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プロポーズ
しおりを挟むどっと疲れが出てしまった。
「王太后様、そろそろ」
「うむ、長居し過ぎたようだ。ゆるりと休むがいい」
「はい」
王太后が部屋を退出していく。
その後にアンジェリーナも続いていく。
「二人は俺と一緒に」
「はい叔父様」
「ええ」
ゆっくり休息をさせるべきだと判断した気遣いだった。
「セルジオ、何をしている」
「若い男女を二人きりにして何かあっては危険です」
ただ、動こうとしないセルジオを除いてはだ。
「ええい!気の利かぬ男が!こんか!」
「セラフィーヌ様!乱暴ですぞ!!」
胸倉を掴み連行していく。
体格差の違いはあるのにもかかわらず一同は冷や汗をかく。
「まったくユスティーナは馬鹿に嫁いだものよ」
「私はセラフィーヌ様と違って恋愛結婚ですから」
「勝ち誇るでないわ!」
言い合いをする二人はそのまま退出していく。
アンジェリーナ達も続いて退出し、賑やかだった部屋は一気に静かになった。
「すまない、騒々しくて」
「いいえ」
確かに色々ぶっ飛んでいるが、この国を支えている。
王妃不在の代理を務め王が行き届かないところも多く王太后が支えている。
「母は早くに父を亡くした所為か、王として政治を握って来たんだ。まぁ力で側近、貴族を黙らせてきたので…あの通りだ」
「とても豪快な方ですね」
色々強引過ぎる面もあるが筋を通している。
様々な改革を行い絶対王政を廃止にしているのも前王の代からだった。
「アレーシャ」
「はい」
「王族はこの通り問題が多く、苦労をさせるかもしれない」
膝をつきアレーシャと同じ視線になるようにして見つける。
「俺は常に戦場に身を置く立場にある。軍を率いて再び戦場を駆けまわることにもなるだろう」
「はい」
レオンハルトはエンゼルの獅子。
国の為に軍を率いて戦わなくてはいけない。
「だからこそ貴女に傍にいて欲しい。俺の帰る場所であってほしいんだ」
常に死と隣り合わせであり。
エンディミオンのように宮廷に留まり王の補佐をするわけではない。
身の安全はない。
それでも帰る場所にいて欲しいと言う願い。
「俺が道を踏み外した時は止めて欲しい」
「レオンハルト様…」
一輪の薔薇を差し出し告げる。
「私、レオンハルト・ブレムゼ・エンゼルの妃になってください」
「はい」
薔薇を受け取る二人は誓いを交わししたのだった。
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