出をした時とは違い奪う様な強引なキスで逃がすまいと捕らえられる。

(長い…!!)

じたばた暴れるも力の差で抑え込まれ深いキスをされ、体が火照ってしまい抵抗はできず部屋で一日過ごしレオンハルトに愛されながら夜は更けて行った。



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